満足度★★★★
人形が素晴らしい
デザイン、造形もすごいが、やはり操り師が動かすとちっちゃな人がいるように見える時があって怖い。人形劇好きにはたまらない瞬間だ。それだけに生身の人間を登場させる演出にはちょっと違和感を感じた。フランス風のアコーディオンの軽い音楽が和風の話に意外にも合っていたのが、面白い。
満足度★★★
幻の世界をさまよう人形
室町時代の能の謡曲を昭和の三島由紀夫が翻案した『近代能楽集』から2作品を、江戸時代から続くあやつり人形劇団の結城座が現代の松本修さん(MODE)の演出で上演するという、様々な時代の折り重なりが興味深い公演で、人形ならではの表現が美しかったです。
『邯鄲(かんたん)』
不思議な枕を用いて寝て、夢の中で自分の生涯を知ってしまう男の物語で、主人公を夢の世界での人形、現実世界は人形を用いずに人形遣い自身が演じる形式でした。
主人公とその乳母以外の登場人物は骸骨姿で、夢=死者の世界が不気味かつ滑稽に描かれていました。赤いドレスを着た女の滑らかな動きが官脳的で美しかったです。
『葵上(あおいのうえ)』
かつて付き合っていた女との思い出に浸り、妻を捨て幻に溺れる男の物語で、病院が舞台なので、人形遣いは白衣姿で操演していました。
回想シーンでは(人間に対して)実物大に近いサイズのヨットが舞台上に現れたり、妻がベッドから起き上がる最後の場面でそれまでモノトーンだった世界に鮮やかな赤色が現れたりとヴィジュアル表現が印象的で、性と死を巡る濃密なストーリーと合わせて、独特の情感が漂っていました。
斎藤ネコさんによる情熱的な音楽は、生身の人間が演じる時に流れると大袈裟に感じてしまいそうでしたが、人形の静かな佇まいにはマッチしていました。
満足度★★★★
新しいぃぃぃぃ(某英雄風に)
とまぁ自分的には思ったわけですが、
実際370年続いてる人形操りの芸であります。
人形の見せ方や操り人の動き、使われている人形達の面白さに加えて。
原作(すいません未読です)の雰囲気は出していたように思いました。
(かんたん:70分→休憩15分→あおいのうえ:45分)
満足度★★
うーん・・・
「江戸糸あやつり人形」ってどんなんだろー、って期待して観に行ったけど、うーん、「こんなもんかー」って印象・・・。
他の作品では違うのかもなんだけど、「上手いなあ」以上のモノはなかったような。
作品そのものにしても、いろいろ他の上演とか見てれば違うのかもだけど、三島由紀夫の用意した面白さ以上のものは少なくともこの舞台単体では感じられなかったなあと。
役者さん、人形操演に関しては文句ないんですが、セリフに関しては技術にばらつきがありすぎなんじゃないかと。
とにかく『邯鄲』でメインやってた役者の滑舌は酷かった・・・。
あんなにサ行タ行ラ行の発音がアレなのに、セリフ多い役を振っちゃうのはよくわかんないです・・・。
あとは舞台の高さが不満だったかなあ。
最前列で観たけど、床面が全く見えないほど舞台が高く設定されてたのは観ていて疲れました。
芸劇の客席的には、あと一尺は低くても十分後ろの観客も楽しめる角度ではあると思うんです・・・。