サド侯爵夫人 公演情報 サド侯爵夫人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★★

    「戯曲×六人の女優×野村演出」の密度の高さに圧倒され,特に蒼井優さんがとっても良かった!
    以前、篠井英介×スズカツ版で観ましたが、何といっても、この知名度の高い6女優の顔合わせがスゴイ。

    白石加代子さんのうまさ、自然さ、安定感が良くて、そして最初から最後まで出ずっぱりに近い。
    麻実れいさんの存在感と強さ、潔さ。
    そして何よりも、蒼井優さん。
    最初は清楚で、澄んでいて、か細く、美しく、
    しかし中盤からは、他を寄せ付けない自分の信念に、狂ったように一途に酔いしれていて、
    その小さく細い体から溢れる強さが演じられていて、凄かった。

    この難解なイメージの作品で、大量のセリフと独白に近い応酬であるのに、
    非常にわかりやすく、エキサイティングに感じられたのは、
    まさに、野村演出によるものでしょう。

    密度の高さに圧倒されました。

    ※それにしても世田谷パブリックシアターの2階席のイスの【座りにくさ】!!
     どうにかならんものか!!

  • 満足度★★★

    難しかった
    まさに女優さん達のプロ根性を見せていただいたという感じです!長ゼリフ凄かったです。特に麻実れいさんはとても素晴らしかったです!麻実さんだけは長ゼリフも長く感じさせず歌っているかのように軽やかでした。本当に感激しました。他の方々はセリフが一瞬飛んでしまったり詰まってしまったり余裕がない場面もありました。でもこれが普通かもしれません。まだまだ勉強不足で三島作品のセリフの美しさなどには理解ができませんでしたが、こういう演劇をちゃんと楽しめる人間になりたいと思いました。

  • 満足度★★★★

    集中力
    プレビュー公演を観に行きました。初日ということもあり結構役者さんもセリフを噛んだりしていましたが、舞台を壊すほどではなかったです。台詞の応酬の中で時代経過などが浮き上がるので、観ている側そして役者側にも集中力を必要とする。一回切れてしまうと退屈になったしまう可能性もあるので休憩はありがたかった。終盤の蒼井優さんの変化がとても良かったと思う。
    勉強になりました。ありがとうございます。

  • 満足度★★

    退屈
    何年か前に新妻聖子さんと剣幸さんが演じた舞台は、息詰まるような母娘の闘いを演じて見事だったが、今回はいささか集中力に欠けたものとなったと思う。演出も、本来は言葉だけで盛り上げていくべき二幕、三幕のクライマックスを中心に、若干過剰に感じた。

  • 満足度★★★★

    言葉による緊縛
    演出の野村萬斎がコピーとしてつけた通り、全体的に俳優はあまり動かず、稽古で積み上げてきた台詞の語りを披露することに神経とエネルギーを集中させる芝居でした。白石加代子と麻美れいの演技スタイルの違いが明瞭で興味深かったです。蒼井優も大健闘。彼女には舞台女優としての華がある! 見た目の可憐さの内側に透けて見える芯の強さが、舞台を成立させるのに相応の役割を果たしていたと感じました。
    それにしても休憩2回含め約3時間30分、修辞が係りに係った手強い台詞をひたすら聞かせるこの舞台は、公立劇場だからこそ上演できる企画なのでしょう。ネームバリューのある俳優のおかげで満席になって良かったと思います。

  • 満足度★★★

    ブラボーな舞台
    実際「ブラボー」と声かけた人はいなかったけど、なんとなく声に出てしまうような6人の女優さん達でした。
    特に大きな動きや目立つセットはない、あんまり見た事ないけど能舞台を観てきたような感じ。そういう演出なのかな。
    格調高く華美で嘆美な台詞劇。でも不気味な怖さも感じた舞台。
    出演者の衣装が黒基調で、和洋折衷といった感じ。
    麻美さんの乗馬服ぽい衣装カッコ良かった。
    白石さんのスターウォーズに出てきそうな衣装もまた似合ってて凄かった。

    ネタバレBOX

    女同士の生々しいやり取りの数々。姉妹との口喧嘩、親子で口喧嘩。
    しかし三島文学、そこはかとない美しい言葉遣い。
    毎回サド公爵本人は出て来ないけど、演出の野村萬斎氏が今回のサド公爵かもと、イメージ。

    円形状になった箇所でテーブルと椅子が2〜3脚あるのみ。象徴となるシャンデリアを操作する町田さんカワイイ。
    白石さんと麻美さん、相変わらず素晴らしいが「個」の力が大きすぎて見えたが、それぞれの品位、高貴、風格、色気、ふてぶてしくもしぶとさのある存在感は見応えあり。
    神野さんの聖女から修道女に変化するが優美さがあって素敵。
    姉を出し抜いて他国へ行く妹の若さが美波さんに合っていた。
    虫も殺さぬようなかわいい顔した蒼井/ルネなのに、二幕終わりの独り語台詞の後の表情がまたおっかなくも良かった。全般に凄みが加わればもっと迫力あるように思えた。

    サド侯爵が釈放されてルネ宅へ訪問した際、「二度とお目にかかる事はないでしょうよ」と突き放す一言は彼に対しての侮蔑?

  • 満足度★★★★

    女の悪徳
    三島文学は読んだことないけど世界観を垣間見れた気がする。言葉の洪水で疲れてしまった。休憩が2回入ったのは助かる。


    皆、声が魅力的。衣装は会心の出来。

    ネタバレBOX

    サド侯爵夫人・ルネ(蒼井優)…飛んでるサド侯爵の帰りを待つ「貞淑」な女性なんだけど、確かにエロスな意味合いに聞こえる。てかルネもかなり飛んでる。蒼井優の笑顔がやばい。ラストの光のシーンとか。ただ、(一幕~三幕という時間経過に対して)年齢不詳な気がする。

    モントルイユ夫人(白石加代子)…ルネとアンヌの母。一番真人間的。随分丸くなったが、一番タフな女だと思う。

    アンヌ(美波)…ルネの妹。サドとの関係でルネに対抗心を燃やすこともあった。ルネからもアンヌからも好かれるサド侯爵ってどんな人物なのか。衣装がかわいい。

    サン・フォン伯爵夫人(麻実れい)…容貌から発声まで、すごい存在感。一番美しいんじゃないかな。「悪徳」って言葉が輝いてみえた。

    シミアーヌ男爵夫人(神野三鈴)…聖女、のちに修道女へ。序盤のサン・フォン夫人とのやりとりがかわいい。

    モントルイユ夫人家政婦・シャルロット(町田マリー)…サン・フォン夫人の死へ愛情をみせる。燭台を操作する仕草がやはりかわいい。


    「悪徳」とか「正義」とか相反するものが、位置が逆転するような一体となって溶け混むような、そんな印象。薄暗い照明の中、女性たちの口からこぼれる言葉に集中を強いられた。ラスト、修道女になろうとするルネを光が包み込むシーンが美しい。

    とはいえ、彼女らの気持ちを理解するのはなかなか難しい。サドが魔物?といわれたりしてたけど、彼女らも十分魔物だと思う。

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