満足度★★★
脚本自体に弱点アリ
94年12月に本多劇場で加藤健一事務所による上演を観て以来で詳細はほとんど覚えていないので確証はないが、若干の時事ネタは入れたものの大きくアレンジせず、「翻訳戯曲っぽさ」まで残した演出はむしろ基本に忠実と言えるか?
ただ、演出や役者の責任の範囲外である(プロデューサーの責任ではある?)脚本自体の弱点として、明暗を逆転させて暗闇での出来事を活写するというアイデアに溺れて肝心の本編ストーリーがおろそかになったことは否めず。
たとえばレイ・クーニーなんか同じ設定で書いたら、スポンサーになりそうなバンベルガーが来てからの売り込みに一番重点を置き、ロンドン電力の担当者をバンベルガーと勘違いするところや暗闇の中で勝手に借りた家具を戻そうとするところに次の重点を置いたであろうところ、本作の場合はバンベルガーなんてホンの添え物程度で済ませてしまい、なんだか終わり方が中途半端…。
とはいえ、そんな中で上田郁代の小悪魔っぽさ(ハマリ役気味?)と、下手側の壁にかかっていたボッシュあるいはエルンストあたりを想起させる油絵や仏像、オブジェなど、前衛芸術家の部屋らしさを感じさせる美術が特に印象に残る。
で、この上出来の美術、後で訊いたら佐藤秀樹によるものとのこと、そんな才能も秘めていたのか…。
いずれにしても、今後も機会があればレイ・クーニーの作品群とか、あるいはアイラ・レヴィンの『デス・トラップ』などに挑戦していただきたい。
満足度★★
black を観た
明暗の1アイディアを取り去った時、何も残らない。
主役は滑舌が悪く、笑い担当の男性陣はつまらない。笑わせようとする思いが透けてしまっている。女性陣の力が目立つが、それだけで面白くなるわけもなく。
日本人向けにするなら、笑いのネタのみならず、リアクションをもっと抑え気味にするとか、そのあたりの工夫がいると思う。チケット代も高い。
満足度★★★
暗闇が明るくて明るいときが暗闇
最初BLACKBLACKのように真っ暗闇の中で芝居をするのかと思ったらそうじゃあなかった。
殆どが明るい舞台での芝居。そうじゃあなきゃつまんないよね。
以下はネタばれBOXにて。。