龍を撫でた男 公演情報 龍を撫でた男」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    安心して観られることの悔しさ
    音楽や映像の使い方がいい、もっともっと狂気と破滅へ向かえと思わせる。
    私の脳内も狂っていってたのかも。。。
    うまい役者が揃っているから安心して観てしまったのが、ある意味悔しい
    もっと不安定な気持ちで観た方が面白かったハズ。
    ヘンテコリンな空気はあるのだが、もっとジワジワした怪しさ、迫り来る不気味さが欲しい。

  • 満足度★★★★


    日本語の響きが非常に美しかったです。長台詞が多いのですが、朗々と発せられるその台詞に聞きほれました。ラスト、本当に龍が立ち登って行く様子が目に浮かびました。タイトルがずし~んと心に響きました。

  • 満足度★★★★

    物理的に近くなければ。
    狂気はゆっくりやってきて、狂気はゆっくり蝕んでいく。

  • 満足度★★★★

    良いね
    気持ちがサッパリしました。

  • 満足度★★★★★

    戯曲が大変素晴らしい
    戯曲に散りばめられた一見何気ない家則の台詞に含まれる含蓄に心惹かれました。「おもいどおりいってもいかなくても一生は一生さ」「あんたのいう情熱なんでものは、けっきょくのところ、この散文的な家庭生活にはかなわないということですよ」「人生は冒険じゃない。人生はくりかえしですよ。」 こういう昔の傑作が観られる機会は嬉しいです。初演時の劇評を読み漁ってみたいと思いましたが、探していくのにもなかなか骨が折れそうですね。

  • 満足度★★★★

    お正月の出来事
    戦後から7年めに書かれた作品だそうですが、昭和の古典作品かと思いきや、全く古さを感じさせない舞台でした。
    映像使いが綺麗で好き。赤堀さんの気違いっぷりと気持ち悪さがよい方向で炸裂してた。

    ネタバレBOX

    各自事情を抱えた者達が山崎さん演じる精神科医のお宅に一同に介し、繰り広げられる会話のシュールさと、どよーんとした不気味さが全体に「訳ありです」感をまざまざと見せつけられる。
    それらを最後一手に山崎さんがカオス状態のまま、破滅込みで消化させたような幕切れ。
    重くはないけど、なんか深ーい作品だった。

    大鷹さんの役柄の年代はもう少し考えてもよかったのでは。あ、その当時の人は戦後の混乱期を生き抜いている人達ばかりだから、多少ふけ顔でも良いのかってことで納得する。
  • 満足度★★★★

    へんてこりん
    原作を読んでの観劇。狂気とエロと鬱と…。あの場に居たら誰だってねぇ。日本語って素敵だな、と改めて感じられる芝居。みんな自分中心に生きているんだよね。それを優しく見守る側になると絶対破壊されちゃうんだ!きっとね。うふふ…、あはは…。客入れのあのBGMもそそりましたねぇ。

  • 満足度★★★

    現代演劇のテーマ
    現代の芝居は非常に精神病理を扱ったものが多い、
    その中でも特に多いテーマが
    健常者の異常性、障害者の相対性であると思うが
    この作品は60年前の戯曲であるのにも関わらず
    その相対性が非常に巧みに描かれている。

    演出のケラ氏が、その現代に通じるテーマをいかに伝えるか
    それを、非常に深く考えたのが見受けられる。
    当時独特の雰囲気は残しつつも、
    現代の風をしっかりと失わない精巧な作りであった

    ネタバレBOX

    芝居の構成が狂気を狂気で塗り固めるという
    難解な作りなのであるが
    キャスト陣の繊細な演技によって、
    非常に巧みな構成になっていた。

    終盤、主人公が狂い「龍を撫でた、非常に冷たかった」
    というが、これは何の象徴であろうか?

    自分なりの答えは出たが、ここでは書かないことにする
  • 満足度★★★★

    正常と異常
    どこか変な人々を描いた物語で、チェーホフの戯曲を思わせる雰囲気の中に、60年前の作品とは思えないちょっとシュールなところもある作品でした。
    ケラさんの自身による脚本ではないので、ナイロン100℃の公演に比べて笑いはかなり控え目でしたが、登場人物全員が狂っている様子が怖くてかつ可笑しかったです。

    ある年の元旦、精神科医である夫と妻、妻の弟が住む家に、劇作家と女優の兄妹がやって来て、それぞれの下心が見え隠れしながら「家庭」や「気違い」についての会話が繰り広げられ、そこに怪しげな男2人組もやって来て、次第に奇妙な方向へ話が進んでいく物語でした。
    誰が正常で誰が異常か分からなくなる終盤は不思議なドライさと滑稽さがあり、印象的でした。
    会話の中でドストエフスキーやチェーホフの名前が上がったり、『どん底』の劇中歌が歌われたりされるように、内容自体もロシア文学のテイストが感じられました。

    チラシの文章に「エロティックで」とありますが、演出の仕方によっては妖艶になるシーンが笑える表現になっていたのがケラさんらしいと思いました。不穏な印象を与える音楽や映像が効果的に用いられて、人の心の怖さを引き立てていました。

    妻を演じた広岡由里子さんは情緒不安定な感じが台詞回しに良く出ていて、時折差し挟まれるコミカルな動きが楽しかったです。激しやすい人達の中で山崎一さんの常に落ち着いた演技が逆に怖さを漂わせていて、印象的でした。緒川たまきさんがいつもより低いトーンの声で悪女っぽさがあり新鮮でした。

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