満足度★★★★
さあ、お代は観てのお楽しみ、でも先払い、返金不可♪
進化の袋小路という言葉が思い浮かぶ。現代口語演劇のガラパゴス。はたまた、手足をもがれながら、それでもなおこれは退化ではなく進化だと、蛇を指差して語るさまは、あたかも、大きな板に赤い文字で「大イタチ」と書いて客を湧かせた江戸の粋のよう。まったく違うかも(笑)。
満足度★★★★★
上手くセカイを泳げないひとたちへ。
へぇーそうなんだーふーん。と一応納得してはみるものの、だから何?って疑問ものこる、うんざりするほどほんとうにつまらなくて誰のために世界は回っているのか。っていうことと同じくらい無意味な疑問や単語や呟きが、コミュニケーションの微妙な隙間を埋めるようにあっちこっちでひゅんひゅん飛び交う。飛び交いすぎてもう何言ってるか全然よくわかんない。
同じツール(言語)使ってるはずなのに、何か自分今、すごい喋ってるはずなのに、何でこんなに伝わらないの。何かを普通に伝えたかっただけなのに、全然普通につたわらない。
そんな、誰でも知ってるもどかしさ。とか言葉にすればするほど嘘に近づいていくような感覚とか、ていうかソレ言ったらもう何もかもおしまいじゃん。っていう関係性の究極とか、人がただそこに存在しているだけでどれだけ価値を見いだせるのか、ってことについて、悲しいくらいに切実過ぎる話だった。
生きにくさを全力で受け止めきれなくなっているひとなんかはもう絶対行った方がいい。
もうすぐ終わってしまうけど。駆けつけて行く価値は確実にある。
満足度★★★★★
クセナキスの不安と苛立ち
クセナキスの曲を、少し大きめのボリュームで聴きながら劇場にやって来た。
舞台で話される「音楽家の高橋さん」の妹のアキさんの演奏によるCDだ。
舞台の幕が開く。
そこには、とんでもない台詞のアンサンブルが聞こえていた。
あえて、クセナキスと比べる必要もないのだが、その緊張感の濃度は等しい。
台詞が、きつい。
研ぎ澄まされた鋭い台詞の音色。
素晴らしい舞台。