満足度★★★★★
魅了される
毎回難しいテーマを取り上げる劇団、今回も老いた親と家族との絆、葛藤について描かれている。大袈裟な表現もドラマチックな展開もないが、登場人物の心情を丁寧に描くことで一人一人に感情移入ができた。エンディングに物足りなさの声もあるが観る側に「考える」事を喚起させる、表面だけの感動を押し付けない作品に、九州から観に来た友人も「虜になる劇団というのが判った」と納得していた。次回は時期的にも厳しいがなんとしても観たい、でないと後悔するだろうから。
満足度★★★★
満足
いつもながらの大西作品。しかし、今回は、従来とチョット違ったテイストだったように感じた。もちろん方向性は変わっていないが、「蟻の巣」のときのような激しさがなく、あくまでソフトに、やんわりと表現していた。もちろん悪いことではないし、十分に訴求する無いような秘めていたが、大西氏も歳を重ねているんだなぁ、と。(笑)
満足度★★★★★
涙がながれていました
ドラマティックな展開ではない、という感想がいくつか見られましたが、
そう、ドラマティックかと言われるとそうではないのかもしれません。
しかし、途中から、なみだがながれて止まりませんでした。
なぜ泣いているのかも分からず、なにに心を揺さぶられているのかも分からず、
一緒に行った友達も泣いていることをぼんやりと意識しながら観ていました。
久松夕子さんの存在感は余りにも大きい。
舞台に現れた瞬間から目が離せません。
しかしその他の役者さんたちも決してかすむことなく、味のある演技。
(個人的には、元先生役の方の演技がとてもとても好きでした)
心の奥底を大きな手でつかまれるような
精一杯生きるひとりひとり、みんなが愛おしくてたまらなくなるような
そんな芝居でした。
また、すぐにTOKYOハンバーグさんの舞台を観たい。
そう思わせてくれる芝居でした。
落ちをつけなくても魅せる芝居って、究極の形ではないでしょうか?
満足度★★
老いと別れ
こちらの劇団はこのようなテーマの作品が多いように思う。本作はハウスクリーニング屋と老女とのなにげない機微を坦々と描く。少し平板で、シャボン玉にかけた思いがもう少しのような気がした。
満足度★★★★
シャボン玉
突飛な展開が、あるわけではないが、心に沁みる作品でした。それぞれの立場での、理想、現実、過去の郷愁、言い訳、日常の中での些細な事の意味の大きさ。触れることはできなくても、確かな温もりを感じる、優しさに包まれた作品でした。相変わらず、魅力的な役者陣でした。
満足度★★★★
登場人物背景などキチンと設定しているのだな
と感心できる出来でした。
ただ日常を切り取った感じが強く、
ドラマチックな展開はあまり表現なさっていなかったなぁ・・・。と
(約90分)
満足度★★★
うーん淡い
よく練られた話でした。
でもあまりなか淡々と淡い描写が続くので眠くなりました。映画をそのまま舞台に倒したみたいな印象でした。上手いけど、舞台じゃなくてもいいなあと思いました。遠くでドラマが淡々と進行してるなあ感が最後まで消えませんでした。
満足度★★★★
レクイエム
多摩川の土手沿いの一軒家に去年夫を亡くした未亡人が一人で暮らしている。彼女の現在の愉しみは、地元の優秀で善良な清掃会社に掃除の仕事を発注すること。
その シャンボン玉は、どこへ向かうのか?
