MOTHER 公演情報 MOTHER」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.5
1-2件 / 2件中
  • 満足度★★★

    ぷちひっと
    マキノノゾミ作ということなので
    観に行きました。

    作品そのものはマキノエッセンスがちりばめられ
    面白いです。
    シリアス、コメディ、愛情、それぞれを
    見事に描いてます。


    が、観に行ったのが初日だったためか
    カミカミが結構目立ちました。
    また、余裕が無かったのか、
    棒読みっぽさも気になりました。

    惜しいですね。



    あと、時間が正直長い。

    開演前にアナウンスが合った時何人かが
    「え~!」と声をあげてたのが
    印象的でした。

  • 満足度★★★★

    母なる大地
    評価の情報が少ないなか、あまり期待しないで行ったのが正に当たりくじだった!笑
    キャストらの演技もしっかりとソツなくコナシ職人芸の域。しか~し・・、上演時間2時間25分はちと長くないか?

    ネタバレBOX

    明治40年代は著名な文豪たちが活躍した時代でもあった。この物語に夏目漱石が登場してもおかしくないくらいの時代背景がある。

    近代女流歌人の第一人者・与謝野晶子と、その夫で同じく歌人である与謝野鉄幹は当初、夫婦としてのお互いの立場は守られていた。それは鉄幹のほうが歌の腕も経済的にも晶子より勝っていたという条件だったからだが、そうこうしているうちに晶子のほうが歌人として売れっ子になってしまう。

    夫婦の関係の機微というものは難しいもので社会的地位や環境によってもぶれてしまうのが常だ。ここでも晶子に仕事の依頼が増えると鉄幹は委縮し、卑屈になってしまう。それでも晶子は夫をたてて自分なりに愛し、鉄幹も自分なりに晶子を愛して止まないのだが、ここでは二人の夫婦の情景と二人を慕って集まってくる北原白秋・石川啄木・佐藤春夫ら文人たちとの交流と政治活動に身を投じた、大杉栄と平民社の菅野須賀子を登場させコミカルに描いていく。

    なかでも『元始女性は太陽であった』を書いた平塚明子(平塚らいてう)と晶子とのやり取りは、実に面白い。婦人解放を解く平塚と独自の持論を説く晶子のそれは心の解放という意味において晶子のほうが解放されているのかも知れない。

    包み隠さず何でも夫に話す直情型の晶子は、夫が晶子に隠し事をする事柄を「そんなのって夫婦じゃない。」なんて詰る場面もあるけれど、元々小さな水脈しか持ち合わさない鉄幹は敗北に似た感情を晶子に持ちながら、それでも、「こんなに美しい詩を書いて、こんなに素晴らしい女が僕の妻なのか・・、呆然としながらも誇りに思う。」と表現する。

    鉄幹はヒモのように家事をこなしながらも、晩年、晶子との間に13人の子を儲け幸せに暮らしたのだから、不倫の末の結婚とはいえ、その人生は豊かだったに違いない。

    序盤、鉄幹の吐くセリフの数々が美しい。その文体は脈々と流れる水のようで水面に映る数々の情景はキラキラと輝き透明だった。

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