寸劇役者に花道を 公演情報 寸劇役者に花道を」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    哀愁の中に笑いが紛れ込む
    なんだかいつも哀愁を感じてしまうLIVES。
    今回は、すべてがタイトルにある「花道を」ということで、有終の美を飾るような話が5本。

    ただし、単に終わりではなく、次に何かが来る予感も最後に必ずやって来る。

    ネタバレBOX

    器用じゃない普通の「人」の生活のターニングポイントが、にじみ出る哀愁とおかしさに彩られてじんわり現れてくるところがいい。

    「おじさん」たちを演じさせたら、このLIVESの右に出る劇団はないだろう。
    しかも、もれなく哀愁付きで。

    特におじさんメタルバンドの話がツボだった。
    いわゆるジャバメタ最盛期にいたバンドやそのメンバーは現役で残っている人が多いので、そんな人たちにダブって見えてきたり。
    今もロン毛だったり、短くしていたり、薄くなっていたり、シャープな体だったり、お腹が出ていたり、別人のような2倍増になっていたり。
    でも続けている。そんな姿がダブるのだ。

    スナックの最後の営業は、おじさんたちの話よりも、バイタリティを感じた。女は強しというところか。

    ボクシングの話は、名作『Dear My Hero』のあらすじ版のようだった。あまり成績を残せなかったボクサー最後の試合に気を遣うジムの人々、かつての同期の男、ボクサーの彼女(だった人)、そして、ガウンのエピソードまで。なぜここまで同じ話をここに入れたのかは不明だが、笑ってしまった。これが原型ということなのだろうか。

    ラストの話は、ちょっとあざとい感じがしたが(女の子が看護師になるところまでのすべてが)、まあOKだろう。・・・って何様のつもりか(笑)。笑いがきちんと織り込んであるし。
  • 満足度★★★★★

    くそっ、泣かされっちまったぜ!!
    緻密な筋書き、抑えた演技で笑いのツボをくすぐるコント5作品。どれも秀逸でしたが、今回は涙の糸もかき鳴らしてくれました。サイコーでした!!

    ネタバレBOX

    オーディション風景を描いた「不知火」、引退するボクシング選手の控え室「ファイナルラウンド」、閉店するスナックの最終日「宴」、解散するハードロックバンド「エンジェルデビル」、癌患者と少女の交流を描いた「寸劇役者に花道を」の5本。

    花道…、何にでも終わりが来る。様々なシーンにおける最後の花道を表現したオムニバスコント。

    と高をくくっていたら、最後の入院患者と少女との交流では、『ガマ王子VSザリガニ魔人』でも泣かなかった私なのに、緻密な誘導の前に完全に泣かされてしまいました。お見事!!

    作家さんは水商売やボクシング業界に詳しいので、とにかく緻密なところが素晴らしい!!
  • 満足度★★★

    集大成なのか?
    [Dear My Hero][ROPPOHGI NIGHTS]と重なる部分はあるものの、全体的に楽しめた。LIVESの公演は殆ど観続けてきたものだから、過去に公演した作品を一部でも再演されると、ワタクシとしては興味が削がれてしまうのは否めない。石橋のかちゅぜつが問題。会場は大入り満員でパイプ椅子が出るほどでした。

    以下はネタばれBOXにて。

    ネタバレBOX

    「不知火」
    映画「メモリー~失いたくない記憶~」の長澤まさみの恋人役オーディション会場にやってきたおっさん!履歴書もイケメンの写真も偽っての面接だった。面接官ははなから「こいつはダメだ」と思ってそれを言葉にしているのに、食い下がる己を知らぬおっさん。


    「ファイナルラウンド」
    Dear My Heroと殆ど似ている。引退試合をする弱そうなアマゾン長崎選手の為に、アマゾンが好きだというみさちゃんを会場に招待したが、当のみさちゃんが来られなくなってしまった。会長は、アマゾンのファイトを気落ちさせない為にそのことをひた隠しに隠して嘘で塗り固めるも、結果ばれてしまう。今度はアマゾンにガウンをプレゼントしたものの、バックのロゴが「長崎チャンピオン」ではなく「長崎CHANPON」と美味しい名前にミスってあった。もう最後には戦う気力を失くしたアマゾン長崎を担いで会場入りさせるというブラックコメディ。


    「宴」
    今日で閉店するというナイトクラブのホステスらの生き様を描いた作品。ここでのウエイターが小澤真悟。頭のてっぺんを剃りあげての意気込み。笑
    その剃り方がサゴジョウのごとく縦剃りなもんだから、気合は入ってるものの、哀れというよりおっさん化現象!笑


    「エンジェルデビル」
    閣下のような悪魔のなりしたトウのたったロッカーが引退を決意するも、賑やかな女子ファンにもてはやされて己の実力を忘れて引退を取りやめる。しかし、一人のロッカーの恋人の両親が公演を観に来たから、さあ大変。そこから始まるどたばた騒ぎ。夢と現実の葛藤。笑


    「寸劇役者に花道を」
    前回の「寸劇役者に花道を」のガン病棟での再演。これは何度観ても涙が流れるが相変わらず、山田のクソ爺ぶりがドウに入ってる。山田ほどに爺役をやらせたら右にでるものは居ないと思う。



    下北沢でたまに会う山田は腰の低い好人物だ。大浜も素で見るとひじょうにカッコイイ。しかし、彼らは舞台に上がると汚い爺に変身しちゃタリ、イカレタおっさんに変身しちゃうのだから、役者というのはつくづく面白いと思う。役者の醍醐味はこうして様々な人物に化けられるということだと思う。きっと普通の人の何倍も苦労はあるのだろうけれど、何倍も楽しんでるんだろうなー。とも思う。
    全体的に前作の「寸劇役者に花道を」よりは笑いは少ない。前作があまりにも最高傑作過ぎたのだ。

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