K.ファウスト 公演情報 K.ファウスト」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    串田和美の【Kファウスト】を観劇。

    今作は、自由劇場のメンバー笹野高史と小日向文世が出演している舞台である(吉田日出子は出演していない) 串田和美の芝居は、あの伝説の上海バンスキングは観ており、それ以外にもコクーン歌舞伎など多数観ている。そして串田和美の芝居は外れがない!という印象がある。

    錬金術師、占星術師、魔術師と呼ばれているファウストの物語。

    人よりは面白い人生を謳歌している老人ファウストは、まだまだ人生の謎を解きたいと思っている。そんなファウストがある日、メフィストフェレスと出逢い、悪魔の契約を交わす。それはファウストが若い肉体を得て、欲望を満たし、そしてこの世の謎を解き明かす事。ただし契約には24年後、メフィストフェレスにファウストの魂を譲る事。そして二人は共にその24年間を一緒過ごして行くのである。

    簡単に言ってしまえば、ファウストとメフィストフェレスのロードムービーという感じか?人生の終焉を見てしまったファウストは、新たに得た人生を以前より謳歌出来るのか?誰もが必ず感じる死への恐怖、そして自分の生きた証をこの芝居はテーマとしており、観客の皆様方の人生とは?と笹野高史の上手すぎる芝居、派手なサーカス、生演奏で観客に問いかけてくる。芝居の大部分は、新たなる人生を得たファウストの生きざまを描いているのだが、これが全くの退屈なのである。折角得た新しい人生を、観客はファウストと一緒になって客席で高揚したい気分なのだが、出来ないのである。生舞台でしか味わえないサーカス、生演奏が唯のお飾りにしかなってないのである。上海バンスキング、コクーン歌舞伎の臨場感はいずこへ?という気分だった。そんな事を思いつつ高倉健さんの気分でジッと我慢して観ていたのである。そしてこの芝居のクライマックスである悪魔の契約が終わる日に、ファウストはまたしても人生を悔いてしまうのである。今度はメフィエストフェレストと一緒に。そうメフィストフェレスはファウストの分身であり、自分自身でもあったのである。そしてその二人が空しい人生を終えようと、抱きしめ合いながら遥か彼方を見ている時に、舞台上手では、長いロープを伝ってサーカス団がスローモーションのようにゆっくりと落ちて行くのである。そして舞台下手では、長い梯子を登っては落ち、登っては落ちをスローモーションのようにサーカス団が演じているのある。なんという素晴らしい見せ方だ。まさしくこれが今作の最大の狙いであり、その視覚的効果に観客は人生とは?と考えさせてしまうのである。幾ら言葉で語った所で所詮無力で、演劇の醍醐味、視覚こそが舞台の最大の武器と言わんばかりの見せ方で舞台は終わっていくのである。そして舞台は終わった?と思った瞬間からまた驚くような芝居を笹野高史が見せてくれるのである。まさしく笹野高史ブラボーであった。

    こんな素晴らし展開の見せ方に、流石に涙せずには居られなかったが、それまでのつまらなさは一体何だったの?と言いたい処だ。それこそが狙いです!と言い切るぐらいにリスクを覚悟で平気でやってしまうのは長塚圭史ぐらいなのだが、今回に関しては、明らかに串田和美の失敗です!と観客は気がついているだろう。そうまさしく失敗なのである。

    だから今作は、お勧めではないのである。
  • 満足度★★★★

    ゲーテが化けて
    串田さん的人生賛歌に思える3D祝祭劇。小日向さんがキュート過ぎる。雛形である必然性はみえない。

  • 満足度★★★

    中途半端
    時代設定がよくわからないのは狙いだろう。楽しんでもらうための。笑いも含まれていて面白かった。サーカスまで登場するなど、エンタメ要素満載だが、ドリフのような下ネタはどんなものか?あれはちょっと、芸がなさ過ぎると思うし、しつっこい。

  • 満足度★★

    祝祭感溢れる『ファウスト』
    サーカスや楽隊が入り乱れて祝祭的雰囲気を盛り上げる、いかにも串田さんらしい演出で描かれた『ファウスト』でした。

    串田さんの前口上に続いて、ファウストの物語が始まり、最初は中世の設定だったのが途中からは何故か舞台が現代に移り、ハンバーガーとコーラを食べながらヒッチハイクをしたりとファウストとメフィストフェレスの旅路がユーモラスに描かれていました。終盤はシリアスな雰囲気になり、真実を知って打ち拉がれて立ち尽くすファウストと空中ブランコの対比が印象的でした。

    足早に物語が展開する部分と、しつこく引っ張るギャグ的な部分のバランスが悪く、もう少し物語を描いて欲しかったです。ホムンクルスにまつわるエピソードを端折り過ぎていて、わざわざそのエピソードを入れた意図が分かりませんでした。
    個人的に子供っぽくおどけた感じの演技が苦手なので、劇中劇として演じられる人形劇のシーンや、全員で歌って踊る盛り上がるシーン等では入り込みにくかったです。

