満足度★★★★
4年前の記憶を辿りつつ観る
4年前の再演版の記憶が残っていたりいなかったりでそれを繋ぎ合わせたりしつつ、また、オチを知っているので「なるほどここでヒントを言っているな」などと思ったりもしながらコトの成り行きを見守る。
(前回どのタイミングでオチが読めたかは思い出せなかったが)
前説・本編で時として客席通路まで展開する趣向も楽しい。
満足度★★★★
仕掛けが良い
最早、地球には住めなくなったヒトは地球タイプの惑星を求めて宇宙の旅に出る。これは、初の移民船の物語だ。ブラックホールの向こう側には、ホワイトホールがあるということが、最近、科学雑誌の誌面を賑わすが、そういう知識も取り入れながら、物語は進む。指揮統括は、当然、コンピュータである。「2001年宇宙の旅」ではハルがその役を務めたのだが、この宇宙船のコンピュータはマザーマリア。出発当初は、総てが上手く回っていたが、総てのことがそんなに順調にゆくはずもない。
目的の惑星までの所要時間は、10か月と10日。この日数から誰でも想像するのは、ヒトの妊娠期間である。無論、この推論は正しい。複雑系を持ちだすならば、ヒトに限らず、生命の振る舞いと物の振る舞いは、非常に近い関係にあることが、分かってきている。結晶を作るような振る舞いは、素粒子が、原子や陽子、中性子などを形成し、更に生物の基になるアミノ酸や、炭素などの分子、或いはその構造体を作るような振る舞いに似ているし、条件次第では、結晶は崩れて構造体ができたとしてもすぐに壊れてバラバラになり、一定の構造を有することができないカオスの振る舞いをする。生命体は、このカオスと結晶との間の領域、殊に、カオス辺縁部での自己増殖や安定構造を持ちつつ同時に遷移する相互連鎖系を持つことによってカオスと結晶構造の間でバランスを保つのである。このことは、コンピュータサイエンスにおける普遍的プログラムの諸様態にも対応する。
さて、この物語解釈のヒントは与えた。みなさんは、どう解釈するだろうか?
満足度★★★★
話の展開が面白い
照明や音響、舞台セットが近未来を思わせる作りで最初から期待できました。前説や芝居の中でチラシを配ったり、飽きさせない試みが多かったです。オープニングの迫力には惹きつけられ、宇宙の話と思いきや、途中から作品の流れがわかり、最後はジーンときます。途中の別芝居や諸々所感ありますが、断然5の内容に思います。