実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/01/08 (水) 18:00
『鯨…』を観劇。2017年に初演した作品を再演。歳を取るのも悪くないのだ、と思わせる作劇。とても面白い。130分。
渡辺えりが山形に戻って母の介護施設に行ったときのことを誇張した前段から、40年前に解散した劇団の劇団員が皆その施設にいるということにして、40年ぶりの公演を…、の物語。2017年の初演も観劇して見事だと思ったが、いろいろと手を加えての本作も実に見事。歳を取っても上演に懸ける熱意やらを感じさせ、加えて後の世代に引き継ぐ大切さも扱う。渡辺の役を演じた桑原裕子は初演に続いての同役だが、今回の方が渡辺っぽい印象だったのは何故なんだろう。ベテラン女優陣の健在ぶりは感激モノである。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/01/08 (水) 18:00
座席1階
「鯨よ!私の手に乗れ」を拝見。オフィス300を率いる渡辺えりの古希記念と銘打って行われる2本立ての一つだ。渡辺の多彩な才能、そして70歳とは思えないパワフルな姿にあらためて驚かされた舞台だった。
自分にとっては久しぶりの300の舞台。この演目、初演は比較的小さな劇場だったというが、今回は本多劇場。広めの舞台を存分に使っての演出は、この人の才能は劇作家というエリアだけでなく自らの劇作の魅力を最大限に引き出す力も合わせ持っているという証明だ。特筆すべきは場面転換のスムーズさ。場面転換であると思わせないほどの円滑なチェンジで、客席からの視線が途切れることはない。お客さんを飽きさせないキーポイントだろう。
舞台は渡辺の故郷、山形県(劇中では別の名前になっている)の老人ホーム。昨年に亡くなった自分の母の入所体験がベースだといい、入所者家族の視点などかなりのリアリティーがある。自分に模した登場人物は桑原裕子に任せ、渡辺自身は「渡辺の母」の役柄で、流暢な方言を振り回して登場する。
冒頭のシーンは、この物語を貫く骨太の筋書きだ。これに符合するラストシーンがすごい。まるでテントのアングラ劇を見ているようなシーンに感動する。
もう一作の「りぼん」は見ていないが、「鯨よ!」は観てよかった。渡辺自身がいつも言っている、平和への思いも十分に伝わってきた。