星の結び目 公演情報 星の結び目」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
41-52件 / 52件中
  • 満足度★★★★

    大きな話
    2時間では足りないくらい。大事件が起こるわけでもなく、淡々と氷屋(桜上水あたりか?)のひと時代を描いているのに、2時間ひきつけられた。人物像がはっきりしていて、それを演じた役者たちの演技力も確か。見ごたえあり。

    ネタバレBOX

    大きすぎてさすがに時間切れの感があり、後半語りが多くなった。長男や次女のその後も気になる。
  • 満足度★★★

    大河小説の趣
    色々な意味で美しい物語だった。
    後で考えれば登場人物は結構類型的だったなぁ、と思うのだが
    ドラマと役者の力で2時間飽きることなく楽しめた。

    ネタバレBOX

    大河小説のような趣で、
    戦前に財を成した一家の繁栄と没落が描かれている。

    個人的にはラスト近くの話の飛び方が余韻というには少し大きすぎたのが気になった。
    せめて吉永家の行く末にはもう少し触れても良かったのでは。
  • 満足度★★★★

    四季の星
    時を刻む風景にじっと魅入る作品。モノクロ的な風景が眼の前にあった。
    観た後「廃墟」と「パール食堂のマリア」をもう一度観たくなった。

    ネタバレBOX

    記念写真のシーンが良いですね。懐かしさと今の寂しさを感じた。
  • 満足度★★★★★

    氷屋を舞台にした家族の物語
    移りゆく時代の中で繁盛した氷屋が落ちぶれていく情景の中での人間模様を描いた作品だったと思う。懐かしさを感じたと共に美しい描き方は芸術だと思った。出演した役者さんたちの演技が素晴らしくて見応えがあった。

  • 満足度★★★★★

    二人の最良の部分が出ています
    『青☆組』の吉田小夏氏と、時間堂の黒澤世莉氏が、それぞれ
    脚本、演出でタッグを組むという、ファンにはたまらない展開。

    吉田氏の、透き通るように美しく、軽快な、でも時に激しい台詞回しと
    黒澤氏のどこかセピア色めいた、静かで抑制の効いた演出の二つが
    ここでは見事に成功をおさめ、まさしく「大人のための小劇場」作品に
    仕上がっています。

    冷たく、寒い季節にはもってこいの(それでいいのか…だけど)、
    澄んだ作品でした。

    ネタバレBOX

    戦前~戦中~戦後、と、野望に満ちて店を拡大し、やがて時代の流れに
    抗えず停滞、そして没落の一途をゆっくりと辿っていく氷屋の親子二代を

    周囲の人々の人間模様も交えながら、一人の女中のモノローグを中心に
    描いていく、という、ある種の「年代記」ですね。

    時代精神、という言葉があるのですけど、その時代に生きた人間は
    どうしても次の時代の「考え」「環境」に適合していくのが難しいのですね。

    店を裸一貫ながら、今でいう「マスコミ戦略」を巧みに用いて大店に
    盛り立て、派手に、そして豪快に生きた一代目甚五郎。

    その時代を目の当たりにした長女の静子は、自然、どこか派手で
    きらびやかな生き方が抜けない。そこを次女の八重子や榎本に
    痛く衝かれ、動揺する。

    性根はものすごく良い人なんだけど、コミュニケーションに難があり、
    いいとこ「良いとこの坊っちゃん」の域を出ない二代目甚五郎は、
    激しい激動の時代の中で頑張ってみるものの、流れのまま一気に
    押し流される木の葉のように、没落に向かって落ちていく…。

    男たちが、どこか少しどうしようもなくてわがままで子供っぽいのに
    比べ、目立つのは女性たち。役者の魅力もあるが、存在感が大きい。
    みんな綺麗で(着物が非常に似合っておりました)、キャラが立ってる。

    吉田氏の作品に出てくる女性たちは、時代や周囲の環境、そして男たちに
    翻弄されるように、無力であるかもしれないけど、人として筋が通っていて
    地道。冬の長い風雪に耐えて、春になれば慎ましげに、でも凛と華開く、
    一輪のようです。

    なので、男性より女性が観た方がぐっとくる、と個人的には強く思います。
    勿論、男性でも、特に中盤、涙腺がかなり痛くなる場面に多く遭遇します。

    貴族院議員で裕福な、でもどこか下品さがぬぐえない男、山崎と八重子の
    結婚話が破談に終わった辺りから、八重子が人喰川で独白を始める件、

    二代目甚五郎が「男の子でも、女の子でも~」と吐露した件、は泣けます。

    八重子は白雪の子供で、吹雪もそうだったのだろうか?
    そこが凄く気になった。他にも上手く匂わせている部分が多く
    想像が膨らみます。

    個人的には、戦後、吉永園の人々の消息がどうなったのか
    物凄く気になった。戦後になってからは、全く触れられなかったんで。

    結局、静子(「良いとこのお嬢さん」だった静子が戦後自分で
    料理しているところに、吉永園の没落と戦後の厳しさが)と
    恐らく暇を出されて、遊女に転落、最終的には結婚して
    駄菓子屋に落ち着いた梅子しか分からなかったのが残念。

    でも、最後の場面は観た者の心に深く余韻を残す、どこか
    チャップリン『街の灯』を思わせるような終わり方で、徹頭
    徹尾、どこか切なくも澄んだ美しさを湛える傑作でした。

    過去と現在が入り混じって展開される造りは、過去は過去、
    人間は今を生きている、それはどうしようもないけど、同時に
    救いでもある、ということを自然と感じさせ、成功している、と
    思います。
  • 満足度★★★★

