グロスター家
老人リアが悩みと苦しみの増幅装置となって描かれるグロスター家の出来事は、どこまでも純度を高めた家族の問題であり、何故に家族は、親子は、ここまで苦しまなければならないのか、と長男である自分は苦しくなる。
満足度★★★★★
違和感が違和感を包み込み、それは様式美にさえなっていた
台詞の最初の一声が発せられるまで、「4カ国語版」という表記がなされていたことを忘れていた。
そう、ドイツ語、英語、韓国語、そして日本語の4カ国語での上演だったのだ。
それらの4カ国語が、歌うように朗々と発せられ、あるときは唾を飛ばすほど熱を帯び、着々と悲劇へと向かっていくのだ。