満足度★★★★★
戦後の日本というもの
終戦直後の最も混乱期というときに、この緩さなのか?と
はじめ躊躇しましたが、ぐいぐい引き込まれるストーリーに
そんなことも吹っ飛んでしまいました。
とにかく会話が素晴らしい。それぞれの役柄が誰であるという
説明も一切なく、終始 大人数が舞台上に揃っているのに、
混乱させられることもなく、存在の意味を納得してしまう。
時代錯誤だなんだと言われ続けている、現在の日本国憲法。
確かにそれは否めないが、制定したあの時代、敗戦直後の
日本人が、いろんな気持ちを押し殺し、未来へ期待を込めながら
推し進めたのは事実。
このお芝居はフィクションですが、そういう「人の気持ち」に
気付かされた作品でした。これは本当に惜しみない拍手!
満足度★★★★★
井上ひさしが見たら嫉妬する傑作!
初めて見た44プロデュース。非常に良質で誠実な芝居作りをされていてとても好感。再演ものらしいが、確かに素晴らしい作品だった。12人の怒れる男、12人の優しい日本人へのオマージュもあって書かれた作品だろうが、この作品はそれらと同等の魅力のある非常に良質な台本だった。
名うての役者、特に女優陣の素晴らしい活躍によって珠玉の作品は非常に完成度の高いものになっている。福島まり子と種子のものすごい女優対決は最高に面白いし、井上カオリは今までのどの作品よりも素晴らしい。江原里実が手堅く自分の役割を演じきり、小山萌子がいつもながら見事に演じる。男優では佐藤正和(ブラボーカンパニー)が出色。芹沢、大出、白井、そして44北川も素晴らしい。
井上ひさしが見たら地団駄踏んで悔しがるだろう。正直、昭和三部作と匹敵する作品であり、1本の作品で井上さんが描きたかったことを描きっているのだ。超オススメ!
満足度★★★★★
踊る会議で日本国憲法を考え、コトバの力を信じる
再演ということらしい。再演するだけあって、とてもよくできた話だと思う。
リズム感があり、うねりがある。
観ながら日本国憲法について、もう一度考えようという気にさせる。
役者のキャラクターもはっきりしていて、わかりやすい。
各キャラクターについてくどくど説明しないところもよい。
たっぷり楽しんだ110分。