期待度♪♪♪♪♪
「人類愛」に到達すれば利益共同体から脱却できる
「愛」は与えるものだ。
マニュアルや、損得や、世間体にはないピュアな心がある。
そうは理解しても、犯罪加害者を迎える家族を私は想像することはできない。それが「愛」なのかも価値観次第だ。
「恋人を救出するために、他人を2人見捨てる」
映画だと、男女の「愛」について自己犠牲を説くわけであるが、「誰かを守る」ということは、「誰かを排除する」ということである。
家族と公共の利益はイコールだろうか。
「愛」は「愛」でも、人類愛を獲得できぬ限り、家族、友人、恋人は「利益共同体」に過ぎない。キリスト教はそう教えているのだと解釈する。
『ひまわりの見た夢』はどんな「愛」なのだろう。
朝日新聞がスクープした「吉田調書」は驚愕だった。
政府の事故調査・検証委員会が福島第一原子力発電所元所長の故 吉田昌郎氏に行った聴取。
それは、吉田氏の1分、1秒の指示により 日本列島の壊滅が何とか避けられた事実だった。
吉田氏が作成した「安全屋」を皮肉った東電の原発事故対策=アクシデント・マネジメント(A・M)は、電源喪失に対応しきれず。具体的事例である「消防車によるポンプ放水」「ベントの手動開放」を説明したわけではなかった。これら全ては吉田氏の「賭け」であった。
舞台『ひまわりの見た夢』は犯罪被害者家族を 「愛」の視点から描く作品らしい。
ただ、「家族」とか、「友人」とか、「恋人」とか、身近なパートナーの生死、自身の生死さえも吉田氏の「賭け」にかかっていたのである。
東日本大震災に対し、「がんばろう、日本」というスローガンの基、復興を急ピッチで進める。産業経済・社会インフラ・地域コミュニティを復興することは重要である。この「自然災害としての3.11」と、「原発災害としての3.11」を明確に区分し、後者の「列島融解の危機」目前だったインパクトを後世へ教訓にすることは、これは国民の義務ではないかと思う。
『ひまわりの見た夢』に登場する「家族」など、1秒のうちに融解してしまう巨大リスク・エネルギーなのだから。
期待度♪♪♪♪
作家の力量が試される作品
自らに難題を課し、その成果を観客に問う、といった感じがする。説明を読んだだけで、これは難しいぞ、この物語をどう展開させていくのかという興味が湧く。「愛」という普遍的なテーマをどんな形で見せ、伝えてくれるのか、ぜひ観たいところだ。
期待度♪♪♪♪
究極の愛…ぜひ観たい!
「過酷な現実の奥底にある『愛』を描こうと思っています」との説明文が気に入りました。「愛」…その響きは美しいが、それをどう具現化されるのか。
ぜひ観てみたい!です。
期待度♪♪♪♪♪
大切なもの「家族」を見つめなおす作品に
主宰の佐藤です。
雀組は今までの作品の多くに「家族」を題材にしてきました。
今回は家族内で殺人事件を起こした家族の生き様を描きます。
裕福な家庭に育った三人兄妹。
外側から見れば、「幸せな家族」もその内側では色々な問題を抱えている。
その問題のひとつが爆発し、兄が妹を殺害してしまった。
何かが歪んでいた家族の内側を描き、また彼らがどう生き、どう生きるべきか。
雀組が難しいテーマに真っ向から勝負しました。
重いテーマですが、雀組らしさを忘れないように、観客に訴えかけます。
皆さんが「家族」というものを大切なものだと再確認していただける、
そんな作品を目指します。
是非、劇場に足をお運びください。