    笹野高史さん、小日向文世さん等、元・自由劇場のベテラン達の余裕のある演技が楽しかったです。メインキャスト的に名前が記されている雛形あきこさんがあまり活躍していなくて残念でした。
    空中ブランコやジャグリング等のサーカスの技自体はスリリングで楽しめましたが、心情の象徴としてもっと物語と深く関わった表現が観たかったです。
    cobaさんを中心とした5人の生演奏はロマ的な仄暗い情熱を感じさせ、良かったです。

  • 満足度★★★★★

    ファウストベースの音楽劇!かな(^^)
    シルクドソレイユと融合した舞台劇ですかねぇ
    道化としてサーカスが登場しつつファウストの旅物語を彩ります
    <賑やかで楽しかった>

    長い話を上手にまとめた2時間55分(休息15分)でした

    ネタバレBOX

    1階席は、ほぼ満席でした。
    (2階→3階と空席目立ちましたが)

    タブロットの紙芝居屋、
    太鼓(兄)とラッパ(弟)をもった道化が、
    高名な錬金術師のDr.ファウストの近況説明で開幕です。
    (紹介前にサーカスの大道芸人+空中ブランコなどが乱舞(^^)

    大音響と共に四散したDrファウストの身体・・・・
    そうなる前に何があったか、で物語が始まりです。
    老人が夜に思う人の世の流れを・・・・。
    そして絶望し青い小瓶=毒薬を飲もうとしたところに、
    弟子のワグナーが「忙しい」「下男が欲しい」と要求をし承認をえます。
    ついでのように「夜明け前にアシュタロトの魔術書を読んで欲しいと
    3人の来客があります」と告げる。
    先に言わんか、順序が違うだろうと弟子を叱り。
    その魔術書で悪魔を呼び出します。
    6人(?)の紙袋を被った悪魔が、
    ファウスト中心にした魔法陣の外に現れます。
    (照明で表現した魔法陣綺麗でしたー回転もしてましたわ)
    1体づつ出せる速度を聞いていきます。
    カタツムリより早い、木の葉が落ちるより、
    人のうわさ、銃の弾よりなど。ときて
    最後の悪魔は「人の思う速さ」と返答し、
    ファウストはこの悪魔=メフィストと
    世の快楽・欲望・真実などの享受と引き換えに
    自由に生きたいと魂の譲渡契約を40年期限でします。 
    (代償としては立場の交換と劇中で説明。
    この世ではメフィストが召使であの世では逆でと・・)
    その間に弟子のワグナーはカスペルという、
    少々足りない下男を「銅貨30枚+お小遣い金貨20枚」で雇います。
    (アンチョコ見ながら言うには、
    「2次元的絵空事の世界から来た」そうです。)
    契約の開始はDrの若返りです
    ミイラ状の人型を台上で操作します→それ=自分自身を見るDr。
    (面白い構図でありました(^^)
    そしてパルマ王国までの道のり中で悪魔とDrはヒッチハイクしてたりして旅自体を楽しむ事を表現してました。(マックのバーガー食べたりして)
    パルマにて大公の新妻にちょっかいかけたり、
    お金の概念を教えたりして経済の改善をしたりしました。
    (その間下男カスペルはDr追って悪魔にの呼び出したドラゴンに乗ったりして追いかけていましたが追いつけずに夜回りの仕事に落ち着くことになります)
    で休息。
    後半、
    地獄めぐりから帰ってきたDrと悪魔ですが、
    20年が過ぎ。悪魔は期限が来たとDrに詰め寄ります。
    40年のはずと詰め寄りますが、
    今まで寝ずに動いたのだからと言い負かされ
    後3時間(ちょうど0時)で契約終了となり姿も老人に戻ります。
    そして街なかでDrが倒れていると、
    カスペルに出会い未払いの賃金を要求されますが、
    金が無い!が外套のボタンは金と宝石だから交換しようとDrは言いますが、
    元下男は取り替えた外套のせいで悪魔を騙して
    Drが逃げようとする企みを見抜き取引は不成立。
    最後の時にDrは若返って最初に見たヘレナ(空中にある輪に乗った美女)を再び眼にして運命を受け入れ爆散します。
    (当初の話に戻るんですねー)
    その前にメフィストのモノローグが入ります、
    自分は本当はいなくて、
    全てはファウストの頭の中での出来事でしかなかったのであろうと。
    本当に金を錬金しようとして爆散した
    Drの一瞬の夢物語だったのでしょうか・・・・?

    今宵の話はここまでとして幕となりますとファウストが〆て終幕です

    弟子のワグナーがホムンクルスの合成で学長にまでなり、
    二人の女性、マルタとグレーテルのいがみ合いからの戦争など。
    人の世の幸・不幸を表現した合間にサーカスの大道芸や
    生演奏&ジャグリングなども入れて楽しませてくれます。

    カスペルが女悪魔に乗せられるドラゴン(翼竜でしたな)の表現が面白かった

    最後の空中ブランコとか、
    要所要所の吊りパフォーマンスなど舞台表現は見事でありました。

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