天保十二年のシェイクスピア 公演情報 天保十二年のシェイクスピア」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    4年10月ぶりの藤田版再演。宮川彬良さんの曲が実に素晴らしく、地を這って生きる人たちのエネルギッシュなこと。木場勝己隊長の達者な導きで天保十二年の、佐渡の三世次の一代記に誘われる。高橋一世を踏襲しつつ悪の度が増した浦井健治の三世次。お文、お里など悪人ぶりが際立つほど、話がおもしろくなってくる。シェイクスピア作品の織り交ぜが絶妙で、耳慣れたセリフが出てくるとつい笑ってしまう。
    他人の人生を踏み台にして虫けらから代官に上り詰めた男の悲惨な最期もなぜか爽快。2幕はジェットコースターさながらに疾走する。
    確かに絢爛豪華祝祭音楽劇だった。リピーターチケット(かなりお得な)もあるのでできれば1階と2階で観劇をオススメします。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    4年前の藤田俊太郎演出の初演を見た時も「面白い!」と思ったが、今回も同様に面白かった。二度目(蜷川演出版のDVDも入れれば3度目)の観劇である。今回は音楽がいいと感じた。藤田版は「祝祭音楽劇」と銘打っているように、宮川彬良作曲・指揮の音楽が非常に雄弁に物語を引っ張っていく。冒頭とラストはロック民謡調、恋人同士のデュエットは演歌調、ヤクザの親分たちの歌はジャズ調と、曲想も多彩で豊かである。

    初演と同じく3時間半(休憩20分)だが、全く飽きない。
    唯月ふうかのドスのきいた女侠客と華やかなお嬢さんの一人二役が面白かった。

    ネタバレBOX

    シェイクスピアをパクった名場面集なのだが、「間違いの喜劇」から本歌取りした、双子の姉妹(唯月ふうか)を同一人物と勘違いする場面が、非常に笑える。「オセロー」の嫉妬から妻(土居ケイト)を殺し、自分(章平)も死ぬ場面は、コメディーが基本の本舞台の中では、シリアスな凄みをきちんと出していた。続く、ロミジュリからとった花魁と青年の死は、軽さがあった。

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