お母さんの十八番 公演情報 お母さんの十八番」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 2.8
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★

    独特な演出
    もとはワークショップで生まれた10分の作品だったらしい。
    それをフルバージョンとしての上演。
    日本語での上演で、演出は韓国の方。
    なんと無料。

    ネタバレBOX

    シンプルな舞台装置。
    遺影が正面に飾ってある。
    外が見える窓が開いているのだが、役者たちが閉めていく。

    亡くなってしまった「母」を中心にした家族の物語。
    とても不思議な展開なのは、もととなった10分の作品を自由に広げていったことと関係なるのだろうか。

    緊張から緩和への手法が面白い。
    というか変わっていた。
    シーンごとのつなぎ部分に、必ず、仕掛けがある感じ。
    意表を突かれるところもある。

    特に回想シーンで、そこに登場しない役者が、動物を演じるのが意外だった。
    深刻でしんみりしたシーンの後に、ちょっとユーモラスな動物たちを演じる役者が出てくるからだ。

    ただし、それが、後々のシーンに効いてくるとということはなく、一過性のもの。
    後のシーンにそれらが効いてくるような、飛び抜けたモノになっていないのは残念。
    ただ単に役者に動物のマネをさせただけで、終わってしまっている。
    確かにその場では面白いのだが、全体的なトーンや、伏線になっているわけでもないところに疑問だけが残る。
    「何かあるんじゃないか」という期待だけが取り残されてしまった。

    また、父親が心象を吐露する台詞がかなりある。「ああ俺は何をしてしまったんだめろう」的なそういう台詞には違和感しか感じない。
    これも全体のトーンとの違和感もある。
    ひょっとしたら、そういう「今どきそんなこと言う?」というような、心象吐露台詞を吐くということ自体がギャグなのではないか、と思ったら、そうでもなかったようだ。
    動物のマネと今どきあまり聞かない台詞が、てっきりセットになって、メタな芝居空間を創造していくのではないかと、最後まで、少しだけ期待していたのだったが、そうではなかった。
    普通に冒頭のシーンのおさらいをして終わった。

    そして、何よりエンディングで亡くなった母親が、吐く台詞は、あまりにも実も蓋のなく、好きではなかった。
    『いい日旅立ち』の歌はいい感じだったし、また外が見える窓を順番に開けていく感じはちょっといいな、と思ったのだが。

    10分のオリジナルのほうも同時に観てみたかった。
  • 満足度★★★★

    良かった
    水天宮ピットは二度目だが前回は大スタジオだったので、中スタジオの存在を初めて知った。
    韓国人演出家による作品でもっと韓国的な何かがあるのかと思ったが、提灯や韓国屏風くらいしか分からなかった。
    家族の絆を見つめなおす良い作品だった。

    ネタバレBOX

    父がヘタクソなギターを演奏するシーンは泣きそうになった。
  • 満足度

    期待していたが…
    アジア舞台芸術祭という海外公演あるものだから無料でもそれなりに期待できるのではないかと雨にもかかわらず車で出かけたが、まず案内された舞台の寂しさに唖然、客席に唖然、何か間違っちゃんたんじゃないかという不安が全身をよぎる。
    演劇の内容も学生演劇の方がまだ工夫されているのではないかと思われる程度の戯曲、演出。演技は多少見るところはあるものの役者同士の演技が有機的に機能していないので一人芝居のオムニバスを見せられているような淡白さ。
    回想シーンでは演技のスピードが意図的に遅くされているが効果的とは言えず、見ていて疲れ苦痛。ただ、舞台の窓や小道具は施設備え付けのもののようで、あるものを有効に使う姿勢は買える。
    それにしてもこの主催団体のやる気がサッパリ感じられないイベント。
    海外公演やるために予算がなくなったのだろうかと思うような淋しさを感じた。
    このどこが芸術祭なんだろうか疑問である。

  • 満足度★★★★

    面白かった!私は好きです
    こういうの。水天宮ピットという、元学校だった劇場をうまく使っていた。ここ、借景とでも云えばいいのか、外の景色や照明を舞台の中に取り入れることができ、面白いですね。この劇の中でもとても印象的に使われていました。お芝居のほうは、役者さんがみな達者。再々かかってくる長女の電話の内容が何だったか知りたいが、分かりやすいお話の中でこうして少しだけ謎の部分を残しておくのもテクニックというものでしょうか。人生の哀しさと面白さをとてもよく感じさせてくれました。

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