満足度★★★★
役者の登場と退場時に使われた音楽が素敵
原作に忠実に舞台化。さすがMODEの舞台の俳優陣、物語が持つ奥行きと強度が滲み出る芝居を作り上げました。
MODEの芝居は劇中音楽のチョイスと使い方がいつも秀逸です。今回は幕明けと幕切れ、役者が舞台上を横一列になりそれぞれゆっくり登場・退場する場面で、“The Reggae Philharmonic Orchestra”(レゲエ・フィルハーモニック・オーケストラ)の“Sharpeville”という曲を使用。シックで物悲しい弦楽器の旋律が心を揺さぶります。
満足度★★★★
安心して
スタンダードな「かもめ」でしたが,演技力ですね。安心して観ているができました。いろいろな「かもめ」を観ているだけに,演技そのものを観ることができます。さすがに上手い。感心です。それと舞台の使い方がおもしろい。席が前の方だったのですが,この芝居では俯瞰の出来る後ろの席の方が良いのかもしれませんね。ただ,途中に休憩がありますが,休憩なしに一気に通してくれたほうが,集中が途切れないので,良いような気はします。
満足度★★★
ストレートなチェーホフ
置き換えや大胆な再構成などのない、戯曲に忠実な演出でした。
舞台の袖や裏が剥き出しの中、一段上がったステージがあり、演技はそこで行われ、出番でないときはステージの周りに座って待機という空間の使い方をしていました。
終盤、理想と現実に折り合いをつけ、忍耐の必要性を語るニーナがそれまでと異なるトーンで演じられるシーンがとても印象に残りました。
この物語で描かれている内容がどこにでもありえるということを象徴する様な、最初と最後の役者たちの出捌けのシーンが美しかったです。