満足度★★★★
ほとばしる熱いパトス
人口の増加によりマザーコンピューターに選ばれた者は HEAVEN という施設で「処理」され、人類もそのことについて特に疑問を抱いていない、という若干の既視感を伴う「暗い未来」譚、「回答を与える」タイプではなく「問題を提起する」タイプということもあり解釈(深読みや誤読も含む)の余地が大きいのが面白い。
たとえば主人公を追う黒い影たちは死の象徴で実体はないのではないかとか描かれている「未来の人類」は管理されていることに何の疑問も持たない現代の人々にも通ずるのではないかとか観ながらいろいろと想像をふくらませてしまう。
若干粗削りな部分もあったものの、「熱いパトス」が伝わってくるような感もあり、そんなに急がなくても良いので次作もいつか観たい、的な。