キツネの嫁入り 公演情報 キツネの嫁入り」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
21-33件 / 33件中
  • 満足度★★★★★

    うら悲しい!
    むかしむかしの未来の昔、お伽話も色々背景を考えてしまいます。

    ネタバレBOX

    婦人会を通して紹介され、再婚相手として本当にキツネが嫁入りしてきた話。

    キツネは人間と結婚したからには人間の姿でいないといけないという掟があるそうで、姑や夫の好みに合わせようと体力を使って健気に努力するところは、福寿奈央さんと高橋智子さんの入れ替わりで表現され、可愛くもあり、面白くもありました。

    夫の元愛人に化けたと勘違いしたせいなのか、それとも妊娠し易い動物が憎らしいのか、村の唯一の女性の嫉妬はキッとして強烈でした。

    それにしても、昔なら山奥に宇宙船でも墜落して危ないから近付いちゃいけないよで済んだ話が、今じゃ原子力発電所か、あるいは使用済み核燃料保管センターの事故による放射能汚染ということで、お伽話も殺伐としたものとなりました。

    本当に放射能の影響で染色体に異常が生じ、女性が生まれなくなったり、あんな風になったりしたら嫌ですね。

    ラスト近く、甥がちゃぶ台を拭いている姿は、何ともうら悲しい光景でした。
  • 満足度★★★★★

    物語
    未来の昔話は、
    いろいろな 面が感じられつつ、
    場面の うつくしい光とか、 
    いろいろな 場面が 印象的でした。

  • 満足度★★★

    ほんのりほっこり
    客席案内を吉田小夏さんがやってて、ビックリ!でも、なんだか嬉しかったし、より好感が持てました。舞台は、セットがスゴく素敵でした☆また音楽も雰囲気をより醸し出してて、良かったです。役者さんも皆さん魅力的で惹き付けられました。ただ、もう少し時間が短いとよかったなぁ~

  • 満足度★★★★

    日本なエロス
    とても面白い。できた作品。

    ネタバレBOX

    村長・松吉(荒井志郎)をはじめ、男しか生まれない島。太郎(藤川修二)の長男・一雄(林竜三)は、妻・美雪(高橋智子)との間にやっと子を授かるも、美雪の死去によりヤモメになり、村のためにキツネの椿(福寿奈央)と結婚する…。

    太郎の次男・寅次(石松太一)が、島の禁断の祠で授かった子・菫(福寿奈央)が、落語のマクラみたいな導入で昔昔の未来の昔の話をはじめるスタイル(最後の〆も)が、「日本」な「物語」を印象づける。
    キツネの娘と人間という異類婚姻譚の要素が、コメディな感じとシリアスでダークな雰囲気の両立に上手く作用してた。椿が一雄の母・光子や前妻の美雪に化けるってのは視覚的に面白い。村長の妻・紅子(大西玲子)が椿の変化能力に嫉妬心をぶつけるシーンも上手い。太郎の妹で娼婦というか男にだらしない系というか愛欲の権化的な桃子(東澤有香)が、子を抱えて島を出てまた戻ってくるというくだりも、怪談話というか女性の怨念なものが見えるようで好きな話。ドクロが緑色に光ってなんて、幻想的なような気もするし、椿が見るも無残な容貌で死ぬという展開も、昔話な残酷さが感じられた。そんなとこを「語り」だけで表現するところが気に入った。

    立入禁止の祠のせいで、発達障害(知的障害?)の子として生まれてきたという寅次…ってとにこ、放射能汚染された未来の構図が連想できるけど、子が生まれた喜びは昔も今も未来も変わらんものなんだろうとおぼろげに思った。

    ちなみに、本作の女性陣は、皆どこか艶かしい雰囲気がある。福寿奈央の、新妻演技とか林を床に誘う様とか。松吉の筆おろしを海岸の小舟の中でやっちゃったり、桃子の子・竹彦(田村元)にイイ男になりなと言ったりする桃子とか。エロイ。

    桃子死亡時の照明と舞台奥に片目押さえて登場する演出は◎。
  • 満足度★★★★

    朝食の場面が素晴らしい!
    ちょっと怪談を含む昔話風近未来ファンタジー(ネタバレしすぎたか?)とでも言ったらいいのか、面白い味わいの作品。

    ネタバレBOX

    次男がずっと少年で、キツネがお母さんの顔をしているという設定をうまく利用した過去の朝食の場面が見もの。途切れずに元の時間に戻ったときには「やるね~」と思った。見事な演出。映画では時々見かけるけど芝居ではなかなか難しいと思う。帰ってこなかった桃子叔母さんのエピソードがなんとなく浮いていたのが残念。
  • 満足度★★★★

    口上からいい感じ
    ほんのりSFとあるけど、しっかりSFだったと思う。
    「恋女房達」で観たSF風味の作品も好みだった。
    青☆組のこのテイストは好きだな。
    物語と演出が抜群にマッチしているとは思わないんだけど、
    ちょっと不思議な面白さがありますな。

    ネタバレBOX

    「七夕の国」とか諸星大二郎の漫画が頭に浮かんだ。
    やっぱりね、どうしてもキツネの素顔はババンと見せて欲しいと思っちゃう。
  • 満足度★★★★

    匂いとともにいざなわれる物語の世界
    劇場に入ったとたんに香る線香の香り。それが物語の世界に入るのを助けてくれて不思議な感覚になります。

    SFだけどわざとらしく見せずにあくまで日常の中に不思議な要素を取り込んでいるのがよかった。
    だんだん物語に引き込まれる舞台だった。

    ネタバレBOX

    最後まで観て「遠い未来の昔の話」という言葉の意味が分かった。

    もう日本という「島」もなくなってみんないなくなってしまうという結末は、F/Tの「じめん」とつながってそれが今の日本の近未来につながる気がした。

    物語の入ってはいけない森の奥にある工場跡も原子発電所なのかなとも思った。
  • 満足度★★★★

    舞台美術
    舞台美術と照明が美しい。
    開演前の20分間見惚れた。
    話は少し長いんじゃないか。
    それでも充分4つ星。
    客席係をやっている吉田小夏に好感。

