あたらしい朝 公演情報 あたらしい朝」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-15件 / 15件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/05/04 (木) 18:00

    やりたいこと、やり残したこと
    記憶の中の思い出とともにたくさん詰まってて素敵な旅でした。。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ただただ素晴らしかったです
    その日求めていた快適もそこにあり
    その日の私には完璧な演劇時間でした

    入り組んで混ざって遷移して
    ここは?あなたは?いつ?なに?と
    一見して難解になりそうなのに
    包み込みような滑らかな流れ

    健気でラブリーな夫婦が愛おしい
    ラブリーなひとびとが流れてゆく

    最初の歌唱シーンからなんか
    泣きそうになっちゃったよ
    なんだろこれ

    多幸感に包まれて
    余韻が心地良かったです

    心が洗われた感じ
    良い洗濯機でした

    素晴らしい演劇をありがとう

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    いつか思い出す旅路と、コロナで流した涙について

    ネタバレBOX

    2020年10月にアトリエ春風舎で上演された作品のリメイク。ドライブにでた若夫婦がヒッチハイクをしている女性と出会うところから始まる。妻がたずねる 旅行ですか? と。
    簡素ながら幻想的な舞台を構成する美術と照明の中で、場面は思い出とも夢とも回想とも呼べるような曖昧さで挿入される。現在の旅行と過去の新婚旅行、車内と飛行機あるいは船の上、登場人物たちも今の役なのか過去の役なのか、あるいは夢の中なのか、その曖昧さは本来観客が場面を認識するのにストレスになってもおかしく無いはずだが、ここでは心地よい。それは、本当は死んでいるかもしれない夫や、もう戻らないかもしれない時間や世界そのものを、曖昧さが包み込んでくれているからかもしれない。思えばこのコロナの数年間は、まるで現実感の無い日々を過ごした人も多いのかもしれない。けれど、決して戻らない時間と失った人々だけが現実にはあって…。その空虚な時間を埋めるような、思い出せない日々を虚構と幻想が補完するような作品に、この作品がなると良いなと思う。最後に、制作だけではなく出演、音楽と八面六臂の活躍を見せていた金澤昭に何らかの賞をおくるべきでは無いかと審査会において複数の意見が出たことを申し添えて置く。残念ながら該当する賞が無かったため、劇団内にて存分に労って頂けますことを。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    演劇的仕掛けとユーモアがふんだんに織り込まれた愛すべき作品である。劇作家、演出、俳優、美術等において総合的にその技術が高く評価できる。

    ネタバレBOX

    元ネタとなっているのは上方落語『地獄八景亡者戯』である。その残された妻の側を中心とし、彼女の複数の旅が重なって描かれている。俳優の演技力が高く、情景描写に長けているために観客も共に彼女の記憶/体験の旅に出ることができる。本作はコロナ禍に描かれたということもあり、好感が持てた。

    何より本作で優れていたのは、戯曲における記憶/体験/想像のレイヤーの織り重ね方である。いないはずの夫・龍之介とユリのドライブからヒッチハイカー・山本ユカリをピックアップしてそのまま行ってしまう旅行、龍之介とユリの新婚旅行、ユリと母親の旅行が複層的・連続的に描かれると同時に、そこに龍之介の死者の旅路や彼の葬儀のシーン、死んだ母親との会話などが挟まれる。それらは想像/現実の区別が明瞭に付けられないまま、他の次元に緩やかに干渉しており、付かず離れずの距離感が心地よい。

    死を描く際の軽やかさに対しても好感を持った。バランスよく散らばったコミカルなシーンのせいもあり、全体を通じてノリの軽さが特徴となっているが、それとの対比により、既に死んでいる母親と夫に対するユリの寂寞とした思いが伝わってくる。重苦しくならないからこそ、それが一層切なくもあった。

