黒い太陽 公演情報 黒い太陽」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    木曜日拝見。とても面白かった。感情豊かな演技、あったことはないがまるで本人のような太郎さん他の人々、ステージのつくりもよかった。とても楽しい感動的な時間でした。
    前作も素晴らしいと思いましたが、本作も本当によかったです。次回も気になりますね

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    1970年日本万国博覧会の開催に係る出来事を、岡本太郎を中心に描いた群像劇。
    タイトル「黒い太陽」が、岡本太郎の心にある深く強い思いであることに感動した。これは、芸術家 岡本太郎だけではなく、多くの人の普遍的な<思い>ではなかろうか。
    なお、上演前には当時の実況中継等が流れ、その雰囲気を知ることが出来るので、早めの会場入りをお勧めする。
    (上演時間1時間50分 途中休憩なし)

    ネタバレBOX

    半円を描くような舞台、奥に細紐で円柱のようなもの。上部(天井)には舞台と対になるような雲のような輪、そして客席と舞台の間にも白い輪。少しずつ輪の大きさが違うため、天地それぞれから眺めたら遠近法のように感じるか。勿論 天井を刳り貫いていることから、万博における丹下健三「大屋根」と岡本太郎「太陽の塔」の関係を意識した造作に思える。

    物語は、岡本太郎(豊田 豪サン)が万博に関わるまでの過程、そして彼を育んできた家族を含め重層的に描く。進行役は太郎の養女になった岡本敏子(根本こずえサン)、特に太郎の激しい気性に込められた心情を代弁するような語りが上手い。岡本太郎-インターネットで検索すれば概要を知ることはできるが、舞台(フィクション)としての面白さは本人等とは違った人物像や観点で描き出すところ。それがタイトルに表れているよう。また口癖のような〈芸術〉とは〈生きること〉だと言い、生き様を感じさせる。

    当初「黒い太陽」は、「太陽の塔」にある3つの顔(地下の顔を入れると4つ)のうち、背後にある(過去を表す)ものと思っていたが、実は母への思慕。見上げれば太陽がある、目を瞑れば暗闇の中に母(太陽)の姿をしっかり思い出すことが出来る。母の気質(性癖?)には振り回されたようだが、両親からは愛情を注がれたよう。

    愛という狂おしい情熱で生きた母 かの子(内海詩野サン)、そして母の愛人との共同生活まで受け入れた父 一平(市原一平サン)、何が普通か分からないが、少し歪に感じられる家庭環境の中で育った太郎の生い立ちがしっかり描かれている。その思いが万博への参画、そして世間からの批判を無視するへ繋がる。自分の信じる道(事)を進む。万博について、人間は進歩も調和もしていない、政府の思惑である安保改定(反対運動)から目を逸らすためなど、太郎の気骨に絡め反骨ある台詞・場面を鏤める。

    舞台技術は、ハーモニーのような柔らかく優しい音楽、人影を壁面に映し出すような陰影が効果的だ。半円舞台であることから、役者の立つ位置によって表情が見えないシーンがあるが、そこは ご愛敬か。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    かなり昔目にした作演出の今の仕事を味わう事ができた。魅力的なタイトルにも惹かれて静かに心踊らせ会場へ駆け込んだところ(久々に息を上げて走った)、劇場スペースを半円状に取り囲むように(二列程度)置かれた座席の一角に案内され、有り難い程の見やすい席に収まり、開演から観る事ができた。

