グァラニー ~時間がいっぱい♥KR-14【神里雄大】 公演情報 グァラニー ~時間がいっぱい♥KR-14【神里雄大】」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★

    気持ちいい
    自伝的な要素が強い様に思われる作品。
    画面の作り方、せりふの言い方、飽きさせないような工夫がたくさんあって、面白かった。
    一度でも転校生になったことのある人には、あの仲良くなり始めの微妙な距離感がよくわかると思う。
    以下ネタバレ

    ネタバレBOX

    主人公のお母さんの髪を振り乱して、必死になって、娘に諭すシーンがすごく良くて泣きそうになった。
  • 満足度★★★★

    わからぬ。
    神里雄大は実際にパラグアイに住んでいた時期があり、
    本作はどうしても自伝的要素を期待するし想像してしまうだろう。
    そこを巧くミスリードを誘って、偽サーガを形成したことがツボにはまった。
    自伝からサーガに飛ぶ時は、まさに離陸する感じすらあった。

    俳優陣ひとりひとりにあからさまな見せどころがあり、そこも面白い。

    前作『リズム三兄妹』が肌に合わず、本作に妙な面白さを感じ。
    この人、よくわからぬ。

  • キレなかった14才りたーんず『グァラニー ~時間がいっぱい』を観た
    事前情報ほとんどなしに観たが面白かった。

    話のベースは主宰の自叙伝で、
    異質に対する排他と異質自身の排他されてる感を楽しく魅せていた。

    衣装をスクリーンに変えるアイディアも良かった。

    正直とかく映像が流れる芝居が多い今、映像に飽き飽きしていたが、
    背景映像とシンプルなマイムのシーンがすごく良かった。
    映像のポップな軽さと役者の楽しげな表情がマッチしてたからかな。

    あと高須賀千江子さんと上田遥さんという2人の女優さんが素敵だった。
    2人とも綺麗系だが、
    みじめな状況でツバを飛ばしながら必死な形相としゃべりで、
    元の容姿を忘れる位よかった。(本心からの褒め言葉なんで誤解せぬよう)

    もしかして有名なお2人かもしれないけど、オレは初めて。
    いい役者さんってまだまだ一杯いるんだ、と思った。

  • 満足度★★★

    つながる家族
    何世代かにわたる家族の話ですが
    素直に観てしまったので、
    あまり深く読み解けず。残念。

    それでも楽しめるいい戯曲でした。

    6作品中、1作しか観られなかったのが
    悔やまれる。。。。

  • 質感が心に残る・・・
    観終わって、舞台からやってくるものに、素直にまっすぐ心を浸潤されたような気がします。

    ネタバレBOX

    仕事をさぼった喫茶店で思い出すパラグアイのこと、エピソードがかもし出す質感が、まっすぐに伝わってきます。

    決してカッコ良いばかりことばかりではないのに、心から離れない記憶達・・・。

    後半パラグアイから日本にやってきた女性のエピソードにも、心を揺さぶられて・・・。

    心に残る作品でありました
  • 満足度★★★

    愛らしい
    神里さんの作品は「三月の5日間」「リズム三兄弟」を見ていたので、もっと変わったアプローチで来るのかな、と思ってました。
    でも、思いの外繊細に描かれた戯曲と演出。

    「14歳」というキーワードよりも、転校して初めて異文化に触れた時の違和感や悩み、疎外感といったものが丁寧に描かれた素敵な作品でした。

    ネタバレBOX

    前半はかつて父親の仕事の都合でパラグアイに越していった男性が、その当時を思い出しながら語る。

    語る訳だから当然モノローグが大半になるわけだけど、これが厳しかったです。
    ちょっと役者さんの負荷が高かったのと、役者さんのひとり語りにそれだけの長い間惹きつけるだけのものがなかったので、かなり飽きてしまいました。
    「チャコ」の話とか、部分部分面白かったし、オープニングで女性たちが着ていた白いドレスを広げてスクリーンにして映像を映す辺りは面白かったけど、演劇的な面白さではなくて残念。

    でも、宇田川さん演じる少女がパラグアイから帰国してからの後半の話はとても繊細で、神里さんの作品を見ているのではないような、しっとりとして穏やかな感じが良かったです。
    ここでもやはり独白が多いのだけど、ここではそれが全く気にならなくて、コミュニケーションの難しさや疎外感が丁寧に描かれていて、それでも叱咤激励する母の姿が力強くて、素敵でした。

    後半の作りで前半も構成されていたら満点の舞台だったのだけど、前半の退屈さが勿体なかったかな?
    前半、後半で話が大きく断裂されすぎているのも気になりました。
    前半が「パラグアイへ転校した少年」、後半が「パラグアイから転校してきた少女」と構成はわかるのですが、それならカラーも統一して欲しかったところでした。
  • 満足度★★★★

    運ばれてきたお茶は、温かく、優しい味だった。
    この企画の4作目にして、はじめて、14歳だった頃のことが甦ってきた。
    けっして、
    パラグアイからの帰国子女で、日本での人間関係に齟齬があった、
    なんて体験はまるで自分にはないにも関わらず。
    そうそう、他人と自分との境界や差異がはっきりしだした頃だったんだよなあ~

