実演鑑賞
満足度★★★★★
板空間は観客席真正面の長方形空間。上手袖が出捌けである。板上には一台のリヤカー。荷台には芸人であるゲサク&キョウコが芸に用いるチンドン屋風太鼓、空き缶、ジョロ、バケツ、バチ等と生活に必要な水筒、日常食・干し芋の入った容器、捕虫網、飯盒、毛布やラジオ、懐中電灯、帽子等及びコルト45ピストル、フェンシング用剣、日本刀、矢等の武器類が水屋風の家具の棚やスーツケース内、リヤカーの荷台を構成する柱等に要領よく仕込まれている。中でも特筆すべきはリヤカー左前方に取り付けられた九重五郎吉一座と記された旗。役者陣の演技が良い。
実演鑑賞
満足度★★★★
核戦争後の荒野を往く旅芸人のゲサク(戯作)とキョウコ(狂言)、これにヤスオ(耶蘇)が加わってのひと時の旅と別れ。劇中のパロディネタの中には、もうおぼろげにしか覚えていないCMがあったり、時代を感じさせる部分もあるが、この詩的な戯曲が当時ほぼ一気に書かれたものだということに改めて感動する。
実演鑑賞
満足度★★★★
平均年齢73歳の三人芝居。ヴィジュアルから元ネタは大友克洋&矢作俊彦の『気分はもう戦争』だと思ったがこっちが先。1979年発表。核戦争後の崩壊した世界をリヤカーで突っ走る老いぼれた『イージー・ライダー』。ひらめく九重五郎吉一座の幟、要は流しのチンドン屋。
寿歌(ほぎうた)=祝いの歌。
「はいな。」
イオナの化粧品、横顔のバーバラを起用し「イオナ。わたしは美しい。」のCMは1977年誕生。48年後の今日もそのネタを強要。訳が分からないが笑うしかないだろう。
伊東由美子さんはいい女だな。老人ホームのマドンナみたい。井村昴氏はカッコイイ。山田康雄やクリント・イーストウッドの美学。猪股俊明氏は奇跡を起こせるのだが大して使い道もない。
オリジナルを知らないので自分的にはこの老人の愉快な旅こそが原像となる。今平とかホドロフスキー、フェリーニ風に映像化して欲しい。寺山修司調にアレンジしてアングラ地獄巡りの道中なんかもあり得る。
観に行って正解。面白かった。