    渡された配役表に岡本かの子、一平そして太郎とある。(末尾に瀬戸内晴美とあるのはお遊びの役名だったよう。)そして冒頭、丹下健三と事務方らしき若い男女との会話。万博か・・。奥の暗部(役者もはける)に向かう感じと言い、装置も悪くない。広い円形の盆のやや奥に塔が立ち、円の周りには更に白のライン(幅40cm程か)が少し波打った輪郭で引かれ、天井にもそれを写すような円形のラインがある。今話題の2025大阪万博で予算が問題視されている「屋根」(輪っかが和を表すとか言ってるアレ)を想起させ、のっけに警戒心がもたげる。半世紀前の万博へのオマージュを現在に引き込んで「批判も多いけど万博ありじゃね?」と折伏されちゃうんじゃないか・・と。が、この部分はカッコに括り、面白く始まった歴史劇を見始めた。
    細部にはいつか触れてみたいが、「深いい話」「プロジェクトX」的な叙述には滅法厳しくなる自分にも首肯できる人間ドラマが、書き込まれていた。憎い台詞、思わずこみ上げる瞬間も。だが核心は岡本太郎の「精神」がどんな残像を観客の心に刻むか、だろう(それがこの題材を上演する意味だろうから)。通り一遍のメッセージに止まらない、体感を伴って染み込んで来る「太郎が見る世界」に、迫ろうとする作者の意志と、狙いは理解した気がした。役者も達者な人たちであったが、歴史に材をとった本作の場合脚本が評価の表に来るべきである。若干反響等のためか空間に「透き間」が空きそうな条件をふと感知したが、濃密な劇空間が作られていた。

    ・・いま少し感想を書き継ぎたいが、また改めて。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     板上は作品内容が岡本太郎の作品“太陽の塔”制作依頼過程そのものの経緯に在る為、彼の作品にふさわしく極めて斬新、而も岡本が追求した美しさとしての機能美を具えたものである。今作、脚本の良さは無論のこと、演技、演出、舞台美術から照明、音響、制作に至る迄、総てが作品の趣旨に沿って見事に収斂している。必見の舞台。華5つ☆。尺は約110分。追記6月3日0時58分

    ネタバレBOX


     劇空間に入ると演劇空間は、高さ30㎝ほどの大きな円筒を中心に同心円上に広がる板面更に外側に白い同心円を為す。円筒の周囲に椅子や文机等の小道具が置かれ必要に応じて円筒上に持ち出される。この円筒の真上、天井部には白い円形のオブジェ。円形オブジェの接合部に見えるのは照明によって極太の円柱に見える紗の膜。観客席はこの実質素舞台をL字型に囲む形を採っている。開演前には祭囃子や万博開催時の喧噪と同時に実況中継の模様が音声で流されている。
     上演台本は緑 慎一郎さん。尚、登場人物は名前は使われているがあくまでフィクションであるということは付言されている。その点に付いては今更言うまでもあるまいが誤解なきよう。
     身の回りを見ても優れたアーティストという者は極めて親密で同時にフランクな人間関係を構築するものである。殆どの人が世間体だの常識だのに縛られ聊かも疑いすら持たぬのが世の常であるなら、真のアーティストは、それらから意図的に自らを疎外する。己自身で観たもの・ことを中心に持てる総ての感覚、知恵、知識、経験などを用い対象を真っ直ぐに観察し享受し自らの内部で熟成させる為である。このような生き方の実践のみが独自なアートを生み出し世に問うのである。従って存命中にそれらの作品が評価されることは無いかも知れぬ。だが時代の常識が変わり、人々の習慣が変わる時、彼ら、彼女らの作品群は、俄然真のアーティスト作品群と評価されるのである。
  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/05/30 (木) 19:00

    115分。休憩なし。

  • 実演鑑賞

    面白かった。
    感動的だった。

    「プロジェクトX 」みたいだった。
    というか「プロ~」と朝ドラ的岡本かの子物語の2本のマッシュアップ的な。
    朝ドラで岡本かの子が取り上げられることはないでしょうが。(50年後くらいならあるか?)

    ネタバレBOX

    配布されたQRを読み取ると、瀬戸内の役名は何と瀬戸内晴美!
    いやいや、それはさすがに。
    同名異人ということでしょう。

    ちなみに寂聴さんは岡本かの子の伝記を書いてるだよ-ん。ザ・カルチャー。

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