満足度★★★★
私(たち)は沖縄のことを何も知らない
過剰で不自然なほどの説明台詞に気づかされる。
「沖縄のことを何も知らないのだ」ということを。
燐光群でなければ、坂手さんでなければできない舞台。
「今」の「問題」を「今問う」坂手洋二さんの動きの早さと意志の強さを感じる。
同じ母から生まれた2人の「星の息子」。
(ネタバレの文書は、まだうまくまとまってないが、とにかく書いてみた)
満足度★★★★★
彼我の差
今まで沖縄についていくつもの作品を書き、発表してきたからこそ、大和と沖縄の距離に気付き、更なる深化を遂げた作品だ。フロンティアに自身の身を晒して来た坂手氏の緊張感に満ちたシナリオ、いつもながら、役者陣のしっかりした演技、会場に入るや否や、飛びかかってくる権力の犬達の恫喝、座席へ着くまでに幾重にも重ねられた衝立を模した障害物が、現地の臨場感を想像させる。着席すると、手書き原稿を印刷した実感のこもったリーフレットで更に詳しい現地の様子が分かる仕組みだ。やんばるの森に囲まれた東村高江は、ジャングル訓練センターの隣にある集落だ。この作品の舞台でもある。人口僅か150名のこの集落の周辺に、現在北部訓練場にある22か所のヘリパッド以外に新たに6か所のヘリパッドが作られようとしている。そのうち民家に最も近い物は僅か300~400mしか離れていない。如何に過重な負担が負わされてきたか、現在も続いているかを作品は提示した。我々は何をすべきか。今それこそが、我々に問われている。世界は垂直軸の中にある、という表現に、この作品の詩魂が込められていよう。