満足度★★★★
騙される快感に酔う
舞台上、左右対称に(しかし90°くらいの角度をもって)位置する安アパートの2つの部屋で繰り広げられる振り込め詐欺をする女と1億円を拾った男のストーリー、コメディタッチで始まりながらも次第に「ヤバめ」な空気も漂い、2つのストーリーの関連は何か?という疑問の回答は最後に明かされるというスタイル。
最初は同じアパートの隣か向かい合わせの部屋での同時期のことかと思わせておきながら終盤で時期が異なることを示唆し、さらにそのスパンがかなり大きいことを明かす終わり方が鮮やか。
そこまでに観客にミスリードさせるあるいは観客をミスリードする要素をさり気なく織り込んで煙に巻くのがお見事。
σ(^-^) なんざそれぞれの部屋の 男女が元夫婦であるとすっかり騙されており…ってか、おナカマは少なからずいることでしょう。
とはいえ、時期がそんなにも違うのに両方に登場する人物が同じ顔で出て来るのは反則気味では?(笑)
終盤の「オバサン」発言だってその時は「へ?」で、その後真相が明かされてやっと「それで “オバサン” だったのね」とわかるくらいで。
とかなんとか言いつつも騙される快感と言おうか、最後に「あぁ、そうだったのかぁ!」と気付く快感と言おうか、そういったものを満喫。
満足度★★★★
外れがないなあ
舞台は左右対称の古いアパート。
ぎくしゃくした違和感は、話が進むにつれて徐々に明らかに。
ブラジルらしい、ギミックとシンクロをふんだんに含んだ脚本。
すっかり引き込まれてしまいました。信國さんがいいなあ。
満足度★★★★
色気と狂気
辰巳さんとは面識があったが、生ブラジルは初めて。
作劇はふつうにうまい。役者はみんな素晴らしい。とくに堀川さん。これまでほかの舞台で見てたけど、こんなに女っぽい人だっけ。キーマンとなるにふさわしい色っぽさと狂気。堪能させていただきました。
満足度★★★★
お気に入りの作品
舞台セットとして、共同アパートの部屋がカミテとシモテにどかんと2部屋据えられています。
とても観やすいように設計はされていますが、席は、あまり前過ぎるよりも、真ん中くらいの方が、視界が良好かと。指定席だからいかんともしがたいのですが。
オチのないまま終わるのか?と思ったら続きがあり。。。
すべては伏線だったという話。
さすがブラジルだな、と。
満足度★★★★
骨格を隠す質感、浮かび上がらせる力
ひとつずつのシーン、
いろんなものが詰まっているのに、
くっきりとシンプルに感じられる。
その力に押し切られて
曖昧な部分の苛立ちが
観る側の意識の底に沈んで・・・。
終盤に物語の骨格が浮かび上がって
もやもやした感じが霧散するとき
いろんな感覚が一緒にサルベージされて
ぞくっときました。
満足度★★★★★
構成が見事!
笑いに包まれながら、少し怖いシーンがあり、しかも最終的にはびっくりさせてくれる。たっぷり楽しませて作品がよく練られ、構成が見事だ。ブラジリィ・アン・山田の術中にはまってしまった。