満足度★★★★
じわじわと引きずり込まれました。
やるせない重い世界。追い詰められて、逃げ場のなくなっていく様が恐ろしくも、悲しい。じわじわと引きずり込まれました。これはどーでもいいことだけど、サービスシーンにはおっと。前の方の席だったので(笑)。
満足度★★★★★
衝撃的
ごくごく普通の美容室を舞台に物語りは日常を基点として始まる。この舞台は私にとって決して忘れられない舞台だった。
正直なところ、好き嫌いが分かれる舞台だとは思う。共感可能かどうかも観客間で意見が割れるはずだ。しかし、本当に心に残る舞台というのはそういうものなのではないか。
思うに「魚のいない水槽」という舞台はじりじりと一人の人間を少しずつ追い詰め、壊してしまう恐ろしさが同居する異様な世界だ。そして極度に対比する人間関係のおぞましさは、本当に怖いのは人間なのだと主張する物語だった。
満足度★★★★
遅くなりました。
感想を書くのが遅くなりましたし、そもそも当日遅れて劇場に到着しました。すいません。
いつも遅れてくる輩を横目でみながら『いったいどんなたいそうな理由があって遅れてくるんだ?ええ、おい、おまえよー』と思っていただけにいたたまれない気持ちになりましたが、お仕事のせいです。すいません。まぁどうでもいい話です。
最初の十分程を見逃しましたが、非常にいいものを観たなという感想を持ちました。
満足度★★★★
「軸」を感じました
すでに5回ほど、ここサンモールスタジオを訪れているのですが、ストレートにたどり着いたことがありません。新宿駅から、伊勢丹の前を通って、さて右前方か、左前か、いつも迷ってしまうのです。それでも今回は、なんとか1回のミスで到着することができました。ラッキーです。
さて、劇評です。
①題名は、むしろ「水のない水槽」のほうが、内容的からしてよかったのではないかと・・・
次第に息苦しくなる、重苦しい展開。息がつまるような進行なのですから。と、最初に思ったことです。(どうでもいいのかもしれませんが)
②最後まで観た後で、「ああ、この劇団は、しっかりとした軸を持っているな」と感じました。1回しか劇を観ていませんが、みなさん「真摯」なのです。もちろん脚本からしてそうなのでしょう。現実を、リアルに、しかも冷静に捉えて、淡々と演技をしているように思えました。ここ何回か「絶叫」的台詞の発露の劇を観てきたせいか、なおさらそう感じたのかもしれません。無意味に昂ぶらず・・・の姿勢は、この劇では効果的だったと思いました。
③しかし、それが逆に作用される面も否定できません。役者全体を見ていて、強烈な個性を感じる方がいなかったのは残念です。「抑えた」演技ゆえのことかもしれません。これは何回か足を運んで見定めていく必要がありそうです。今回は、役者のみなさんに及第点、しかしMVPなしといったところでした。
④主宰者の方の姿勢に好感が持てます。それは②に書いた通りですが、劇団として、大きな可能性を秘めていると確信。内容や演技の幅を、どんどん広げていってほしいものです。
⑤若い(新しい)劇団共通の課題ですが、やはり「年長者」は必要です。今回も、みなさん若くて、それはそれで魅力なのですが、重いテーマながら、さほど重みを感じなかったのは、そこから来るのではないでしょうか。「看板」としてではなくてかまいませんが、いるだけでも「重さ」を導き出してくれる存在は、ぜひともほしいなと思いました。
⑥とは言え、私には、大変「面白い」そして「考えさせられた」劇でした。
ありがとうございました。
満足度★★★
ジワジワと来る怖さ
すっきりとしない、気分が重くなる物語を会話主体のオーソドックスな演出でリアルに描き、社会の目に捕われて転落して行く怖さがジワジワと伝わってくる苦々しい作品でした。
美容室で働いている男がメディアに出ることによって過去に関わった犯罪のことが周囲に知られ、疑心暗鬼になって身を滅ぼす物語が時間を掛けて丁寧に描かれていました。
終盤、男が妄想に駆り立てられて狂っていく描写に切迫感があって良かったです。途中で女性が下着姿になるシーンがあり、ただの男性向けサービスシーンかと思いきや、滑稽かつ切実な展開になり、感情が強く伝わって来て良かったです。
日常会話と変わらない大きさの声で、耳を傍立てないと聞こえないときもあって、逆に引き込まれました。どのキャラクターも実在してそうな雰囲気がありました。
時間の経過を示すために度々効果音付きで暗転することによって流れが滞るのが気になりました。必要最低限のところだけで用いた方がインパクトがあって効果的だと思いました。
手前が美容室の控室で奥がカットスペースになっていて、場面によって奥が透けて見える舞台美術が良かったです。
映像のクオリティ(内容・解像度とも)が低かったのが残念でした。
脚本と役者の演技は良かったのですが、演出とスタッフワークがあまり洗練されていなくて、この劇団ならではのカラーが見えて来ないのが勿体なく感じました。
満足度★★★★
ホラーじゃないけど怖かった
最初何の話しかわからないまま、不穏な空気だけがジワジワ膨らんでいって、中盤くらいからようやく話が見えました。
「人が不幸になる様」を目の当たりにしました。怖いなあ。
ノリとかやつあたりとか疑心暗鬼とか、誰でもやりそうなことありそうなことだから、よけいに怖い。自分も気をつけよう。
こわいこわいこわい。
台詞も舞台美術もすごくリアルで惹きこまれました。
満足度★★★
引き込まれたが・・・
ストーリーには最初から引き込まれ,最後まで集中力を切らせない展開は見事だと思うが,とにかく重くて暗いよね。効果音も芝居と合いすぎなくらい不気味な雰囲気を醸し出しているし。昼の回観劇で良かったなぁ。夜の回だと帰り道は辛かったと思う。とは言っても,芝居自体はやはりよかったと思う。この劇団,初見でしたが,次も観たくなる気にさせてくれる。
満足度★★★★★
緻密な構成が素晴らしい
前回の裏窓も素晴らしかったので、今回も期待して行ったが、
期待を裏切らない素晴らしい内容と思った。
ただし、最初は具体的な内容が良く分からず、
不気味な雰囲気を漂わせるようなつくりのため、
好みは分かれるかもしれない。
(初心者「お薦め」にもしましたが、
もしかしたら感性が合わない方もいらっしゃるかも)
お店への嫌がらせ、ストーカー、過去の犯罪、
そして匿名性の強いチラシやネットでの誹謗中傷・・・と、
現代の社会病理とも言える素材を用い、
サスペンス的に、初めはモヤモヤしていた内容が、
次第に具体的になり、それは主人公の過去にも及ぶ。
こうした、観る者を惹きつけてやまない筋の運びも見事。