パール食堂のマリア 公演情報 パール食堂のマリア」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
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  • 満足度★★★★★

    切なくて素晴らしい!!
    横浜の哀しさが様々な登場人物を通して描かれていました。表現方法も工夫がみられ、小夏さんの一つの集大成とも思える素晴らしい作品でした。

    ネタバレBOX

    パール食堂の親子を中心に、近隣の人々を通して横浜の哀しさがいっぱい溢れていました。ただ、東京のやつらとか、あの丘の上の墓地とか、港が見えるとかいった表現はありましたが、横浜という言葉は出てこなかったと思います。それでも具体的に横浜のことだと分かり、かつ戦後を引きずっていたあの当時の日本が伝わってきました。

    混血児の哀しさもさることながら、間引きの実態も明らかにされました。悲しい現実です。

    お母さんがお父さんに将来のこととして混血児の雇用をお願いしたシーンがありました。贖罪としてのお母さんの意志だったことが明白にされましたが、あの言葉が無くてもパール食堂のコックさんが混血児である理由はほんのりと伝わっていたと思います。

    ストリップ劇場の支配人と踊り子の関係、オカマバーの店主の望郷の念、美容院親子の男の子と母親らしい関係もくすぐられました。妹の同僚の松田先生をあんな設定にまでしなくてもと気の毒になりましたが、愛のりんごの効果か姉とコックの光治の関係に光明が見えてきてホッとしました。

    下手と上手上部の別々の場所のシーンで、交互に台詞を言いながら会話するという手法は難しいだろうなと思いつつ新鮮に感じました。

    パール食堂のテーブルの一部がバーのシートにも使われていましたが、違和感無くとても自然な流れでした。

    ここでも100万回生きた猫がモチーフになっているように思えました。そんな猫や猫たちの魂、姉の子供時代などを演じたナナシの存在が素敵でした。

    吉田小夏さんの集大成とも思える切なくて泣けて、それでいて笑って迎える明日がある、そんな作品でした。

    因みに、この話から10年後に私もメリーさんを見掛けたことがあります。初めて見たときは白粉の白さにぎょっとしたことを覚えています。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしい
    久々の☆5つ。人間の「もがき」を、暖かく見守ってくれる。

  • 満足度★★★★

    すっと心に染み入る群像劇
    70年代初頭の横浜を舞台に、その地理的・歴史的トピックを上手く盛り込み、人間関係を優しい雰囲気で描いた作品でした。

    食堂を経営する父とその娘姉妹を中心に近所の人や職場繋がりの人たちの日常的な姿が落ち着いたトーンで描かれ、ローカルな話の中に普遍性が感じられました。色々と重い要素もある物語ですが、性格の悪い登場人物は1人も出てこないので、観劇後の印象はとても清々しかったです。

    繰り返しや重ね合わせを用いた台詞や場面の構成が巧みで、人物がしっかり描けていないと技巧が鼻につきかねない脚本でしたが、人物描写も丁寧でリアリティがあったので素直に物語世界に引き込まれました。
    冒頭で立て続けに登場人物やエピソードが現れテンポが早すぎるように感じました。都心から少し離れた劇場の立地や、座り心地が良いとは言えない座席などの条件を考えると長くても2時間が適正だとは思いますが、演技や雰囲気が良かったので3時間あっても構わないと思わさせる作品でした。
    横浜のことや、プッチーニのオペラ『ジャンニ・スキッキ』を知っていると、より心を打つシーンがありました。

    出捌け口をたくさん備えた立体的な舞台美術が効果的に使われていて、シーンの切り替えがとてもスムーズで、逆に暗転での場面転換は敢えてたっぷり時間を取る流れが心地良かったです。

    ちなみに前説は主宰の吉田小夏さんがされていましたが、堅過ぎず砕け過ぎずの優しい口調に言葉を大切に扱っている姿勢が感じられて素敵でした。

  • 満足度★★★★★

    「命への想い」。これは肉体化した詩!
    青☆組、吉田小夏さん、初めて伺いましたが・・・とても良かった!
    素晴らしい戯曲、素晴らしい舞台です。感動・・・というと安っぽいのですが、生と死をすごく近しく感じて、心が揺さぶられ、作家の「命への想い」を受け取った気がします。
    この舞台は、必ずもう一回観にいきます!
    舞台空間は、時代と場の「臭い」を再現。昭和47年横浜。
    使用される言葉は温かく重く美しい。
    肉体化された詩、そのもの。
    登場人物のうち、二人は抽象的な存在と思えます。が、その他の名前のある人たちも含めて意外と全ての人物は「何かの現われ」なのかも知れません。
    複数のプロットが併走するように見えますが、大きくひとつのものに収斂していくようです。
    お芝居で揺さぶられたのは久しぶりです。気持ちを伝えたく始めてCorichに投稿しました。是非観て欲しい舞台!

  • 満足度★★★★

    セリフにドキドキ
    物語の展開とかではなく、セリフそのものにドキドキさせられる事って普段なかなか無いのですが、『パール食堂のマリア』では1つの作品内で何度かドキドキさせて頂いたのが印象的。開演前の吉田小夏さんの前説の時点から「言葉を大事にされる人だな、劇団さんだな」っていうのが良く伝わってきました。

  • 満足度★★★★★

    やられた!
    や、やられた!終演直後、真っ先に頭に浮かんだのがこのフレーズです。吉田小夏さんと言えば脚本家としてのイメージが先行しがちだったのですが、今回は演出家としての吉田小夏さんの底力をまざまざと見せつけられました。観劇前、僕が一番注目していた点は、これまでの春風舎より空間もキャパシティも大きくなった劇場で、果たして青☆組がどのような作品を創りあげてくるのか、ということ。けれどまったく余計なお世話にでした。初日にしてあの完成度はお見事です。観劇を躊躇されている方、迷わず劇場へ足を運ぶことをお奨めします。あ、もちろん台本が面白かったことは言わずもがな。しっかり購入して帰ってきました。

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