日本で今、大きな社会問題と なっているのが高齢者の単身世帯である。
今作は、多摩川河川沿い築50年以上の家に独り住む当事者の老女を、街のクリーニング屋を通して 見守る舞台だった。
“シャンボン玉”なるものは、膨らませ、空中へ飛ばす時点まで を笑顔で過ごす、無責任な遊び だろう。そうしてコンクリートの地面へ落下し破れた頃には 、次のシャンボン玉を製造するのだから。
だが、たとえ無責任の遊びであっとしても、公園で幼女が続々とシャンボン玉を飛ばす姿は 昭和の原風景かもしれない。
経営困難な街のクリーニング屋へ、一ヶ月に一回、一週間に一回のペースで「窓や浴室をキレイに」を注文する老女がいた。
もっとも、彼らクリーニング屋は 透明でしかない窓ガラスを磨くだけではなく、老女の 買い物や散歩を手伝う。
作業員からは、「私たちはヘルパーではない」という声も聞かれる。
その関係の中で、老女の子供、孫など親類家族も 加わる。
だが、私が感じたのは、冒頭の高齢者単身世帯問題ではない。
個人経営で、多摩川の家々をキレイにしてきたクリーニング屋の家族経営力だ。
老女の住宅のシーンは、舞台の前方にてビニールシートを広げ、洗浄する作業員の姿が いつも ある。
バッグの音響さえ掛けられぬなか、作業道具を使って、窓ガラスをキレイにする姿を 誰も見逃すことはなかった。
この、何の変哲もない作業内容は、観客を飽きさせてしまう一面も 当然ながら 存在する。
そして、それは今作が「シャンボン玉×老女」の紹介をしておきながら、家族経営の応援歌であることを控え目に表す。
世の中、高齢者単身世帯を狙った違法なクリーニング業者、リフォーム業者等 いることは間違いない。
一方、そうではない事業者が多数おり、高齢者の側からも「コミュニケーション」を求めてるケースは多い。
新聞、テレビ、雑誌は世の中の点をルーペで拡大して、それを広める役割がある。
逆に、無数の面は そもそも拡大しない。
こうした、「メディア•ギャップ」で「私たちは、一定の方向へ誘導させれているのではないか」という不安を改めて感じた。
作業員が、上記の「メディア•ギャップ」に陥る老女孫=女子高生に責め立てられ、社長へ「注文を断わったほうが いいのではないですか?」と訴える場面は、非常に 物事を重層的な観点から捉えた場面だった。
訴えた作業員が是か、社長が是か という是々非々を超えた、答えのない舞台が そこには あった。
満足度★★★★
無題781(13-209)
晴。前作から4ケ月、相原さんはちょうど1年ぶり、会場前は風が通らず蒸す、スタッフの方にお茶をいただく。「髪結う時」からで7作目、色使いを抑えた素に近い舞台、全体に「円」が描かれているのはタイトルの「しゃぼん玉」を現しているのでしょうか。14:31〜16:02。女の家、喫茶店、ハウスクリーニング業者の事務所、そして。決してハッピーではないが救いのない悲劇でもない、人の哀しさと暖かさが舞台を動かす、真っ直ぐな人たち。
満足度★★★★★
期待通りです!
大西さんの切なく優しい物語を楽しみにしていましたが、期待通りです。
東京ハンバーグの役者さんたちの幅広さが、今回も現実の世界へと融合させていきます。しばらく相原さんの演技も見られないのかと心配しておりましたが、変わらずの安定したすばらしい表現でほっとしています。
介護とか身の回りの問題を考えさせられる作品でした。
満足度★★★★
心が喜んでました
素敵な劇をありがとうございました。
久しぶりに、俳優さんの役に惚れこんだといえる劇を観せていただきました。あまり私にはないことです。
登場人物は、どこにでもいる市井の人たちです。しかし、その誰もが素敵な表情をしている。誰もが、一日一日を真摯に精一杯生きている。それが伝わってきました。
おそらくは多分に脚本の力強さにあるのでしょうが、どの役柄も個性的で、重みを感じました。
個人的には、相原さんの魅力的な演技、表情、山岡さんの表に出さない隠れた演技を、じっと観ていました。
年寄りくさい言い方ですが、人生とは、なんと重く、切なく、それでいて素晴らしいものなのでしょうね。
少し褒めすぎかもしれません。
脚本と演じるものとが、うまくマッチした今回の劇。次回での更なる発展に期待。