満足度★★★★★
琴線に触れる、という言葉がありますが、
正にそんな舞台でした。私はコメディというより、世話物として見ました。レッツ・キッスのあたりから涙が止まらなかったなぁ。それは、昭和を反映した時代感のせいだったり、体温を感じさせる確かな演技のせいだったりするのだけれど、やはり現代の世相がこの脚本が書かれた頃より遥かに、孤独ということを実感させるせいだと思う。スーパーやコンビニにあふれるお弁当や総菜。長いことかかってそれを選んでいくお年寄りたち。昔は忙しい主婦が夕食のもう一品の足しに買った物だ。でも今は違う。みんながそれを知っているけれど、そして利用しているけれど、そこにある孤独には触れないようにしている。暖かなラストだが、そういう意味では鋭い視点で描かれた脚本だと思います。平日のマチネに予備の椅子が出るほどの盛況。だるま座すごすぎ。
満足度★★★★
これぞだるま座!
ホームグラウンドでだるま座の原点となる作品の再演。多少古めかしく、ちょっと強引な展開であるけど、これぞだるま座、と納得できる芝居でした。前回観た作品に不安を覚えたものの、これで一安心。
満足度★★★★
心和む作品
少し前の作品の再演ということで言葉遊びというか駄洒落の鮮度はちょっと古いかなという気もしましたが、作品そのもののもつ感覚は今でも決して色あせることなくみずみずしいものであり、現代の家族のありようについて考えさせてくれながらも心を和ませてくれる温かい作品であったと思います。
満足度★★★★
憂き世の人情
”独り暮らしのお年寄りや単身赴任者、身寄りのない方など寂しくて心に隙間ができてしまいがちな方々のメンタルケアをする目的で設立させて頂いた、有限会社「かぞくや」御指定の日時に出張致します”
まあ、こんなコンセプトの会社である。有限という所が憎い。失敗の責任を社主が負わなければならない形態だからである。株式にしてしまえば、基本的に経営サイドの利用者に対する個人責任は無いのだから。小学校時代に習った法律では以上のようになっていた。法律の専門家ではないので、変わっているとしても自分は関知しない。それは、株式会社と同じである。という選択ができない形で会社を立ち上げていることが微笑ましいではないか?