    シンプルだが具体的な舞台美術・小道具と演技によって、描かれる旅は観客の想像力をともなったリアルなものとして劇場に立ち上がっていた。他のメディアではできない、演劇ならではの魅力が発揮されていたと言えるだろう。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    まず何より、出演者たちの好演が光る作品だと思います。リアリティと特異性の境界を行ったり来たりする、独特の存在感を放つ俳優たち。この身近な存在があるからこそ、演劇上演としての魅力が増したことは間違いないでしょう(勿論その演出を手掛けた演出家にも拍手)。コロナ禍に執筆された一作で、旅や人間関係に想いを馳せる物語は、ステイホームやソーシャルディスタンスを経験した人々から共感を得やすく、同時代性の高い作品と言えます。個人の夢の中を散策するような私小説風の語り口や、ファンタジー要素を含む世界観も良いアクセントになっていました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    果てしのない絶望の夜の中、されども祈る朝の訪れを探し彷徨うような喪失と再生のこの物語には、長く続くコロナ禍における誰しもに失われた時間を補完していくような手触りがありました。チラシにあった“どこにも行けなかった私たち”という言葉は、舞台上から客席へとするりと滑り落ち、そのまま私たちの手を取り、ともにそのピンク色の車に乗せてしまうような。そんな一体感と共振を忍ばせた導入が劇への没入感を確かなものにしていたように思います。

    ネタバレBOX

    亡き夫とその残像を抱えながら生きる妻を巡るタイムトラベル。
    「夫が死んだ」という事実よりも「生きていた」という事実を、その時間を瑞々しく映し出すような演出には物語や演劇そのものが人物の喪失にグッと近づき、その身にギュッと寄り添うような温かさがありました。
    しかしながら、「温かさ」というものでは到底誤魔化しのきかない「痛み」の深さ、その描写も生々しく描かれていて、妻を演じた清水緑さんの次の瞬間に泣き崩れるのか、はたまた大きく笑い出すのか予測のできない心の紙一重さや、夫を演じた木村巴秋さんのつかみどころのないままに飄々と舞台上を遊泳するような人懐こい揺らぎは、この作品の核心的な魅力を一際具に表現されていたように思います。
    その傍らで葬式帰りの二人という現実的風景を担った亀山浩史さんや菊池佳南さん、母であり、友でもあるという二役を全く別の眼差しで好演した北川莉那さん、ガイド的役割を担いながら、抽象的に描かれる生と死の狭間をシームレスに行き来する小瀧万梨子さんと金澤昭さん。さまざまな時間軸が混在する物語をその身に背負う俳優陣の確かな技量は元より、それぞれの個性と強みを存分に活かした配役と演出が、生と死、喪失と再生を巡るこの「旅」を時に淡く、時に確かに縁取っていました。

    叶わなかった旅を再現する旅には、そのピンク色の車には、無論数知れぬ後悔が相乗りしていて、妻であり娘である女性が旅の途中でふと在りし日に思いを馳せるシーンには、痛々しくも避けられない景色の数々がありました。この作品の結末や魅力を他者に伝えようとする時、「そんな旅の目的地が希望の“あたらしい朝”だったのです」という回収ではどうも言葉が足らず、その後悔の数々を諸共抱きしめて生きていくしかない、“目的地”に設定せずとも「いつかは新たに迎えざるをえない朝である」ということに本作の切実さは光っていた気がします。
    「不在」という「存在感」を強烈に忍ばせた本作は、一つの朝でありながら、長い夜でもありました。営みであり、弔いでもありました。そしてやはり、祈りであったと思います。
    『あたらしい朝』とタイトルが角張った漢字ではなく、丸みのあるひらがなであることにもどこか心を掬われるような、本作の中身との親和性を感じたのですが、そのチラシには、「A WHOLE NEW MORNING」という英題が併記されていました。
    「A WHOLE」という単語は、「これまでに見たことのない、まったくの未知の」という意味があります。ただの「NEW」ではない、見たことのない、未知の朝。その景色が少しでも彼女を救うものであってほしい。旅に立ち会った一人として、そんな祈りを抱かざるをえないラストであり、劇場を出てからもそんな気持ちは長く心に残り続けました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/05/13 (土)

    興味深く見れました。
    見れてよかった。

    ネタバレBOX

    https://sakuteki.exblog.jp/m2023-05-01/
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/05/11 (木) 19:30

    優しくて悲しい希望を抱き締めながら歩くような話でした。シンプルな舞台美術が、登場人物のがらんとしてしまった心みたいで、そこに大切な思い出だけが配置されているみたいでした。心地よい悲しさに包まれながら、この夢が覚めないといいなと思いました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/05/10 (水)

    生者と死者がともにいる世界

     新型コロナウイルスが猛威を振るっていた2020年に上演されたアトリエ公演のリメイクである。多くの人が亡くなり常に死の恐怖と隣り合わせだった感染症禍があってこそ生まれた作品といえるだろう。

