1月も観ます!
今度はハムレットを。銀河鉄道の夜は本当に秀作でした。
「いや~、原作のほうが良かったね。」小説が映画や芝居になった時、観客がよく口にするセリフです。
原作から芝居になるまでの工程を考えれば、これは自然のなりゆきですよね。芝居には脚本が必要なので、その脚本を起こす作業からして、原作を批判するところから出発するでしょう?
題材やテーマはいいのだけれど、芝居的な空気が足りない。だから、そこを批判して変えていく。出来上がった脚本を今度は監督の立場から批判して変え、補う。すると今度は演出を批判、役者のセリフを批判、こうした何段階かの批判作業が冒頭の言葉に繋がっていくと思ってます。
原作は素晴らしいのに、出来上がってみると、そこには原作が追求したテーマなど跡形もなくなっていた。って事はよくあります。
しかし、前回観た『銀河鉄道の夜』はこの童話に作家がどんな思いを託し、何を描こうとしたのか・・そこを外さず、きちんと根幹もおさえ、芝居的な変更を施したとしても作品の本質が損なわれることのない芝居でした。
付け足されたり、変えられたシーンは、むしろ作家が描かなかった部分を説明し、原作の空気感を舞台と言うキャンバスいっぱいに再現してくれました。
作家の思いを尊重する姿勢には共鳴し感服しました。素晴らしかったので、次はハムレットを。回数券を購入して観ます。