満足度★★
錯綜する声と動き
5人の役者と6人のダンサーによって物語の断片がバラバラに繰り返され重ね合わされる、実験的な側面の強い作品でした。
夜に会って星を見る話や、ストーカー殺人をした後に自殺した人の話が自然な台詞回しでありながらも、同時に複数の人で言ったり、異なる場面の台詞が同時進行したりと複雑に構成されていて、埋もれた記憶を掘り起こして行くような感じがありました。
ダンサー達の動きは役者とは異なる流れで展開し、狭い空間の中をダイナミックな振付が印象的でした。
それまでバラバラだった各要素が、テンポやピッチを合わせずに歌われる『かごめかごめ』で演技とダンスの表現するものがはっきりと一致し、インパクトがありました。
前半の淡々とした雰囲気でバラバラに台詞や動きが交錯する様子は惹かれるものがありましたが、中盤で感情が高ぶって叫ぶ辺りからは演技がナルシシスティックに見えて興を削がれ、その後の時間が長く感じられました。
即興の占める割合が多いと当日パンフレットに書いてあり、たしかに事前に決めてなさそうな出演者同士のポジションや台詞のタイミングがスリリングでしたが、その代わりに表現としたいものが伝わりにくくなっているいるようにも思えました。
劇団ウェブサイトの予約フォームから予約しても承りのメールが来なかったので、問い合わせフォームから予約出来ているのか確認したのですが、それにも返事が来ませんでした(結局予約は入っていました)。
今まで予約して承りの連絡が来なかったことは無かったので、不安に感じました。この対応は改善して欲しく思います。