    ネタバレBOX

     ピンクの自家用車で山道をドライブ中の高木龍之介(木村巴秋)とユリ(清水緑)夫妻は、ヒッチハイクをしている山本ユカリ(北川莉那)を拾い羽田空港へと向かう。ユカリは7年付き合った彼氏に振られ、傷心旅行への道すがらであった。当初はよそよそしかったユカリが同郷の同い年と知ると、ユリはすっかり心を許し、龍之介の反対を押し切って一路東南アジアへと向かうことになった。

     飛行機でユリは龍之介との新婚旅行のときのことを思い出す。客室乗務員(小瀧万梨子)に英語が通じなかったことや、ユリの母の反対を押し切って結婚したことが心残りであったこと、現地でもピンク色のレンタカーに乗って恋愛バラエティ番組「あいのり」よろしく見ず知らずの男女を拾ったこと……到着してメコン川クルーズや寺院参拝などを満喫した3人は、つぎはトルコのイスタンブール、そしてイタリアのヴェネツィアなど世界各地への旅を続けていく。道中ではユカリが相乗りしてきたかなやん(金澤昭)に失恋したり、龍之介が高校時代の知り合いのミキ(菊池佳南)と大沢(亀山浩史)夫妻に出会ったりなどさまざまなことが起こる。この旅のなかで龍之介の存在は徐々に薄まっていき、やがて彼は本来「いないもの」とされてきたことが分かる。

     私が面白いと感じたのは、時間や空間が自在に行き来し、彼岸と此岸の境界が取り払われた作品世界のなか、さまざまな位相にいて本来は邂逅しないはずの登場人物たちが舞台上に出現していた点である。いわば本作の主役はこの荒唐無稽な世界そのものであり、登場人物や描かれたエピソードを鵜呑みにするのではなく、この世界の表象や構成しているパーツと捉えて観てみればわかりやすい。しかもこの荒唐無稽さが極めて自然に、ときにおかしみを交えて描かれていた点が独特である。本来は亡くなっている龍之介とユリが一緒にドライブや旅行に行くことはあり得ないが、二人とも龍之介の死を当然のことと受けとめ、感傷を交え得ることなくイチャつきあっている。ユリはユカリにも龍之介を紹介し、彼が亡くなっていることを示唆するがユカリも動揺していない。無論龍之介が幽霊であるなどという言及もない。この世界のなかでは死は生と地続きなのである。観ていて私は、東日本大震災の直後に被災地のタクシー運転手がしばしば幽霊の客を乗せたという証言を思い出した。そう考えれば、実は生きているのは龍之介ただ一人だという解釈も可能なのかもしれない。

     コロナ禍に伴い大幅な外出制限を経験した我々観客が、感染症と隣り合わせだった人類の歴史に切実な思いを抱く描写があったことも忘れ難い。一部の登場人物がペストマスクを被っていたりひどく咳き込む描写が挟まれていたりしたことに加え、ヴェネツィアの場面でペスト患者の集団墓地の話題や、コレラが蔓延していた時期を描いた映画『ベニスに死す』で使用されたマーラーの「アダージェット」が鼻歌で流れたように聞こえたことなどからも、作者の意図は伺えた。初演では本作の旅行の描写に掻き立てられた観客が多かったであろうことは容易に想像できる。

     数台のパイプ椅子を移動させるだけで車中をレストランに、そして船中に変えるなどテンポの良い展開もうまい。龍之介とユリ、ユカリが海鮮丼を食べている横で、葬式から帰ってきたミキと大沢がいて龍之介の死を示唆したり、数役を兼ねる俳優が旅行の場面で演じる役を自然に入れ替えたりすることで、過去と現在の時間軸をするりと移動させて舞台に厚みを持たせることにも成功していた。奔放に行き交う空間と時間、そして登場人物の移り変わりは目まぐるしく、その後の展開を示唆する歌謡曲や落語を入れ込むなど手数の多い演出は感心したが、果たして自分はいまなにを観ているのかと混乱を覚えたことも事実である。とはいえ本作の感触は他ではなかなか得難いものであったことは疑いえない。

     龍之介の葬儀を終えたユリは、今は亡き母を連れてドライブにいく。道中でヒッチハイクをしている龍之介を拾うと、3人でどこかへと旅立っていく。暗転するなか舞台前方に置かれた花がぼんやりと輝きを放ち、それがこの数年間の死者への鎮魂であるかのように見えたのは私だけではないと思う。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2023/05/10 (水) 19:00

