魚のいない水槽 公演情報 魚のいない水槽」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-13件 / 13件中
  • 満足度★★★★

    じわじわと引きずり込まれました。
    やるせない重い世界。追い詰められて、逃げ場のなくなっていく様が恐ろしくも、悲しい。じわじわと引きずり込まれました。これはどーでもいいことだけど、サービスシーンにはおっと。前の方の席だったので(笑)。

  • 満足度★★★★

    怖いかな、どちらかというと
    今週は似たテーマの芝居が多い(643ノゲッツー)。たんたんとしている菊池さんが強いのかなんなのかと。

  • 満足度★★★★★

    衝撃的
    ごくごく普通の美容室を舞台に物語りは日常を基点として始まる。この舞台は私にとって決して忘れられない舞台だった。

    正直なところ、好き嫌いが分かれる舞台だとは思う。共感可能かどうかも観客間で意見が割れるはずだ。しかし、本当に心に残る舞台というのはそういうものなのではないか。

    思うに「魚のいない水槽」という舞台はじりじりと一人の人間を少しずつ追い詰め、壊してしまう恐ろしさが同居する異様な世界だ。そして極度に対比する人間関係のおぞましさは、本当に怖いのは人間なのだと主張する物語だった。

  • 満足度★★★★

    遅くなりました。
    感想を書くのが遅くなりましたし、そもそも当日遅れて劇場に到着しました。すいません。

    いつも遅れてくる輩を横目でみながら『いったいどんなたいそうな理由があって遅れてくるんだ?ええ、おい、おまえよー』と思っていただけにいたたまれない気持ちになりましたが、お仕事のせいです。すいません。まぁどうでもいい話です。

    最初の十分程を見逃しましたが、非常にいいものを観たなという感想を持ちました。

    ネタバレBOX

    徐々に壊れて行く感じ、とても好きですし、とてもよく演じているなと思いました。ひょいっと首をすくめるようなあの演技好きです。堂々としている姿と何かに怯えている姿、よく演じ分けているなといった感じでした。

    全体的にみなさん上手だなと、そういった感想を持ちました。舞台の作りも良かったです。
  • 満足度★★★★

    「軸」を感じました
    すでに5回ほど、ここサンモールスタジオを訪れているのですが、ストレートにたどり着いたことがありません。新宿駅から、伊勢丹の前を通って、さて右前方か、左前か、いつも迷ってしまうのです。それでも今回は、なんとか1回のミスで到着することができました。ラッキーです。

    さて、劇評です。
    ①題名は、むしろ「水のない水槽」のほうが、内容的からしてよかったのではないかと・・・
     次第に息苦しくなる、重苦しい展開。息がつまるような進行なのですから。と、最初に思ったことです。(どうでもいいのかもしれませんが)

    ②最後まで観た後で、「ああ、この劇団は、しっかりとした軸を持っているな」と感じました。1回しか劇を観ていませんが、みなさん「真摯」なのです。もちろん脚本からしてそうなのでしょう。現実を、リアルに、しかも冷静に捉えて、淡々と演技をしているように思えました。ここ何回か「絶叫」的台詞の発露の劇を観てきたせいか、なおさらそう感じたのかもしれません。無意味に昂ぶらず・・・の姿勢は、この劇では効果的だったと思いました。

    ③しかし、それが逆に作用される面も否定できません。役者全体を見ていて、強烈な個性を感じる方がいなかったのは残念です。「抑えた」演技ゆえのことかもしれません。これは何回か足を運んで見定めていく必要がありそうです。今回は、役者のみなさんに及第点、しかしMVPなしといったところでした。

    ④主宰者の方の姿勢に好感が持てます。それは②に書いた通りですが、劇団として、大きな可能性を秘めていると確信。内容や演技の幅を、どんどん広げていってほしいものです。

    ⑤若い(新しい)劇団共通の課題ですが、やはり「年長者」は必要です。今回も、みなさん若くて、それはそれで魅力なのですが、重いテーマながら、さほど重みを感じなかったのは、そこから来るのではないでしょうか。「看板」としてではなくてかまいませんが、いるだけでも「重さ」を導き出してくれる存在は、ぜひともほしいなと思いました。

    ⑥とは言え、私には、大変「面白い」そして「考えさせられた」劇でした。

    ありがとうございました。

  • 満足度★★★

    ジワジワと来る怖さ
    すっきりとしない、気分が重くなる物語を会話主体のオーソドックスな演出でリアルに描き、社会の目に捕われて転落して行く怖さがジワジワと伝わってくる苦々しい作品でした。