    青☆組テイストを感じつつ時間堂色に。
    変わっていく時代の中で、受け継がれる変わらない血が、変わらずに在り続けようとする様を丁寧に描いた作品。121分。

    ネタバレBOX

    ストーリーテラーは大店の女中さん。彼女の血縁、職人の親子、そして奉公先の家族の話がそれぞれ時代の流れの中で語られる。

    時間軸が行き来するんだけど、その変化はすこし不親切な点があるかも。

    細かいプロットを追うような芝居の作りではないと思います。人々の関係性や時代時代で立場が違った血筋の色の出方とかに興味を持った方が楽しめる気がします。

    23日ソワレのアフタートークは新しく時間堂に入った窪田優、直江里美、ヒザイミズキの女優達と主宰黒澤世莉とのゲストなしでのトーク。これはこれで変化してきた時間堂の今を知るのにとても興味深い内容になったと思います。
  • 満足度★★★★

    じわじわ
    吉田作品のじわじわと味が染み出てくる感覚を堪能。昭和の描き方がうまい。会場が寒く前半は舞台の世界に浸れなかったのが残念。

  • 観劇
    201112231300

  • 満足度★★★★

    氷屋を舞台にした
    回想録。時の流れとともに廃れて行く、はかなさを感じつつも星の明かりは微かながら輝き続けるのだ!・・・などど考えた。

  • 満足度★★★★★

    重厚なヒューマンドラマ。
    プレビュー公演を見てきました。

    ネタバレBOX

    戦後、和菓子屋を開いた女中さんが、お勤めしていたお店で出会った人やおこった出来事を回顧する形でストーリーが展開していきます。

    時代背景があるお話で上演時間が2時間あるので、少し難しいお話なのかと思っていたのですが、役者さんの演技がお客さんに対してとても優しく、すっとお話に入っていけました。

    また、劇中でたくさんの年月が移動しますし、役者さんも1人2役などをされているのですが、違和感なく楽しめたのもよかったと思います。

    着物の所作については少し気になりました。ですが、登場人物がそれぞれにコンプレックスを抱えていて、また最も大切にしているものが違っていて・・・それがぶつかる瞬間が何度もあり、見ごたえがありました。戦争をモチーフにした重厚なヒューマンドラマでした。

    また特に、女性の方がご覧になると、生き方にほとんど決定権がなかった女性達が懸命に生きる姿に、よりせつなさが増すかもしれません。

    優しいお芝居を観れてとても良かったです。

  • 満足度★★★★

    チラシが良いなぁ!
    プレビュー公演を観劇

    ネタバレBOX

    初見の劇団だが、チラシのデザインと戯曲を書いているのが、劇団・青組の吉田小夏という事で興味をもった。

    氷屋で財を成し、成功を収めた吉永家の波乱万丈の歩みを、女中の視点から描いている話。
    現代の小劇場では珍しいストレートプレイの醍醐味で見せていく芝居だ。
    家族の話と言えば山崎豊子の華麗なる一族を期待してしまうのだが、これも似たような家族の話だが、そこまで徹底して骨肉な家族模様を描いていない。女中の視点から描いているのは非常に良いのだが、視点というよりは、ただそこで働いていました?というだけになってしまい、女中の視点、すなわち演出家の視点が見えてこないので、観客は話の進行と共に路頭に迷ってしまうのである。それだけに戯曲の良さとストレートプレイという方法論が空回りしてしまっている。
    戦前~現代までの歴史を背景に、伝説的な話を織り交ぜながら、繊細なセリフの素晴らしい戯曲ではあったが、戯曲の良さと劇場体感を観客に提示出来なかったのが残念だ。だが、小劇場でこのような芝居を観れる機会は少ないので、次回作に期待!
  • 満足度★★★★

    時代の流れに
    翻弄される商家の様子がしっとりと描かれていました。

    ネタバレBOX

    回想シーンは大正末期か昭和初期か、この頃の氷屋は大いに儲かり、事業を拡大しています。氷屋といっても電気で氷を作るのではなく、冬に氷室に貯蔵した氷を夏売りだすやり方。戦時色が濃くなるにつれ料亭や酒場の営業が自粛ムードになり、氷屋は次第に落ちぶれていき、戦後完全に没落するまでを描いた話でした。

    主家の人たちは癖はあっても基本いい人、従業員もお女中も元気で働き者、それでも時代の流れでどうしようもなく落ちぶれていく、そのような様子を見ているのは重苦しく、辛いものです。

    龍の女の子供ということで、河原に捨てられていた捨て子だったことを表現していたのは切なく、養父の愛情も感じられ素敵でした。

    ところで、「星の流れに」は戦後の流行歌です。女中さんの生き様を考えれば戦後部分に使われるのは当然ですが、番頭さんの出征シーンに流れていたのは如何なものかと思いました。

    戦後、女中さんと従業員が結婚して和菓子屋さんを開業したという消息は知ることができました。主家も元の場所にあって、少なくとも長女は住んでいるようです。ジャワに行った次男の生死については想像に任せても構わないと思いますが、長男一家がどうなったかは触れてほしかったと思います。

    長男の袴の丈があまりにも短かったのには驚きました。また、ニ女を嫁にしようとした山崎は戦前の成り上がり者かもしれませんが、少なくとも貴族院議員ですから、いくら下品な男とはいえ靴を履くときにあんなにトントンするでしょうか。細かいところが気になりました。

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