    平田オリザの演劇ワークショップで使われるもっとも有名な台詞に、見知らぬ人に「旅行ですか?」と話しかける、っていうのがあって、私も実際に見たことはないんだけど書籍や講演で死ぬほど語られてるし周囲も分かりやすい例でよく引用するからもう漫談というか伝統芸能というか、知ってたらちょっとしたギャグにすらなりうるやつ、なんだけど、行きつ戻りつのオープニングを経て妻(清水緑)が言ったこれは、まさにその "本歌取り" で、これから演劇が始まるんだ!と思ってすごく嬉しくなった。2020年の初演を、春風舎に観にいったことはたしかに覚えているけれど3年のあいだに世界はあまりに変わりすぎた。ここからどこへ「戻って」いくのか、それとも「変わって」しまったままなのか。初演の枠組みは残したまま、登場人物やレイヤーがあらたに加わったリライト上演。私たちがしばらくできなかった「旅」というモチーフに向き合わせてもらって、あたらしい時間を過ごした。小瀧さんが登場して、最初のあれが始まったとき、ああこれがうさぎストライプというカンパニーだなあ、意味の見えづらいこの突拍子もなさ、味わうたびに意味になっていくんだよなあ、と噛みしめた。葬式帰りの男と女を演じた亀山浩史さん、菊池佳南さんを見ると、うさぎストライプの歴史と足跡、彼らが舞台に立っていてくれる安心を感じます。これも観劇の年月を重ねる醍醐味ですね。制作者でありながら流しの歌うたいでもある変幻自在の金澤氏は、前説から客出しまでもっとも長い時間観客に寄り添ってくれる存在。一人旅に出る女(北川莉那)はどの年齢にも見える、少女と女と母のどの面も持つような人でしたし、清水と夫婦役を演じた木村巴秋は人懐こさのあまり、劇中では酒飲まないキャラだったけどこれで酒癖悪いキャラだったらマジで人間の憎めないけどちょっと手が掛かるからそれでモテまくるひとあるある全部盛になってうっかり私も好きになってしまうところだった、あぶなかった。

    見立て、生死や自他の境界を瞬時に曖昧にする台詞や演出、比喩やほのめかしの散りばめ方が緻密にして濃密で、まるでデッサンから色付けまで、熟練した技術の重ねられた絵画のよう。タイトルや戯曲における大池さんの言葉選びはとてもドライなものを感じるけれど、乾燥したものって極限まで乾燥させると発火するから、そういう燃え広がる瞬間、みたいなものが見えるのが私はすごく好きなのかもしれない。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2023/05/10 (水) 19:30

    2020年に春風者で上演された作品をリライトして上演。不条理系で不思議な感触。70分。
    初演も観ていて50分だったのが70分になったが、かなり変わった印象。軸になる3人は初演と同じで初演ではいなかった2人が加わった。哀しい話だと思うが、本劇団の作風により気持ちよく観ていられる。
    小瀧万梨子の肩のアルジャーノンがカワイイ、っていうか、アルジャーノンを操作する小瀧がカワイイ。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    青年団系の小劇場だが、少し風変りのところがある劇団だ。主宰作者は大地容子。
    青年団系は自己中心の思い込みで展開するいい子ちゃん風劇団が多い(またか!と辟易する)のだが、この作品は、若者エンタメ風。女性優位の夫婦(木村巴秋・清水緑)がヒッチハイクの謎めいた女性(北川莉那)を車にのせたばっかりに、・・・という展開で、その女性の相手の男性の代わりに、最初は食事、続いて旅行に、ついにはベトナムやトルコにまで一緒に旅をすることになる。ナンセンス・ファンタジー・コメディのような展開(古い例だがモームの「叔母との旅」みたい)で、若者気質も新鮮に面白く書けていて、結構笑える。いや、女性は強くなったなぁと、気を許して見ていると、この二つのカップル、どうも変で・・・というあたりの運びも巧みである。結局それはこういう話ではよく使われる仕掛けで、なーんだというところもあるのだが、いろいろな工夫の連打でナンセンスな世界を短いながら(70分しかない)押し切ってしまう。ここではよくある複数シーンの同時進行など邪魔でしかない。
    狭い舞台で、多くのシーンをそれぞれ、象徴的な道具を出してひとつづつ個性的に手際よく組み合わせている。冒頭の女性をピックアップするまでの行き先表示の使い方とか、旅先のメコン河の船上とか、万国旗の使い方とか、場所設定が良く出来ている。演劇としての世界はできているのだから、青年団系劇団の仲間ぼめの中で安住しないで、もう少し大きい劇場(300人規模)でも見てみたいと思った。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    かなり面白い。
    清水緑さんと木村巴秋氏の夫婦がピンクの車で山道を走っている。誰も通らないような山奥で『羽田空港』行きのボードを掲げているヒッチハイカーの北川莉那さん、何故か中世のペスト医師の『くちばしマスク』姿。それが可笑しくて何度も何度もUターンしてそこを通る二人。到頭乗せる羽目になる。車の中で盛り上がる話題。何処か遠くへ旅行に行きたい気分。

