満足度★★★★
台風
そんな中、観劇。カミュの芝居は初めてでしたが、非常に楽しめました。ドーラの谷野さん、詩人の林さん、パワフルで繊細でよかった。若い人の迫力、刺激もらえます。
満足度★★
相対的な正義の尺度
ロシアの革命勢力の物語で、正義とは何かを考えさせられる内容でしたが、途中での軽い感じの演技が作品に合っていないように感じられて、物語の世界に入り込めませんでした。
大公を殺害しようとする革命組織のメンバーが、いざ実行となると、それぞれの「正義」や「潔白」に対する考え方の相違があらわになり、さらに「愛」という要素も加わって葛藤する物語でした。
部屋の出入りを特徴的な身体表現で表す以外はストレートな演技スタイルで演じられていましたが、中間辺りで新たに登場する役が、それまでとかなり異なる、おどけた要素を強調していて、せっかく高まっていた緊迫感が壊されて以降を集中力を持って観ることが出来なくなってしまいました。重い内容なので観客の集中力がに途切れないように笑いを入れる意図だったのならば、逆効果だったと思います。
開演前の注意のアナウンスがあるより前からマイム的な動きが行われていましたが、劇中では出て来ない様な現代的な動きがあったりして意図が良く分かりませんでした。
ドアをノックする音や馬車が走る音といった効果音や、転換時の音楽を役者が生演奏で出していたのが良かったです。
邸宅の広間の様な高級感があるギャラリー空間の奥に赤い布を上部から垂らし、そのまま床に水平方向に敷いただけの質素なセットが劇場とは異なる雰囲気を醸していて、新鮮でした。
正義の為ならテロリズムも肯定する役を演じた濱仲太さんが迫力がありつつもうるさくなく聞き取りやすい台詞回しで、急進的な革命家の雰囲気が良く出ていました。