幻惑
舞台を覆う紗がかかった幕をズッと凝視していると、なにかがズレて行ってしまうような、そういう不思議な感覚を与える美術。そのままズレてズレて、どこか遠い処へ連れて行ってくれても、コチラは覚悟は出来ていた、もう少し、踏みとどまってしまった。
満足度★
こんなの
ガラスの動物園じゃないやい。てゆーか、アフタートークで宮城聰が「大きくそぎ落としてある」とか「能みたい」とか言ってたが・・・。ガラスの動物園は極めて優れたリアリズム演劇であって、簡単にイメージの演劇(私はそう思った)にしないでもらいたい。作者自ら、思い出の劇なので自由にやって…とか書いているが、それは問題外な発言。それに能は役者によってかなりリアリティーが出るが、今回の役者、特にアマンダにリアリティーは無い。あるのは演出家の与えたイメージ。リアリティーがないから非常に物足りない芝居になっている。こちらに届いて来るものが無い。アマンダ、想定外の演出相手に、よくやっているとは思うけど。トムがアマンダより老けて見える。好き嫌いが大きく分かれそうな舞台でした。