    木村巴秋氏は宮藤官九郎風味のもう中学生。矢鱈ハイテンションで明るい。
    清水緑さんは扱いがムズい情緒不安定女子。
    北川莉那さんの態度の悪さが笑えた。チュッパチャップス。

    デヴィッド・リンチの『ロスト・ハイウェイ』や筒井康隆の『夢の木坂分岐点』を思わせる作風。新婚旅行の思い出や病死した母親と行けなかった旅行。鯖にあたって死んだ男のエピソードの断片や『あいのり』風のラブワゴンでの旅。ベトナムのメコン川、ヴェネツィアの墓地であるサン・ミケーレ島。『地獄の黙示録』のように記憶の川を遡上し、『ベニスに死す』のように耽美的な終焉へと。曖昧な記憶と想像と妄想とが何処までも彷徨い続けていく。つげ義春だよなあ。

    途中、哀しみが足りなく感じていたが、一曲の唄で作品を決定付けてみせた。
    是非観に行って頂きたい。

    ネタバレBOX

    客入れSEが坂本慎太郎(元ゆらゆら帝国)。レトロ風味な山下達郎っぽい。
    飛行機内でバスガイド風CA、小瀧万梨子さんの歌う昭和歌謡も良かった。選曲のセンスが良い。小瀧万梨子さんが時折ケリー・チャンに見えた。
    何と言っても金澤昭氏がギターを弾きながら歌う「オリオンビールの唄」(たまの柳原幼一郎の名曲)。菊池佳南(かなみ)さんのコーラスも効いている。
    「野原が僕を呼んでいる パリも水(見ず)に沈んでく」
    余談だがたまは柳原幼一郎(現・陽一郎)に注目が行きがちだが、アルバムを繰り返し聴いているとベースの滝本晃司の才能に驚くこととなる。「むし」「丘の上」「星を食べる」「あくびの途中で」などなど。
    ラストはゆらゆら帝国の「EVIL CAR」で決める。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    #清水緑 #北川莉那
    #木村巴秋 #小瀧万梨子
    #亀山浩史 #菊池佳南
    #金澤昭 #大池容子(敬称略)
    人との出会いも芸術との出会いも、一瞬で気が合うかどうかって分かる気がする。察知できるモノだと思う。今作もオープニングのあの瞬間、初演の興奮が甦ったし、楽しい〜ってなった。
    上演時間が70分であることに驚く。それは『えっ⁉️たったそれだけ⁉️』の意味。充実し過ぎていて、体感は100分超。つまり、無駄なく有意義な時間が詰まっていたってこと。
    辻褄を合わせるように観てしまいがちだけれど、幾つかの時間や場所や視点が交錯して、時空も思考も歪みが生じて、まるでシチュエーションコメディのように脳内で混乱を引き起こす。でも、嫌じゃない。むしろ気持ちいい。

    金澤昭さんがイイ味を出している。好きだなぁ。
    菊池佳南さんが綺麗だったなぁ。
    小瀧万梨子さんの美しさと惚けた表情がサイコー。
    挙げるとキリがなくなる。皆さん魅力的。
    そう、つまりは『演劇って素晴らしい』ってこと。
    そういうこと。
    だから、ぜひ観てほしい。
    ワタシもおかわりする。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    3日と4日に見ました

    ネタバレBOX

    お母さんの気持ちに感情移入してしまい涙が出ます
    結局幽霊ものかよとも思えますけどベタとはぐらかしのバランスが絶妙
    一見いまさらかよの演劇のウソとかチープなセットとか素敵
    女優陣最高!

