満足度★★★★★
「遠い夏のゴッホ」観ました
当初話題になった、イロモノ的な扱いとは真逆の、普遍的かつ圧倒的な生命讃歌。
限られた時間で何を為すべきか、或いは乗り越えるか。全てのキャラが特有に持っている、大地に根ざした多彩な死生観(自分の人生で身につまされるセリフ多過ぎ('Д`) )
主演の松山ケンイチさんも予想外にいい声、周囲の個性派ぞろいのベテランに負けない存在感。
役者の身体に昇華された「虫の動作」がいい感じ(ストローで樹液を吸ったり、槍でチャンバラしたり。トカゲがほとんど伝統芸能w)
後半は、生命の火が消えつつある主人公の身体に終始ハラハラ。
シャトナーさんには珍しい大仕掛けが、森の世界をぐいぐい転換させる(ヒロインのシーンは、名古屋の原智彦さんの舞台『姨捨』を想起 笑)。そして、壁の向こうへ…
ラストも、最後までごまかさずに、責任を持って物語る。
タイトなスケジュールにもめげず、名古屋から足を運んで観に行ってよかったです!
満足度★★★★★
松山ケンイチ初舞台、美波の愁いに満ちた恍惚の美しさ、愛の執念で生きたセミたちの物語
まず、松山ケンイチの初舞台が、「赤坂ACTシアター」というのが凄い…。
ある森の夏の日。1年間違えて羽化してしまったセミ・ゴッホは、
幼虫時代の恋人、愛するベアトリーチェとの約束を果たすため、
冬を越え次の夏まで生きるとこを決意する。
ゴッホは、さまざまな昆虫やカエル、トカゲ達と交流する。
美波の愁いに満ちた恍惚の美しさ、
松山ケンイチの記憶もおぼろげに執念で生き延びるセミ、
登場する昆虫ら、小さな生き物たちの営みを描いたミクロの世界は、
我々にも、宇宙にも通じるマクロの世界。
舞台の上で、"虫"となった出演者たちは、虫の真似をするのではなく、
実に生き生きと「その生き物たちにとして」舞台の上で生きていた!
カマキリ役の細貝圭は、「海賊戦隊ゴーカイジャー」宿敵バスコ役だった人。
バスコもどこか、カマキリっぽかったね。
満足度★★★★
シャトナー作品欠乏症に、じんわり効く処方。
西田シャトナーさんと松山ケンイチさんが作り上げた世界は、端整な蜂蜜のようにすっきりした味わい。
大きな劇場とたくさんの観客に向けて、分かりやすくなっていたものの、イメージの広がる余地は残し。ほしかったエッセンスは受け取れたので元気になれました。
満足度★★
悪くないけど、さして面白くもない感じ
全く、チラシの説明とか読んでいなかったので、あの画家のゴッホのお話なのかとずっと誤解していました。
よくチラシを見たら、ちゃんと松山さんが土の中で羽化するのを待っている体勢の写真が載っていましたね。
というわけで、「ブンナよ、木から下りてこい」をちょっとライトにした感じのストーリー展開でした。
不愉快になる類の芝居ではなかったので、何となく観てしまいましたが、この料金で観るにはちょっと内容が希薄な気もしました。
主演の松山さんより、脇の吉沢さん、田口さん、鷲尾さん、彩乃さん等の方が印象的でした。
筒井さんがご出演とは全く知らず、帰宅してチラシを見てビックリしました。筒井さん色消えていました。つまり、役者さんとして、成長されたんだなあとしみじみ。
もう少し、テンポアップして、上演時間を短くしたら、お子さんとかも観られるタイプのファミリー向け芝居になるかもしれません。
ただ、笑いを取ろうとして設定されたシーンがそれほど面白くないので、あれはいらないと思いました。