点滅、発光体、フリー 公演情報 点滅、発光体、フリー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★★

    感覚を掬い上げる技術
    あさ紡がれる時間には肌理というか肌触りを感じることができたし、
    それが、観る側にも置かれていきました。
    感覚を掬い上げる技術には長けた作り手なのだと思う。

    ただ、感覚が研がれていくなかで。
    作品としての足取りが、
    ややあやふやになってしまったような気もしました。

    ネタバレBOX

    おもしろい空間で、
    広くもタイトにも感じるようなところがあって。

    その思いの要素というかパーツを掬い上げるような冒頭と、
    次第に解けていく時間はうまく紡がれていたように思います。

    体の内から細微に描き出されるがごとき映像にしても、
    身体でよしんば強く描くものにしても、
    そこから、観る側を共振させるようなニュアンスが
    しなやかにはぐくまれていて。
    ひとつの感覚や刹那を描く技量を感じた。

    ただ、それらが束ねられると、
    観る側の感覚として、
    なにか、フォーカスが定まらなくなるというか、
    その切っ先を感じながら舞台を追うことがなくなるというか・・・。

    中盤以降も、舞台に観る側を舞台の表現に繋ぎとめる力はあるのですが、
    そこから受け取るものが
    冒頭の印象にくらべて、やや冗長でくすんでいるようにも感じられて。
    で、一方、作り手がその冗長な感覚を含めたものを描いているとすれば、
    観る側として、いまひとつ、受け取ることができなかったようにも思う。

    いろんな、刹那に惹き付けられつつ、
    でも、作品全体を返ったとき、
    作り手の描いたものの内側にまでしっかりと入り込めて居ない気がして
    極めて個人的に悔しい感覚ものこりました。、
  • 満足度★★

    センチメンタルな断片
    特徴的な台詞回しや身体表現を用いて断片的なエピソードを繋いで行き、失われていくものに対しての悲しみが浮かび上がって来る作品でした。

    各エピソードの頭に「○○の話をします」と言って始まり、時には全然その話になっていないエピソードもありつつ展開し、話が収束するわけでもクライマックスがあるわけでもない、不思議な感覚が新鮮でした。中盤からはしんみりとした雰囲気が支配的で、あまり物語的に動きがないので、少々退屈に感じました。
    受付やオペレーションのスタッフがさらっとパフォーマンスに加わっていたのがユーモラスで良かったです。

    奥の壁や床面に映し出された、絶えず動き続ける抽象的なグラフィックの映像が美しかったです。特に流れるような多数の線が体を照らして変化する様が印象に残りました。キネクトを用いたリアルタイム処理の映像だったそうなのですが、何をトリガーにしているのかが分からず、もう少し関連性がハッキリと見えるシステムの方が良いと思いました。

    音楽も良かったのですが、音量が少しだけ大き過ぎて台詞が聞き取れないことが何度かあったのが残念でした。

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