TIC-TAC 終了いたしました。御観劇くださった方々、出演者、スタッフに心から感謝しています。アリガトウゴザイマシタ。 公演情報 TIC-TAC 終了いたしました。御観劇くださった方々、出演者、スタッフに心から感謝しています。アリガトウゴザイマシタ。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
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  • 満足度★★★★★

    孤独がゆえに
    会場は大入り満員で階段に列を作っていた人々をみると早めに行って席を確保した方が賢明だ。

    相変わらずヨリコジュンの描く世界感は破壊力がある。そして毎回、感じることだが、自分より弱い者に暴力を振るったり、自分で抱えきれない苦痛の吐き出し口として、他者を苛めて穴埋めする行為は器の狭い男の象徴みたいなものだが、こういった精神的に弱い男を描くのが上手い。上演時間2時間20分。

    ネタバレBOX

    ヤンハルトの父親は電車の中で母に暴力をふるい、その母を助けた車掌は父親を犬のように縛って犬小屋に住まわせる。更に車掌はこれをいいことにヤンの家庭を乗っ取るかのように住み着いて我が物顔に振舞うのだった。これに嫌気をさしたハルトは家を出て実家の干乾びた井戸に住み着くが、この井戸の中での物語りが今回の芝居の主軸だ。

    すべてはハルトの孤独な精神から生まれた物語だが、こうなった理由は数年前にハルトが苛めた友達に起因する。友達はハルトに仕返しをする為にこの物語を仕組んだのだった。

    序盤、井戸をねぐらにするハルトのもとに暗い穴倉のような入り口から登場する多くの輩はまるで死人のように白塗りな人々だ。これらはゆっくりとスローモーションで登場するが、その描写は幽霊屋敷の絵画を観ているようでさまになっている。笑

    彼らはキュルキュルと騒ぎ立てハルトは仰け反るも、その風景はまるでちょっとした小さな遊園地だ。その中でハルトにとってショックな出来事が次々と始る。

    それは父親の死、ハルトと近親相姦をしていた妹の死、ハルトの恋人の裏切り、ハルトの裏切り、どこまでも真っ直ぐなスミカ、爆弾の製造・・。これらのすべてはバンブースノーと言われたヨウ・ユキタケから始まり、やがて列車の中でハルトの母親がヨウから貰った時計(爆弾)を不倫していると誤解した父親のDV行為を沸点に、チン!と時刻は刻まれてしまう。

    序盤、ワタクシはこの世とあの世の時間軸がぐにゃりと曲がって交錯しているのかと勘違いしたがどうやら、多くの輩はヨウが雇ったものだと終盤に種明かしがある。

    明日から連れてきた人々の壊れ具合がこの劇団の見どころでもあるが、人間の欝な捩れ具合が絶妙な描写で、退廃的でもある。しかしその根底には孤独な一人の青年が「誰か自分を必要としてくれー。」という喘ぎも聞こえ、その心理はきっと観客も同じだとも思う。

    井戸のセットの作りこみが絶妙、音楽導入、屈折度、全て好みの作品だった。終盤おの電車のセットも魔法のように早変わりする。強いて言うなら2時間以内にまとめて欲しかったが、それでも皆、いい仕事をしていた。

    次回も楽しみな舞台。
  • 満足度★★★★★

    謎がとけたかしら?
    anarchyfilmさんの広告のデザインと説明文が気になり、
    サイトから予約し、見に行ってきました。
    劇場は、以前お店で使われていたような感じで、
    異様な雰囲気がありました。
    内容は是非見に行ってほしいので、なんにもコメントしませんが、
    でも、いったいどうなっちゃうの〜と、いろいろ考えられる作品。
    音楽はかっこいいし、演出もすばらしかった。
    回想シーンがところどころにあり、ひとりひとりのキャラクターに感情移入ができました。もう一回見に行って復習しようかしら。

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