    しかも、中盤以降に炸裂する、“全身を使った饒舌な話法”が魅力的すぎで!
    いやいや、伝えようとする力がとてつもなく強い作品、だったのだと思う。

    ネタバレBOX


    最後、
    それまで描かれてきた時間(親子三代)と空間(パラグアイと日本)が重なりあうとき、
    おそらくは“腕によりをかけて作られた”とおぼしきパラグアイ料理の入った、なんの変哲もない、というかどこか懐かしい感じの「鍋」が持ち込まれた瞬間、
    思わず、胸が詰まる。
    さらに直後の、“友愛の証”でもあるマテ茶を飲むシーンが駄目押しで…。

    かなり、こころ揺さぶられました。
  • 満足度★★★

    パラグアイチルドレン
    しかし・・・なんだってアゴラの椅子は座りにくい。まるで幼稚園生が座るような椅子の高さ。そんな子供サイズの椅子に大の大人が座るのだから、なんつったって腰が痛くなる。なんとかなんないのかなー、コレ。椅子だけ変えるとか考えて欲しいです。毎回覆う事だけれど。

    舞台はパラグアイからやって来た思春期時の少年の思い。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    セイヤ!セイヤ!の掛け声と共にウエディングドレスをイメージした女性6人が舞台に登場した時には本当にワクワク。何が始まるんだろう?って。
    そのうちサラリーマンらしき男性が登場。

    町田の喫茶店でサボりながら妄想にふける。これが現実の今で、過去の出来事やパラグアイに住んでた時代の風景とリンクする。

    本来ならこのままのリズムで走って欲しかった。しかし、中盤にそのリズムは止まる。

    14歳の頃、日本にやって来た少年は他者と人間関係の構築の難しさを知る事になるが、一方でパラグアイの素晴らしさも語る。たぶん、パラグアイがすきなのだと思う。そんな郷愁を絡めながら、妄想の中で20代の遊び盛りの母親を登場させるなどお茶目な部分も覗かせる。
    今の自分を形成したのがパラグアイ時代なら、初めて日本に来たときの、日本人の塊(集団意識)には驚いただろうし、その風景も真紀という女性で表現させる。真紀の同僚たちが固まってコソコソとしながら興味本位で異人に近づく様子は可笑しいくらい面白く表現する。

    人間関係は何処の国に行っても何処にいても自分次第の努力が実を結ぶ。
    だから、真紀の母親が言ったセリフがジーーン・・・と沁みる。
    あのセリフに作者の苦労を垣間見たような気がして沁みる。

    全体的にトロピカルな音楽に乗せてパラグアイのパラダイスな情景も演出したかったのだろうが、見えにくい。
    物語りも中だるみがあり作本のツメの甘さも感じたが、それなりに楽しめる。

    他の作品も観てみたいと思う。

  • 満足度★★★★

    異文化からやって来る14歳
    『リズム三兄妹』を観た私としては、なんていうか、もっともっと過剰に変な感じを予想していたのだが、それはいい意味外されて、普通に見入った(普通・・・ではないかもしれないが)。
    最初は、一体どうなるものかと、ちょっとハラハラしたのだが。

    結果、作者の自伝的要素が練り込まれた舞台になっていたようだ。

    「14歳」という共通テーマから受けるインスピレーションは、たぶん、作者たち個々人の14歳に光を当てることになり、他人事では済ますことのできない内容になっているのではないだろうか。

    ネタバレBOX

    パラグアイに住んでいたときの思い出、そしてパラグアイから来た少女、それらを通して語られるのは、異文化からやって来るときに訪れる、コミュニケーション・キャップ。それは、言葉が通じるだけに、逆に深いものがあるのだろう。

    コミュニケーション・キャップは、他の国との間だけに起こるモノではない。
    つまり、14歳ぐらいというのは自意識過剰だったりするので、ある意味、個々人の中にある「異文化」から、世の中にやって来ることになるとも言えるだろう。
    14歳ぐらいのときは、同じ場所に住んでいたり、同じ日本人だったり、もっと言えば、家族だったりするにもかかわらず、コミュニケーション・キャップが生じたりする。

    それを解きほぐす方法は、自らの熱心な働きかけしかないのだということを改めて見せつけられた気がした。
    とても真っ当なすっきりした内容だったと思う。
    しかも、希望さえちょっとある。

    ま、14歳頃の自分を考えると、そんな前向き、外向きな考えには絶対になれないし、なろうとすら思わなかったけどね。

    だから、
    勝手な想像だが、作者自身の体験としては、ラストの母親の言葉のように、そんなにうまくコトが運んだわけではないのだろうと思う。
    「あのとき、ああすれば」「もっと早く気づいていれば」という後悔の念がこの舞台を作らせたように思えるのだ。すっきりしているだけに。

    舞台では、パラグアイから来た母娘、結婚してパラグアイに行く花嫁の3人の演技が心に残った。

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