満足度★★★
理不尽な物語
バロック時代のフランスの代表的な作曲家、ラモーがルイ15世の息子の結婚式のために書いたオペラの日本初演でした。
バレエダンサーによるダンスシーンが沢山あり、祝祭的な雰囲気がありました。
醜い姿の沼の精の女王、プラテーがギリシャの神々に魅力的だとおだてられ、雷の神ジュピテルと結婚式を挙げることになるのですが、式の途中でからかわれていることに気付き、怒り嘆くという理不尽な話で、あまりメリハリもない物語でしたが、躍動感のある音楽が舞台の進行をリードしていました。
日本初演にふさわしいオーソドックスな演出で分かり易く表現されていました。演奏は当時の様式に則したものであったのに対して、ダンスはもっと後の時代のクラシックバレエのスタイルで、少々違和感を覚えました。
プラテーの役はテノールの武井基治さんが女装というか仮装した姿で演じ、演技も歌唱も表情豊かで可愛らしく、とても良かったです。
歌手、ダンサーともレベルがまちまちなため、上手い人が目立ち過ぎていてバランスが悪く感じられたのが残念でした。
珍しくかつ親しみ易い作品で、古楽のスペシャリスト武久源造さんも参加していたのに、空席が目立った(平日の昼公演ということもありますが)のがもったいなかったです。
満足度★★★★
オペラとバレエと古楽器のコラボ
武井基治さんと唐澤まゆ子さんの歌声を堪能して来ました。
日本初演とのことで、初めて観たストーリーでしたが、あまりにプラテーが可哀想。プラテーが「醜い」沼の女王という設定なので、男性が女装して演じるようですが、武井基治さんのプラテーがとても可愛らしくて、醜くも傲慢でもなかったので、よけいにストーリーに納得がいきませんでした。
ルイ15世の王太子ルイとスペイン王女マリー・テレーズの結婚式で初演されたオペラだそうです。神々が自分たち貴族で、プラテーが下民だと思ってみたら笑えるのかもしれませんが、今の感覚じゃ笑えません。
そりゃもう革命も起きるはずだよ。
まあ、オペラってだいたいそうなんですが(笑)
ストーリーはともかく、歌も音楽も衣装も大満足でした。
バレエは、残念ながら、発表会レベルでした。