    美容室で働いている男がメディアに出ることによって過去に関わった犯罪のことが周囲に知られ、疑心暗鬼になって身を滅ぼす物語が時間を掛けて丁寧に描かれていました。
    終盤、男が妄想に駆り立てられて狂っていく描写に切迫感があって良かったです。途中で女性が下着姿になるシーンがあり、ただの男性向けサービスシーンかと思いきや、滑稽かつ切実な展開になり、感情が強く伝わって来て良かったです。

    日常会話と変わらない大きさの声で、耳を傍立てないと聞こえないときもあって、逆に引き込まれました。どのキャラクターも実在してそうな雰囲気がありました。
    時間の経過を示すために度々効果音付きで暗転することによって流れが滞るのが気になりました。必要最低限のところだけで用いた方がインパクトがあって効果的だと思いました。

    手前が美容室の控室で奥がカットスペースになっていて、場面によって奥が透けて見える舞台美術が良かったです。
    映像のクオリティ(内容・解像度とも)が低かったのが残念でした。

    脚本と役者の演技は良かったのですが、演出とスタッフワークがあまり洗練されていなくて、この劇団ならではのカラーが見えて来ないのが勿体なく感じました。

  • 満足度★★★★

    ホラーじゃないけど怖かった
    最初何の話しかわからないまま、不穏な空気だけがジワジワ膨らんでいって、中盤くらいからようやく話が見えました。
    「人が不幸になる様」を目の当たりにしました。怖いなあ。

    ノリとかやつあたりとか疑心暗鬼とか、誰でもやりそうなことありそうなことだから、よけいに怖い。自分も気をつけよう。
    こわいこわいこわい。

    台詞も舞台美術もすごくリアルで惹きこまれました。

    ネタバレBOX

    最初、みんな良い人に見えたのに、ちょっとずつ嫌な感じに見えてきたのも上手でした。
    コポコポコポという効果音が効いていました。

    会話がリアルで説明らしいものがないので、よく理解できないところもありました。
    一番気になったのは「小林さん」(だったか?)
    え、何があったの?と思ったのですが、私的に解明されないままでした。
    別に良いのですが(笑)

    リアルといえば、女の子の下着が上下バラバラだったのも、「そうそう、見せる予定の無い日はわざわざそろえないよね」と、思いました。
    これも、本筋とは関係ないですね(笑)
  • 満足度★★★★

    観てきた!
    舞台美術、小道具、衣装等、全体的によく世界を表していたと思います。

    ネタバレBOX

    紗幕を使って舞台を前後に使い美容室の店内と控え室を行き来する舞台空間の使いかたはうまくハマってました。ただ細かい所ですが、ドアの開閉をする度に風圧で紗幕を透かさないための暗幕?の端がチラチラ動くのがちょっと気になったかなぁ。あと、中傷ビラまきの過去がバレてから渡辺の疑心暗鬼がエスカレートしていくあたりの演出も演劇的で良かったと思います。
    また、時期的にそうしたのでしょうが、過去がバレるきっかけとして震災を軽く絡めていましたが、こういうふうに言うと作品の感想として野暮ったくなるかもしれないですけど、あえて解釈を震災寄りにすると、天災だけでなく、人災も、まるで津波のようにある日突然押し寄せる、その後の人生に付きまとう、でもどこか原因は自分にある・・・というある種のメタファーなのかも、とも思ったりしました。。。が。

  • 満足度★★★

    引き込まれたが・・・
    ストーリーには最初から引き込まれ,最後まで集中力を切らせない展開は見事だと思うが,とにかく重くて暗いよね。効果音も芝居と合いすぎなくらい不気味な雰囲気を醸し出しているし。昼の回観劇で良かったなぁ。夜の回だと帰り道は辛かったと思う。とは言っても,芝居自体はやはりよかったと思う。この劇団,初見でしたが,次も観たくなる気にさせてくれる。

  • 満足度★★★

    犯罪者本人だけが加害者ではない
    個人的には、なかなか楽しめた!
    上演時間約100分。

    ネタバレBOX

    直接手を出した犯罪者ではない者が、精神的に追い詰められ、
    最後には身を滅ぼすという話。

    「桶川女子大生ストーカー殺人事件」をモチーフとした作品と思える。
    被害者の中傷ビラを配り、不起訴になった過去のあるトップスタイリストの渡辺が、その過去が周りにバレ、次第に精神的に追い詰められ、自滅していく様を描いた物語。

