実演鑑賞
満足度★★★★★
途中まではいつもの別役劇だが、後半で一気に物語の核心に入っていく。何ともノスタルジックな味わいを残す作品。小さい劇場での上演ということもプラスになっていて、過剰にならない演技や演出によりこの作品の魅力がうまく出されている。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/02 (水) 15:00
座席1階
「メリーさんの羊を上演する会」が前身の山の羊舎。初演に出た中村伸郎が別役実に書き下ろし、1984 年1月から1989年まで渋谷の「ジァンジァン10時劇場」で繰り返し上演されたという。テーブルにミニ機関車が走るジオラマを配置した演出は当時のままという。
別役作品はPカンパニーのシリーズでたくさん見てきたが、この作品は初見。いわゆる定番の不条理劇とは趣が違っていて興味深い。しかも、夫婦愛を描いている。ただ、せりふの応酬は別役作品ならではで、最初に登場する信号夫の男のせりふなどはいかにも別役作品という空気をまとっていて楽しい。
冒頭、線路を走っているミニ機関車を、信号夫が信号灯を手に号令をかけ止める。これが大きな伏線になっているのを、劇の後半で知る。しっかり作り込まれた戯曲だなあと感心する。
もう一つの主役は、ジオラマの中に立っている小さなメリーさんだ。スポットを浴びる場面もあるが、何せ小さな人形なので、小劇場楽園のような客席が近い舞台でも遠い席だとよく分からないだろう。自分は一番前に陣取って正解だった。