血の婚礼 公演情報 血の婚礼」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.6
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    綺麗な芝居だよ。
    今時、このような芝居は日本では流行らないわよねきっと、でも、わたしはは好き。
    いや好きな人も沢山いるはず、そんな人に是非観てもらいたい。
    何ていったって集団劇としての質が高いと思う。
    「血の婚礼」がこんな話だったとは、戯曲を呼んだ印象とは良い意味で違ったし、歌が沢山効果的に歌われていた。歌の詩はロルカの詩だったのかしら?意味的に分からない所もあったけど、何故か納得させられてしまった。
    全編、煌々と照らす照明の中で、死と血の匂いを漂わせながら重層的に悲劇へと突き進んで行く、その計算された陰影は見事。
    夜の森の場面が印象的で綺麗で深い海に沈み込んでいくように深かった。
    月が張り巡らせた赤い糸に絡み付く、花嫁とレオナルドとの適わない恋が無性に切なかった。
    ラストの歌で母親が歌唱い出したとたん涙が止まらなくなってしまった。
    役者達の演技と演出と音楽、全てわたしの観たかった芝居だった。
    これからもっとも期待したい集団の一つになった。

  • 満足度★★★★★

    わたしのお気に入りの一つになる芝居でした。
    わたしの好きなロルカの「血の婚礼」を重く切なく、そして鮮やかに演出されていました。
    アンダルシアの渇いた大地とそこに生きる人間の悲劇が、とても丁寧に描かれて感動しました。
    元々のスペイン語が持つダイナミックさをどうアプローチするのか興味がありましたが、人間ドラマとしてしっかり仕上がっていたとのと、死を暗示する月と死に神のダンスが効果的で、とくに夜の森の場面をきちんと成立させていたことに驚きと感動を頂きました。
    役者さん達も難しい芝居に挑む姿勢が気迫として伝わってきました。

    特に新井純さんの、恨み戦い続ける母親の姿と残された息子に対する愛情が笑顔一つ作らずに表現していて、同業者として敬服致しました。

    婚礼の席から男と逃げた花嫁と、息子を殺された母親とのラストシーンは説得力に溢れ、男性の論理ではなく女性が持つ生きる力を感じ、そして花に埋もれて運ばれてくる男たちの死体は哀しくもあり、不思議な思いに包まれました。
    馬や黒い乳母車など原作にはないのですが、シンボリックで効果的でわたしは好きでした。

    やはり重厚な生演奏は良いですね。
    演劇はこうでなくちゃあと思ってしまいました。
    皆さんご苦労様でした。
    とても上質な芸術的な芝居を見せて貰い感謝します。

  • 満足度★★★★★

    大変すばらしかった。
    ウンプテンプ・カンパニーの「血の婚礼」を観てきたが、生演奏の迫力と細かい演出に魅了された三時間だった。
    ベテランの役者陣も若手も、この独特の世界を醸し出す演技には目を見張った。
    舞台は闘牛場を思わせる手の込んだもので、そこで繰り広げられる、血を巡る話は、重層的に語られシンボリックに描かれていく死への暗示は、詩的でもあった。そして若い小劇場の芝居にはない重厚感は、交響曲でも聴いているように感じられた。
    この手の芝居は今やお客を選ぶだろうと思うが、軽くお手軽なデート気分で観る演劇では決してない事だけは確かだ。
    そうした芝居が多い中で、ウンプテンプ・カンパニーにはがんばって欲しい。
    歌声がもう少し客席に迫ってくるとなお良かった。
    「贅沢な芝居」と銘打っていたが、その言葉には偽りはなかった。

  • 満足度★★★

    もし、満月が銀色の太陽だったら。
    心の夜を照らす、その冷ややかな輝きの中に絶えず燃える火がたぎってい、近づけばその炎で必ず人は焼かれよう。

    ネタバレBOX

    1幕は、血の因縁が分かりにくい、歌が耳に言葉が頭に入ってこないのでとても不安に感じていましたし、2幕の幕開けがいったいどうなるのやらと心配しましたが、それもこれも終わりよければ総て佳し。
  • 満足度★★★★★

    切なくて
    音楽劇と銘打っったとおり、
    ピアノ演奏に
    バイオリン、コントラバスの三重奏。

    そして見終わったあと、
    いつも身を焦がすように切なくなります。

    胸が苦しいのに、離れることのできない、
    恋のような、
    大事な誰かを亡くしたような、
    いろんな思いがないまぜになり、くせになっちゃう、素敵な公演です。

    お時間ある方はぜひ。
    チケットまだとれるんです!

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