歴史いぜんの記憶―うむすな 公演情報 歴史いぜんの記憶―うむすな」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.7
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    この世の出現
    戻らぬ時の中に、立つ。
    そして、踊る。

    ネタバレBOX

    火・水・風・土の四元素が動き、反応し、この世が、むくむくと生まれていく様を表していく。
    それは、歴史いぜん(以前)、いや、さらに神話いぜん(以前)なのか。
    物質の出現だけでなく、精神的な世界の出現をも含む。

    生まれ、死に、また生まれる。
    それは輪廻のよう。
    舞台の上にさらさらと流れ堆積していく砂。
    「時間」を表すだけでなく、「戻らないもの」を同時に表しているのではないか。

    その「刹那」「刹那」にわれわれはいる。
    戻らぬ、時の流れ、世の流れの中に。

    踊り手たちは、その時の中、空間の中でどこに立っているのか。
    天児牛大は、どこに立つのか。

    表現には、いつもと違う印象をいくつか受けた。
    それは、「今何を踊っているのか」が一目瞭然だということ。
    特に、「色」の使い方。鮮やかな色が「主張」する。
    表現がストレート。
    わかりやすい、とも言うかもしれない。
    何か変化があったのではないかと思う。

    ラストのカーテンコールの場面は、何度観ても、心が震える。

    肉体とは残酷だ。どんなに鍛えても老いはある。
    しかし、「老い」があることに意味があると思わせてくれる。



    ……ポスター買ってしまった(笑)。
  • 満足度

    思ったことを勇気を持って書く
    全く踊りになってないと思った。

  • 満足度★★★

    砂による時間の表象
    ゆっくりとした動きと刻一刻と変化する砂の姿を媒介にして悠久の時間を感じさせる作品でした。

    開演前から舞台奥両サイドの砂時計の様なオブジェから砂が流れ落ちていて、更に開演してから最後まで舞台奥中央に砂が落ち続ける中で、7つの場面が展開しました。天児牛大さんのソロから始まり、4人グループと3人グループのシーンが交互に続き、再び天児さんのソロの後、最後のシーンになって初めて天児さん以外の全員のユニゾンとなる構成で、中盤では少し停滞感を感じましたが、日常の時間感覚と異なる世界が
    繰り広げられていて、まるで夢の中の様でした。

    2つの大きな長方形がステージの床から少し浮いた状態で設置されていて、その上に均一に敷かれた砂が舞踏手が踊ることによってその痕跡が刻まれ、時間の流れが可視化されていたのが印象的でした。
    白い砂の色の中に火や水といった自然を連想させる赤、青、緑の照明が使われていて鮮やかでした。

    基本的に非常にゆっくりした動きがメインで、身体を精密にコントロールしながらも柔らかさが感じられました。砂の流れる音を聞こうとするような、片手の甲を同じ側の耳の下に当てる動きが何度も現れ印象に残りました。
    ゆっくりとお辞儀をするカーテンコールの振る舞いまで美意識が徹底していて、最後まで世界観を壊さないのが素晴らしかったです。

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