キツネの嫁入り 公演情報 青☆組「キツネの嫁入り」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    日本なエロス
    とても面白い。できた作品。

    ネタバレBOX

    村長・松吉(荒井志郎)をはじめ、男しか生まれない島。太郎(藤川修二)の長男・一雄(林竜三)は、妻・美雪(高橋智子)との間にやっと子を授かるも、美雪の死去によりヤモメになり、村のためにキツネの椿(福寿奈央)と結婚する…。

    太郎の次男・寅次(石松太一)が、島の禁断の祠で授かった子・菫(福寿奈央)が、落語のマクラみたいな導入で昔昔の未来の昔の話をはじめるスタイル(最後の〆も)が、「日本」な「物語」を印象づける。
    キツネの娘と人間という異類婚姻譚の要素が、コメディな感じとシリアスでダークな雰囲気の両立に上手く作用してた。椿が一雄の母・光子や前妻の美雪に化けるってのは視覚的に面白い。村長の妻・紅子(大西玲子)が椿の変化能力に嫉妬心をぶつけるシーンも上手い。太郎の妹で娼婦というか男にだらしない系というか愛欲の権化的な桃子(東澤有香)が、子を抱えて島を出てまた戻ってくるというくだりも、怪談話というか女性の怨念なものが見えるようで好きな話。ドクロが緑色に光ってなんて、幻想的なような気もするし、椿が見るも無残な容貌で死ぬという展開も、昔話な残酷さが感じられた。そんなとこを「語り」だけで表現するところが気に入った。

    立入禁止の祠のせいで、発達障害(知的障害?)の子として生まれてきたという寅次…ってとにこ、放射能汚染された未来の構図が連想できるけど、子が生まれた喜びは昔も今も未来も変わらんものなんだろうとおぼろげに思った。

    ちなみに、本作の女性陣は、皆どこか艶かしい雰囲気がある。福寿奈央の、新妻演技とか林を床に誘う様とか。松吉の筆おろしを海岸の小舟の中でやっちゃったり、桃子の子・竹彦(田村元)にイイ男になりなと言ったりする桃子とか。エロイ。

    桃子死亡時の照明と舞台奥に片目押さえて登場する演出は◎。

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    2012/05/29 00:42

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