    ネタバレBOX

    開演前の香りは線香ですか?
    お香炊いちゃえばいいのに。
  • 満足度★★★★★

    夢の中にいるよう。
    席についた瞬間から、雰囲気が違う。
    光と香りで次第に遠くへ誘われる感覚があり、おやっと思った瞬間に物語が始まる。
    登場人物一人ひとりの描写が非常に丁寧で、柔らかな心情の変化を存分に感じられました。

    語りの中で切なくなったり恐ろしく思ったり…
    昔話であり、ファンタジーであり、日常でもあり
    色々な要素がちりばめられた素敵な舞台でした。

    機会があればまた観たいなと思います。

    ネタバレBOX

    福寿氏が演じる椿の心の強さ、全てを受け入れる母・光子の安心感、
    紅子の激しさ
    桃子のしたたかさとその執念。

    形のさまざまな弱さや脆さを抱え狼狽えるばかりの男性陣と違い、はっきりとした守るもの・確固たる己の欲を持った女性陣の強いこと強いこと、恐ろしいこと。

    何時の時代もどこの世界も男は弱く女は強いのだなぁと思ってしまった。
  • 満足度★★★★★

    めでたし
    厳選された台詞と音響、極めて日本的な題材をモダンな空間で魅せる
    素晴らしい舞台だった。
    吉田小夏さん、凄い人だなあ。

    ネタバレBOX

    土俵のように少し高くなった白い八角形の舞台は、なだらかに裾が広がる。
    和な感じの格子や行燈のような照明が天井から下がっている。

    「むかーしむかし・・・」で始まり「めでたしめでたし」で終わる昔話。
    それが未来に語られる昔話となれば、話はこの2012年から少し経った頃か。
    一輪の花を手にした出演者が客席の間を通って舞台へと向かう。
    とても静かな、しかし打楽器の響きと共に強烈な印象を残す出だしだ。
    このオープニングで一気に、現実と幻想が入り混じった不思議な世界に惹き込まれる。

    あることが起こってそれ以後女の子が生まれなくなった小さな島の物語だ。
    島の反対側には危険なものがある“行ってはいけない場所”がある。
    父親と二人の息子、それに甥っ子の4人が暮らす男所帯にキツネが嫁に来る。
    長男の妻が亡くなって1年後、島の存続のためにもという
    村長のたっての頼みもあり長男はキツネの嫁をもらう。
    島の暮らしには湿り気のある古い日本の地方色が濃く出ていてとても懐かしい。
    蝉の声、蜩の声、波の音など定番中の定番が、これ以外に考えられないほどハマる。

    知的障害を持つ次男を演じた青年団の石松太一さんが素晴らしい。
    ただ一人、純粋さを損なわずに大人になった人間として
    素直に心情を吐露する人に、一分の隙もなくなりきっている。
    後ろ向きの時でさえ、その表情が手に取るようにわかって
    共鳴せずにいられない。

    全体のテンポが、若い人の作品とは思えないほどゆったりしていて
    厳選された台詞が際立つ。
    あの会話の丁寧な間とタメは吉田小夏さんの作品に共通するものなのか、
    若い世代には貴重な、自然な忍耐強さを感じる。
    情報量を多く、ボリュームを上げて急いで喋る芝居が多い中で
    これは「語り」のテンポとでも言えようか、言葉がひとりでに立ち上がるようだ。
    その結果人物像がくっきりして、会話は静かでも緊張が途切れない。

    ひとつの役を複数の役者が演じる場面が多いが、
    とても上手くつながっているのは役者の力と構成の上手さかと思う。
    現実と幻想、過去と現在が自在に交差する構成と
    それに伴う人の出入りに工夫があって複雑なのにわかりやすかった。
    被災地を思わせる表現の仕方にもセンスと女性らしい繊細な視点を感じる。

    「めでたし、めでたし・・・」で終わるこの昔話、
    終わってみればSFかホラーか寓話か、そしてとても哀しいおとぎ話だ。
    今の私たちには協力してくれる心優しいキツネもなく
    人間は愚かな行いの果て一直線に滅びて行くのだろうか。
    それもまた「めでたし」なのかもしれない・・・。

  • 満足度★★★

    ほっこり。
    毎回毎回、チラシのデザインが素敵で気になっていたんです。
    青☆組。初めて観させていただきました。

    舞台セットや照明がとてもキレイで、幻想的、なんだけれど、どこか懐かしい雰囲気もありつつ…。
    心がほっこり、しました。

  • 満足度★★★★

    古くて新しい感じがした、105分
    8角形の舞台に、時にはちゃぶ台も登場するスタイル。さらに照明も工夫こらしており、まるで古くて新しい現代の童話という新しいスタイルを感じた、105分でした。

  • 満足度★★★★

    期待以上に好み
    しっとりした舞台。物語は時間表現がスタイリッシュに進み、オシャレな舞台美術と安定感ある演技が冴える役者さんたち。ほんわかな話から後味苦めでいろいろと考えさせる舞台。初日とは思えない仕上がりは流石だと感服しました。アフタートークも魅力満載…ネタばらしも…スゴく素敵な夜のデジャヴ。時間があればもう一回観たいが…。

このページのQRコードです。

拡大