ドキュ
ドキュメンタリーを見ているようだった。
そう感じた。それは言い換えると真実をそのまま見た気がしたということ。
もちろん、導入部分の楽しい部分もあるのですが、それに引けをとらない裏付けのある事実に基づいた物語であることによって安心して見ていられました。
(もちろん事実+創作なのでしょうが。)
満足度★★★★
出鱈目で、ぐだぐだで、ゆえに生まれる説得力
タイニイ・アリス前に、こんなに長い行列ができているのをみたことねーよってくらいの大盛況でした。ロシアの片田舎。貧しくされど豊かにわいわい暮らす人々。出鱈目な演技に、出鱈目なギャグ。取り様によるのだろうけど、わたしは愛せるかんじ。愛くるしいまでに、哀愁。
で、中盤あたりから、その出鱈目さのつけがまわってくるかの如く明るみに曝される「不都合な真実」。かといって、決して誰かを断罪するような視点ではないし、何かのスローガン的な内容じゃない。ああ、なるべくしてなったよね、と。なんかこの、ちゃかして描きながらも、ドライに神様目線で突き放して人間見てるよなあ、貫いてるよなあという作家のスタンスが本当に素晴らしいとおもう。
あと、巷で「最も紅天女に近い」と話題の清水那保さん。今回もなにかが憑依していました。いいよねー、彼女の台詞のでかたって。
鈍色。
好き嫌いはあるでしょう。決して朗らかな内容ではありません。でも、歪なものが輝く瞬間にこそ存在する強さもあるのです。とても美麗で印象的な場面が何度もありました。舞台上の風景が1枚の絵画の様に見えたり。観終わって残る余韻の後味は悪くないと思います。平和ボケしてる方、観るべきです。