満足度★★★
韓国の質の高い演劇
日本でもお家大事とか時代劇で聞いた事があると思います。儒教の影響なのか韓国ではまだ家系・家柄(家族・先祖)を大事にしてるのか、その象徴としての『建造物として家』や『土地』について物語・登場人物達のこだわりがすごく感じる事ができたお芝居。
そして多分に今の韓国の時事も盛り込まれているのかもしれないと感じた。韓国の若者も家に対する思いも希薄になっているのだろうなと。
演出も物語が進行するにつれて、舞台上で役者達が大道具の家を基礎から組み立てていくという発想も面白く、役者陣は少し大きめの芝居だが確実に魅力を振りまき質の高さを感じる事が出来た。シンプルな芝居で所々笑いの要素はあるが、喜劇ではない....。
一方で、構成のテンポが悪いなとも思い長く感じる。
あと説明や注釈的台詞が多いのだが、上品さというか堅苦しさを感じる....例えるなら教育テレビでやる様な子供向け番組のナレーション的台詞を舞台上の役者達がドヤ顔で語ったり。やはり言葉と文化の違いなのだろうか笑の壷がちょっとずれてる感じも。【韓国系と思われる客さんはうけてた様だが、欧米系や日本人の観客結構寝てた】
そしてやはり韓流なのか(笑)色々な困難に遭遇⇒登場人物達の団結⇒大団円に向かうかと思わせつつ⇒再びの困難&結局家は完成しない⇒エピローグという物語構成のくどさにも疲れました(笑)
ですが、1,500円という価格設定でKAATのホールを贅沢に使い倒した十分納得・満足したお芝居でした。
この物語は家を建て直す事を軸にした施主家族・大工・その他の人々の物語。以下あらすじ
満足度★★★★★
映画のよう
素晴らしかった。
家を建てるという物語について、
日本では家族の死と同じくらい
微々たるものしか語られていないんじゃないかと感じた。
役者ひとりひとりの表情の変化を追う中で、
韓国では、それぞれが豊かな思い入れを、
家を建てるという行為に抱いていることが感じられた。
それらを完全に理解するのは難しいとも感じられたものの、
韓国の人たちと同じくらい
家を建てるということに強い思い入れを抱いていた
死んだ父親の言葉を
頭の中で照らし合わせながら、
舞台に向き合う中で少しずつ自分も近づいていけたように思う。
日本で生まれる物語も、
これだけシンプルで力強ければと思う。
舞台の上で生まれる魅力の多くは、
韓国の役者たちの魅力的なしぐさや表情から生まれるものだった。
それらを最大限に生かす脚本だったように思う。