いつかのもの語り。 公演情報 いつかのもの語り。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-4件 / 4件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    全体的にセリフに対して発声が強いと感じたのは私だけではなかったようです。演出の方の好みなのかなと?まだセリフと想いが演者の中で消化されないまま、幕が開いてしまったような・・・。ストーリーとしては優しいお話ではありました。しかし、各登場人物の気持ちの基がどうもあやふやで、の各々の行動に対して説得力が足りない気がします。また、ストーリーに合わせてもっとふんわり柔らかな造りでも良かったんじゃないかとも思います。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    演出なかなかよかったです。ただ、ちょっと話がフォローしにくかったかな…というのがありました。自殺の動機もイマイチということもありちょっと「うーん…」というのがありました。あと、どうでもいいことですが、毎度思うことですが、萬劇場はほんと音響がいいですね。ほとんどライヴハウスですね。出版編集者役の女優さんの地声が大きいこともありますが、彼女の声が大きすぎて「もしかして1人だけマイク使ってる?」と思ったほどですw 

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    いくつかの物語が平行して動き出し重なっていく、ややファンタジー感もありますが、本質は人の優しさが溢れる舞台でした。

    ネタバレBOX

    登場人物が多いせいか、ややそれぞれのエピソードが希薄かなとも感じてしまいました。主人公の同級生の自殺の動機が少し苦しく、また私の見落としかと思いますが、主人公と少年との関りが今一つよくわからなかったのが気になりました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    説明にある「こんにちは、僕はしがない図書館の管理人さ」、その僕に導かれた世界をファンタジー風に描いた物語。舞台美術はその世界の雰囲気を漂わせ、照明や音楽は効果的に物語を支えている。
    ラスト、或る人物が登場することで、さらにファンタジーなのか リアルかといった想像が膨らむといった巧さ。構成は凝り過ぎかと思ったが、登場人物の夫々の心情を分かり易く観せるための工夫のよう。

    物語は主人公を始め、悩み苦しんでいる人々の現在を見つめ、過去を顧み、そして未来を拓く、そんな滋味溢れる内容だ。物語としては面白い。ただ図書館という言葉から、静かに時が流れると思うのだが、編集者のキャラを濃く(騒がしく)し、敢えてデフォルメしたような人物造形は、抒情的な雰囲気にあわない。コメディリリーフといった存在でもないようだ。出来れば、もう少し落ち着いたキャラのほうが、全編を貫く雰囲気に合致する と思う。
    (上演時間1時間40分 途中休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は中央に両開きドア、左右に本棚が並ぶ。上手の一部が階段になっており その上り下りによって躍動感が生まれる。上演前から3人の人物が読書をしており、後々 物語に絡んでくる。舞台と客席の間に白い紙が…それが浮遊感を表す。物語の紡ぎと浮遊感ある雰囲気がファンタジーといった印象を与える。

    高校の同級生から書く才能があると言われ、発表した小説(処女作)が話題になり 一躍人気作家になる。編集者から次回作を促され、執筆した2作目は酷評され自信を失う。また高校の友人が自殺し、書くことが怖くなった主人公の心の彷徨であり咆哮でもある。目に見えない心の叫び、それを上演前に読書していた3人の物語(オムニバス風)に重ねる。書けなくなった幻の小説家、その書き手を探すファンによって解き明かされる謎(小説家の心情も含め)、それが物語の肝。小説家は男手ひとつで育てられる。第1:小説家は母の思い出がない。第2:心臓病の娘の母親、第3:(母)親に捨てられ、見ず知らずの爺に育てられた娘、この薄幸とも思える人物達が健気に、そして必死に生きようとしている。その小話を交錯するように紡ぎ、独特の世界観を描き出す。いずれも過去に向き合い、情愛の繋がりの大切さを説く。

    主人公に書くように勧めた女子高生が自殺する。それが彼の処女作が評価された後だけに嫉妬したのか、という読み筋になる。しかし劇中ではその理由を否定しており、彼にもっと書かせるといった励ましの行動だったような。この場面の解釈が難しく、モヤモヤとする。しかしラスト、自殺したはずの女子高生と図書館の管理人が登場する。亡くなった魂が現世を見守る、もしくは 物語全体が劇中劇であり、亡くなった女子高生が書いた小説といった捉え方も出来る。その意味でファンタジーかリアルなのかといった想像が膨らむ。

    舞台技術…音響・音楽は、図書館の入退室時に響くドア開閉の重厚な音、温かく優しい音色の音楽など効果的。照明は黄昏をイメージの落ち着き、白銀照明による淋しさが印象的だ。物語をしっかり支えた舞台美術と技術、それに好感をもった。
    次回公演も楽しみにしております。

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