満足度★
スパイに見えない。
シンプルな言葉の交換は、見えないものをいかに妄想させるかが作品の出来を左右する。平田オリザさんの戯曲は、演者にとってそう容易くはない。それにしてもキャリアのある俳優陣が、あれだけ読めていないのは残酷なことだ。
たとえばサイレント部分が毎回、その一瞬前と繋がっていないので、事前に演出されているのが伝わり興ざめしてしまう。初歩的な欠陥と言わざるを得ない。
役作りもしかり。そもそもスパイに見えない。軽さがあってもよいが、それは裏打ちされたものだ。観客としてなんとかその世界に入ろうと試みたが、雑な空間に諦めた。1時間の辛抱だ。
満足度★★★
スープの味付けは、ちょっと不条理
先日観た『ヤルタ会談』もそうだったけど、今回もその設定だけで面白いって思ってしまう。
シンプルな、あっさり風味なのに不思議な味わいがある。
満足度★★★
企画自体に圧倒される
20年という時間が込められた今回の上演。
19年前に書かれた戯曲を、オリジナルキャストで再演。
しかも戯曲を書いた平田オリザさんが改変して、演出するのは27歳の柴幸男さん。オリジナルの戯曲が書かれた時のオリザさんの年齢。
演じる役者は50代と70代。
ベルリンの壁崩壊から20年後の、旧東西のスパイがイスタンブールのレストランでスープが出てくるのを待つ話。
ただそれだけなのだけど、やはり時間の重みというものを感じずにはいられないのでした。
満足度★★★★
老後の風景
舞台は廃墟のような海辺のレストラン。そこに20年前に旧東側のスパイだった男と旧西側のスパイだった男がスープを作りながらの会話劇。
以下はネタばれBOXにて。。