この公演に関するtwitter

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  1. うさぎストライプ『あたらしい朝』2 登場人物の魅力が大きな求心力となって、飽きさせない。完璧な均衡がそこにあった。 アトリエ春風舎で観た初演はアクティングエリアと距離が少しあって蜃気楼を見ているようで、アゴラ劇場の再演はかなり近くなり、目覚める直前のリアルな夢のようだった。

    1年以上前

  2. うさぎストライプ『あたらしい朝』 ほんと面白いよ、うさぎストライプ。時間や場所がポンポン飛ぶ序盤のカオスから、夫の死にフォーカスがゆっくりと合い、収斂して行く様が素晴らしい。そして、過剰なドラマチックさを削ぎ落とすことで生まれる独特の空気感がとても良い。

    1年以上前

  3. あたらしい朝! おはようございまする!! 5/16(火) 行田の天気は ☀️ 27℃/13℃ 久しぶりのお天気!! しかしながら気温は夏日と、急に暑くなる様でございまする。しっかり対策を行ってお出かけ下され! それでは、本日も… https://t.co/RhWxwRCYBz

    1年以上前

  4. |ミ˚ ヮ˚)˚⌒📢あたらしい朝がきた💨 三園神社は日の出を迎えたぞ🌅 今日のこのあたりの最高気温は26℃、 最低気温は15℃っぽいのじゃ🌡 May 16, 2023 at 04:35AM

    1年以上前

  5. 「妻」の追憶と希望が入り混じる夢想旅行。いつの間にかそれに同行している自分がいた。 死生観を刺激するのに悲壮感がない。うっとりとその世界に浸った。 旅の最後、妻が自ら運転・・・そうしてこのタイトルに向かうということだろうか #うさぎストライプ

    1年以上前

  6. ブログを更新しました。 「あたらしい朝 日本橋牡丹堂菓子ばなし九」中島久枝 ⇒ https://t.co/lG9lTn71Tc @ameba_officialより #読書記録 #読書感想 #中島久枝 https://t.co/5Dywq2FgSk #アメブロ #読書記録 #読書感想 #中島久枝

    1年以上前

  7. @kitaryt 北川さん、はじめまして。うさぎストライプ「あたらしい朝」お疲れ様でした。初めて北川さんのお芝居を拝見したのですが、素敵な役者さんだなあと思いました!機会があれば、また北川さんのお芝居、観てみたいです♪

    1年以上前

  8. あたらしい朝、もっかい観たかったな ラブリーな演劇だった

    1年以上前

  9. さきほど、新しく投稿されたっぽいです。 さくてきブログ2 ↓↓ うさぎストライプ「あたらしい朝」をみた。その感想。2000文字くらい https://t.co/rlEHbo0VuB

    1年以上前

  10. うさぎストライプ「あたらしい朝」全公演終了しました🐁🐇 3年前(戦慄)初演の再演ということで、前はこうだったけど、今の自分はそう出来ないなぁという感覚を発見しながら 皆様のおかげで健やかにお芝居が出来ました また、いつか、どこ… https://t.co/biPduCW3HW

    1年以上前

  11. あたらしい朝 https://t.co/SOGk9nqAwM

    1年以上前

  12. あたらしい朝垣た

    1年以上前

  13. @CROSS_RAY_ レイさん、おはようございます♡ あたらしい朝が キターーーー❣️in?

    1年以上前

  14. あたらしい朝は、希望の朝。 みなさまおはようございます どうぞ今週も希望を大切に ぼちぼちいきましょうね https://t.co/iLhau7Wxe3

    1年以上前

  15. あたらしい朝ですね 病みあがりですが← ぼちぼち コロナややこしいね 風邪かどうか見極めも難し😂

    1年以上前

  16. あたらしい朝! おはようございまする!! 5/15(月) 行田の天気は ☔️のち☁️18℃/14℃ 本日は 今年で 埼玉には2チーム『浦和レッズ』と『大宮アルディージャ』の本拠地がございます… https://t.co/V6sBkTMq8O #Jリーグの日 #Jリーグ30周年

    1年以上前

  17. It’s Monday again… I hope it will Friday as soon as possible. あたらしい朝がきた、絶望の朝だ わたしはイッヌになりたい https://t.co/sgbXzjaU9w

    1年以上前

  18. おはようございます☀ あたらしい朝〜☕✨ 今日も、いいこといっぱい ありますように🙏😊💚🌹

    1年以上前

  19. |ミ˚ ヮ˚)˚⌒📢あたらしい朝がきた💨 三園神社は日の出を迎えたぞ🌅 今日のこのあたりの最高気温は20℃、 最低気温は14℃っぽいのじゃ🌡 May 15, 2023 at 04:36AM

    1年以上前

  20. うさぎストライプ『あたらしい朝』全日程終了しました🙌 ご来場頂きありがとうございました!またいつか、劇場でお会いできる日を楽しみにしてます。 https://t.co/KKJi38Ajg2

