満足度★★★★★
堪能しました☆
少し日にちが経ってしまったが、大変楽しませていただいた者から一言。
孫がいても可笑しくない年代に近く、世相を読むことを生業としている私からすると、現代の若者の様々な姿が見事にパズルのように組み合わされて、短い時間の中に上手く表現されていたと感心した。どのキャラクターも現実にいるものだし、キャスティングも違和感なく面白かった。
訪ねて来た女の子のいじわるで唐突な質問攻撃は、1時間45分という限られた中で、トランクルームの住人たちの心情を吐露させるために必要なものだったと思うし、新しい外からの風(来訪者)と人間同士の生身の直のコミュニケーションによって、徐々にそれぞれの気持ちが変化して行き、新たな一歩を踏み出すという展開は、充分理解出来る。
喫煙に関する辛口コメントが多いが、燻らせる煙の形から人物の心情を汲み取ったり、煙った空気の中に霞む人々の置かれた様子を汲み取る感受性を、本来、日本人は持っているものだと思う。(私も大の嫌煙家だが、4列目でさほど影響は無かった。強いて言えば、空気清浄器などを持ち込むシーンがあってもいいかな? 現代の貧困生活は、戦前・戦後ほど悲壮感はない。結構、いい物も捨ててある)
この作家さんと演出家の、世相を反映した次回作にも大いに期待している。(「殺意~」も素晴らしかったよ☆)
満足度★★★★
観劇の感想です.
今年最後の芝居でしたが,良かったなと思いました.リアリティがなさそうという方もいらっしゃいましたが,私にはとても実際にありそうな話に思えました.自分が実際に体験したことなのに、意外な人から本当なのか?と疑われたことは私もあって、昨日のことのように憶えています.死んだ人の物を捨てられない方は沢山いると思います.トランクルームにすんでいる人がいるのかどうかはわかりませんが,遺品に囲まれて生きていくことには少し憧れたりもします.彼女の荷物に思い出の品がない...と言って声を荒げたシーンが逆に説明すぎたかなとも思いました.印象がその彼は少し弱かったのですが、最後女の子と消えていった男性はなんだか本当にいた人の様で印象に残りました.私は最後に雨のせいで残ってくれた彼に若い優しさを感じてほっとしました.
また次回作とても期待しています.確かに舞台が暗かったので俳優さんの顔が見えづらくて残念でした。
満足度★★
やっぱりタバコのシーン残っていたが・・・
話の内容的に入れる必然性を感じられなかった。
(「風立ちぬ」では違和感無く受け入れられたが→
なんか抗議がきたとも聞くが自分は自然と受け入れたなあの映画では)
(喫煙シーンありとの説明等していたけどねぇ・・・
配慮の方向性がちと異なるのでは?と思ったデス)
先の人の感想でもあったが特殊環境下におけるリアリティーが不足し、
説得力に欠けていたと思う。
各キャラクターの作りこみは結構リアルで納得できるのだが、
いかんせん生活というもっとも勘の働く設定がうそ臭く思える環境表現でした。
いろいろと不足な感じを受けた1時間45分です
満足度★★★
暗すぎる!
リアルな芝居とても好きなのですが、話がラストまで暗すぎる。
男は女の比べて踏ん切りが出来ず、引きずる心情は共感できますが、篭りっきりというのはいささか不自然。きっかけがあって初めて前へ踏み出します。
言葉だけのトランクルームから出ていくは説得力に欠けます。
タバコのシーン必要なら、本物吸わなくても代替品あるのではないでしょうか。
(私も吸いませんので出来ればやめてほしかった)
リアルなお芝居
面白いストーリーだったし、今までみてきた劇の中でもすごいリアルなお芝居でぞくぞくしました。ところどころにコメディーもあり楽しめました。でもある一定の波というか...続きすぎるかなと思いました。ずっと同じ体勢のままみてるのがつらいです。ですが、リアルなお芝居...勉強になりました!ありがとうございます!
満足度★★★
人生をさぼる人々
傷ついてどうすればいいのかわからない、これ以上傷つくのが怖い、
そう思った時、男はひきこもり、仲間を誘い、優しいシェルターを作った。
役者陣は魅力的だしシチュエーションも面白い。
だがちょっと丁寧過ぎたせいかテンポが悪く、集中力が途切れそうになるのが残念。
満足度★★
整理出来ない男
奇を衒わないオーソドックスな脚本・演出で、心に傷を負った男の心境の変化をじっくりと描いた作品でした。
恋人が死んだ後に立ち直れなくて彼女が残した荷物と共に仲間達と共同生活をする男の所に、新たな人達そして死んだ女の友人だという女が現れ、人間関係が変化していく物語でした。
淡々と会話が進む静かな雰囲気の中で、次第に男と死んだ彼女の関係が明らかになり、サイコホラー的な話になるのかと思わせる展開に引き込まれましたが、その後の展開や終わり方に求心力が感じられず、物足りなさを感じました。
恋愛絡みの話題が多いのがあまり好みではありませんでした。
転換の時以外は音楽も流れず、日常会話と変わらない口調と声のボリュームでの演技が落ち着いた雰囲気を醸し出していて、感情が高まるシーンとの対比が際立っていたのが良かったです。
見立てや省略といった演劇的な虚構を用いないストレートな演出だったので、都合の良いタイミングで人が現れたり、特殊な環境での生活のリアリティーが感じられない描写があったりしたのが引っ掛かりました。
満足度★★★
聖夜とは関係ないよ
RASCAL第1回公演を観た。第1回、そして聖夜ということで、明るい内容の公演かと思った。タイトル「カミノキズ」⇨「神の傷」⇨「聖夜」と短絡的に連想した。しかし、まったく関係ない。
自殺した恋人を想い、その遺品と暮らす男。荷物はもちろん、自分の気持も整理出来ない。やるせない話が丁寧に、そしてゆっくりと描かれる。
そんな男の所に出入りする人間模様が淡々と展開する。そして会話の中に、チラッと社会批判を織り交ぜる。
劇団代表の野元氏が、公演チラシに「年々社会に適応出来なくなっている気がしてなりません」と記している。公演で、その気持は十分くみ取れる。それを書くとネタばれ。これだけ書いたらもうネタばれ?ギリギリのつもりなんですけど…何か。
是非とも劇場へ足を運んで観てほしい。