黄昏の湖~On Golden Pond~ 公演情報 黄昏の湖~On Golden Pond~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/04/08 (火) 14:00

    マーク・ライデル監督「黄昏(1981年)」の原作舞台。
    22年前に銀座セゾン劇場で観た時はそれよりさらに22年前に観た映画の印象が強すぎたためかどこか物足りなさを感じたが、時を経てその「呪縛(笑)」から解き放たれたのか、演出などの違いによるものか、はたまた齢を重ねたからか、十分に沁みた。
    セイヤー家の3人の会話の毒舌の根底に愛情、あるいは言いたくて言えないもどかしさなどが感じられてイイんだなぁ。
    ところで邦題、従来の「黄昏」はセイヤー夫妻の暗喩でもあると思うが「黄昏の湖」だとその意味合いが失われるのでは?
    なお、観ながら映画の場面がしばしば脳裏をよぎった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/04/08 (火) 14:00

    座席1階

    ヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダという実の父と娘が共演した映画「黄昏」の原作となる作品。加藤健一が老父、劇団昴の一柳みるが老母、そして娘役が加藤忍という配役。今作は爆笑するような場面、セリフはないが、随所に言葉遊びを含めたユーモアが盛り込まれ、加藤健一事務所らしい仕上がりだ。

    文句の多い、頑固な男性役をやらせたら、やはりこの人は天下一品だ。実際に同事務所のラインナップでもこのような役は多い。だが今回は、頑固で嫌みなことを言う中で娘の幸せを願い、娘が新たに息子として迎える13歳の少年と心を通わせていくところを、うまく演じている。
    舞台は米メーン州の「ゴールデンポンド」と呼ばれる湖畔の別荘。老夫婦はここに毎夏訪れているが、この夏は、疎遠となっている娘と恋人、その息子がやってくる。老父はやんちゃな息子にいきなり本を読めと宿題を課す。少年はタメ口をきくなど態度は悪いが、何か感じるものがあったのだろう。比較的素直に読書を受け入れ、誘いを受けて一緒に釣りに出かける。
    テーマはわだかまりを抱えていた父と娘の和解であり、老夫婦の支え合いであったりするが、少年と老父の関係性も興味深い。舞台は淡々と進んでいく。休憩を挟んで2時間10分は少し長く感じた。

    ラストシーンが前向きなのは、とても安心できる。黄昏というと人生の黄昏を連想するが、その光景はこの戯曲ではとても輝いて見える。

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