    1年以上前

  21. うさぎストライプ『あたらしい朝』葬儀のシーンが、先月のこまばアゴラ劇場での青年団主催の「志賀廣太郎 大塚 洋 お別れの会」が思い浮かんで来た。うさぎストライプと親父ブルースブラザーズの『バージン・ブルース』のことも。志賀さん、アゴ… https://t.co/9VDLxrIR5u

    1年以上前

  22. あたらしい朝 なにげに照明操作 江花さんだったんだな。。

    1年以上前

  23. 音声配信。独りしゃべり。こまばアゴラ劇場で拝見した、うさぎストライプという劇団の「あたらしい朝」という舞台の感想を話しています。 第93回「【観劇感想】うさぎストライプ『あたらしい朝』」 https://t.co/qrjVx8FAD7

    1年以上前

  24. おかげさまで無事終演いたしました👯‍♀️ さて、「夢先案内人」というお歌とともに登場させて頂きましたが、皆様どんな夢見心地(ご観劇体験)でしたでしょうか🪷? 会いたい人に会えなくて少し寂しい夜だったとしても、皆様の「あたらしい… https://t.co/SMXNqa6YFh

    1年以上前

  25. 東京少女からあたらしい朝の流れ最高すぎんか‼️😅🩷 #四季ツアー

    1年以上前

  26. こまばアゴラ劇場でうさぎストライプの「あたらしい朝」を観劇しました。 コラージュの様な不思議なシーンが続く中で「叶わなかった旅」の意味が浮き上がってくる。登場人物の明るさと仲睦まじさが切ない。そこにいない人との共生といる人の再生を素直に応援したいと思える芝居だった。

    1年以上前

  27. うさぎストライプ「あたらしい朝」で情報をゲット。この組み合わせ、気になり過ぎる。がっ、秋田と宮城(石巻)か、うーん… 一人芝居「ずんだクエスト」 作・山田百次 演出・二階堂瞳子 出演・菊池佳南

    1年以上前

  28. うさぎストライプさんのあたらしい朝をえんとろメンバーで見に行ってきた まじ好き https://t.co/CNclyf4eP9

    1年以上前

  29. 話題の公演 5.0(3) パルコ・プロデュース/夜叉ヶ池~5/23まで 4.9(12) 藤原たまえプロデュース/しあわせのかたち~5/14まで 4.6(5) アンティークス/愛と忘却と記憶~5/14まで 4… https://t.co/qwTyrLmzoY #東京観劇カレンダー

    1年以上前

  30. うさぎストライプ「あたらしい朝」をみました。生きていなくても一緒に旅に出られるよ、と改めて背中を押してもらい、それを堂々と受け取ることができた気がします。20代も後半になり〈死〉が以前ほど神聖で特別なものではなくなった?劇場を出て… https://t.co/71333iH3VT

    1年以上前

  31. うさぎストライプ『あたらしい朝』3回目なので、細やかな構成/設定が見えていて、そのシーンが持つ意味と、それぞれの演技の細やかな表情に感心しきり。皆さん本当に良いわ。千秋楽の観客の皆さん、反応が良くて客席も『あたらしい朝』と一緒に旅… https://t.co/waVzRQCBu8

    1年以上前

  32. @Houtoseiji あたらしい朝なんていらんよな おやすみ

    1年以上前

  33. うさぎストライプの『あたらしい朝』に登場するのです。 https://t.co/gMltUBkKct

    1年以上前

  34. さん作・演出『あたらしい朝』 にて観劇。ちょっと不思議な人達との旅。この数年で何かを失ったと感じる自分にとって、またその「何か」を探すために旅に出ようかと背中を押してくれる様な舞台… https://t.co/OjGU65Nwu6 #うさぎストライプ #大池容子 #こまばアゴラ劇場

    1年以上前

  35. うさぎストライプの『あたらしい朝』の戯曲を読みながら、当日券チャレンジへ。 https://t.co/lLVLmNZvr1

    1年以上前

  36. @uXsmpHQnmAV1FZz 子ども会で夏休みの朝ラジオ体操をしてたのですが、3年生まで数回しかしてなくて(コロナで)記憶がないと言った方が良いでしょうか...😂 私はあの歌までフルで歌えるのに~。あたらしい朝がきた~♪

    1年以上前

  37. うさぎストライプ『あたらしい朝』12日目、千秋楽です🙌 本日は14時から🕑 当日券あり〼🎫 どうぞ最後までよろしくお願いします✈️ https://t.co/9ms3o6ER92 https://t.co/IQRk5e3UOT