    題名の「魚のいない水槽」。
    水槽は美容院、魚は渡辺をあらわしていたように思える。
    容疑者を泳がすという表現はよく使うので、魚に例えたのではないだろうか。
    最後には、店からいなくなった様が描かれていた。

    映像を使用していたが、文字が読めない映像だったのは残念!
  • 満足度★★★★★

    緻密な構成が素晴らしい
    前回の裏窓も素晴らしかったので、今回も期待して行ったが、
    期待を裏切らない素晴らしい内容と思った。

    ただし、最初は具体的な内容が良く分からず、
    不気味な雰囲気を漂わせるようなつくりのため、
    好みは分かれるかもしれない。
    (初心者「お薦め」にもしましたが、
    もしかしたら感性が合わない方もいらっしゃるかも)

    お店への嫌がらせ、ストーカー、過去の犯罪、
    そして匿名性の強いチラシやネットでの誹謗中傷・・・と、
    現代の社会病理とも言える素材を用い、
    サスペンス的に、初めはモヤモヤしていた内容が、
    次第に具体的になり、それは主人公の過去にも及ぶ。

    こうした、観る者を惹きつけてやまない筋の運びも見事。

    ネタバレBOX

    「ネタばれ」でも、筋の詳細は書きません。
    ぜひ生の舞台を見て下さい・・・ということにします。

    ただ、最初は陰気な灰色(これも話を象徴しているとも言える)の壁面が、
    紗幕により、奥の華やかな店内が見える作りも凝ったものです。
  • 満足度★★★★

    現実における炎上
    主人公の顔付きの変化は見物でした。

    ネタバレBOX

    ストーカー殺人事件に中傷ビラをまいたことで関わった男の話。首謀者の子分としてビラまきには参加したものの起訴猶予となり、その後は努力して美容院チェーンのヘアースタイリストとしてまっとうに生きていたが、震災後に数百人の洗髪ボランティアを行ったとして新聞に載ったことで昔の仲間から店に嫌がらせを受け、迷惑を掛けたとの思いがあった矢先に、別の取材があり顔写真付きで新たに新聞に載った際に目立ち過ぎたことで店の仲間からも少し浮き、それが次第に被害妄想になってどんどん悪口を言われているように感じ、精神に異常をきたしてしまう話。

    自分で蒔いた種とはいえ、過去の過ちがいつまでも付いて回る…、そして現実の炎上、苦しいですね。

    転落する度に顔付きがおかしくなる様子は見応えがありました。

    どの業界にもモンスター的な客がいるもので、苦労が絶えません。
  • 満足度★★★

    浮かび上がれなくて
    チケットプレゼントにて鑑賞。

    100分間、集中して観ていられた。映像の中の文字が読みにくい。

    ネタバレBOX

    「桶川ストーカー殺人事件」を元ネタに、加害者側の人間の追い詰められていく様を描く。

    不気味な盗撮事件に見舞われている、震災後のとある美容院。上尾ストーカー殺人事件の犯人側の人間がそこで働いているという中傷ビラも撒かれ、スタッフは困惑する。そこに事件の加害者の一人でムショに入っていた田野(中村裕樹)が来店、トップスタイリストの渡辺(伊澤崇行)が事件の際、中傷ビラをまいていたという事実が判明。スタッフに軽蔑の言葉を浴びせられ、スーパーバイザーの彼女・小川(森山静香)からも見捨てられ、渡辺の狂行でトラブった常連客の虻川(戸枝尚)に襲撃される…。

    舞台手前が事務所で奥が店舗という作りで、その壁が可視化仕様にようになっているところとか、ひと手間かかっててよい。衣装や小道具も美容室らしくてリアルな感覚があった。

    渡辺の苦悩が中心にあって、最終的に死んだのか、怪我して退職したのかわからないけど、そこから「いなくなる」寒々しさが伝わってきた。まあ、事件の加害者側の立場より、その周りの店長の松山(牧野はやと)とか彼女の小川とかスタッフのほうに寄って見てしまう。中傷ビラをまいたことがストーカー「殺人」につながったのかしらないが、結果人が死に不幸が生まれたという大きな事実があると、なるべくしてなったのか…というのが率直なところ。

    役者は、牧野はやと、立浪伸一、菊地春美が良かった。

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