満足度★★★
姉と弟の会話が白眉
弟と二人暮らしをしている姉のもとに、弟の勧めに従って家出した小学生の担任教師と父が押し掛け…という状況から始まる物語で、前半がコミカルで後半があたたかいという構造。
娘を心配する父(上瀧昇一郎)の姿に、認知症となり田舎暮らしをしている父のかつての面影を見出した姉(岡部尚子)と弟(平本光司)の想いがにじみ出る会話が白眉。
その前の会話で父は存命ということは薄々想像はついていて「あ、やっぱりそうか」と思わせるが、それを明かした後にこれ、という二段構えなのが巧み。
また、最後の台詞が「いってきます」で、風鈴の音で全体を締めくくるのも巧い。