    1年以上前

  38. リュクソのあたらしい朝目覚ましにしたいくらい好きけど目覚ましにしたら嫌いになっちゃうからできない悲しい

    1年以上前

  39. \千穐楽ー!!!!/ うさぎストライプ 『あたらしい朝』 旅の終わりですよ。 おかげさまで14時千穐楽は完売御礼ですが、当日券はでるようです。 最後に✈️🐇ご一緒しませんかー? https://t.co/ZwUJj86DYd https://t.co/rDjhUTfLIh

    1年以上前

  40. あたらしい朝! おはようございまする!! 5/14(日) 行田の天気は ☁️ 19℃/14℃ 本日は 前玉神社境内にある花手水も、母の日バージョンになっておりまする♪こちらはテクノ・ホルティ園芸専門学校の生徒さん達が… https://t.co/fgU2C2np17 #母の日

    1年以上前

  41. |ミ˚ ヮ˚)˚⌒📢あたらしい朝がきた💨 三園神社は日の出を迎えたぞ🌅 今日のこのあたりの最高気温は21℃、 最低気温は16℃っぽいのじゃ🌡 May 14, 2023 at 04:37AM

    1年以上前

  42. うさぎストライプ「あたらしい朝」 初演の時より、年輪というか地層というか重なって、より多方面にフックができた感じと、でも少しずつのズレで不安定な感じは変わらず。 観終わって駅で電車を待つ間、初演の時とは違う思い。 みんなずっと穏やかでいてくれたらいいな。

    1年以上前

  43. うさぎストライプ『あたらしい朝』。 『みんなしねばいいのにII』ぶりになってしまったけど本当にこの劇団の作風が好きです。隠れファンです。観てない人に感想や内容の詳細を求められてもパッと答えられないのが不思議な魅力の一つだと思ってま… https://t.co/nxqGYpmiwf

    1年以上前

  44. うさぎストライプ『あたらしい朝』11日目終了しました🙌 そして明日は千秋楽、ありがたいことに予約は売り止めになってます🙇‍♂️ ふざけた旅路もあしたでおしまい、最後まで明るく楽しく元気よくいこう🚌💨… https://t.co/36QzGk3RcT

    1年以上前

  45. うさぎストライプ『あたらしい朝』 明るくファニィな迷宮のなかで追憶、悔恨、切実などの感情が絡み合う。軽妙な会話と巧緻なプロットで様々な別れを紡いだ、愛と孤独の快作不条理劇。陽性の器に其々の孤独を満たす役者が秀逸。別離を出発点に、改めて夫婦・家族の関係性を再発見する出逢い直しの旅。

    1年以上前

  46. アゴラでうさぎストライプ『あたらしい朝』。とても素敵な上演でした。出演者のみなさん、みんないい顔をしていた。旅から旅へ、シームレスに場面が移り変わっていくあたり、この劇そのものが誰かの見た不思議な夢のようでもあって、だからこのタイトルなのか!と観終わって腑に落ちました。(はやし)

    1年以上前

  47. うさぎストライプ「あたらしい朝」。劇団初見。とてもポップな雰囲気。ただ、意図的なのだろうけど、脚本・演出・出演者がとっ散らかってる印象。そのせいかメインの登場人物に感情移入しづらく、70分が長く感じた。仕掛けが多いわりに単調な気も… https://t.co/UMBqHGUUfH

    1年以上前

  48. →そのことをとても素敵だと思った。劇団ならではの作品だった。寂寞と孤独のある世界だけど、終演後は、不思議なくらい清々しい気持ちになれた。最後の瞬間、客席の自分は旅に合流してた。ヒッチハイクしてた。いくつもの、あたらしい朝に想いを馳… https://t.co/mqcswOmQX9

    1年以上前

  49. うさぎストライプの「あたらしい朝」を観劇。夢のような現実のような、想い出、後悔、夫婦、母娘…、様々なコトが重なりながら、留まることなく揺らいでいる何とも不思議な物語でした。この世を去る時に思い出すのは、誰とのどんな旅だろう…。… https://t.co/0GR0ZtfAC7

    1年以上前

  50. 続き→ 話題の公演 4.5(2) 株式会社ビーウィズミュージック/原色★歌謡曲図鑑~5/14まで 4.4(7) うさぎストライプ/あたらしい朝~5/14まで

    1年以上前

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