アミナダブ 公演情報 アミナダブ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-2件 / 2件中
  • 200903081500
    200903081500@シアターバビロンの流れのほとりにて

  • 満足度★★★★

    びくぅっ!
    心臓が止まるかと思ったくらいの仰け反り。
    人は本当に驚いた時は声は出ません。その代わり椅子から体が10cmは浮いた!あなおそろしや・・。


    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    生と死を題材にあの世に居るはずの女性とこの世に存在する男性との会話劇。

    生きようとする強い力、凄まじい意思によって一度は死んだその女性が再び甦り、一人の男の一生を飲みつくしてしまうほどの事件は荒涼とした町で起こった。そんな生霊と蜜月を過ごした男の一瞬だけれどとてつもなく長い時間。

    女は「貴方がおいでになるときは私の全ての呼吸を残しておきます。」と告げる。脈拍は砂のように乱れ散りながらも生きようと激しく願い、死んでしまった女はその後も男にぴったりと寄り添う。悲しみに満ちた影のように・・・。

    舞台は音楽の導入も無く静かに、静かに流れていきました。現代能とでもいうような舞台の流れに、観客は咳き一つ許されないような幻想の世界に引きずり込まれていきます。

    空間を漂うようなその言葉はある意味、凄まじくも美しい、まさに夜叉の顔を想像して、白い石膏で固めた能面は、見方によっては満足げにうっすら笑い、見方によっては冷酷なのでした。

    そんな神秘的な世界でいきなり女が地の底から這い出てきたような声で「触るな!」と叫んだのです。

    その刹那、ワタクシは椅子から転げ落ちるほどびっくり仰天したのです。

    めくるめく幽霊の世界!あんな恐ろしい化け物は現世では見た事がありません。耳に残るその叫びは恐ろしさのあまり、オモチロイどころかぱちんと緊張の糸が弾けそうになりました。全身全霊という言葉はこんな場面で作られたのでしょうか、ワタクシは目を白黒させながら椅子に座ったまま、身体を斜めにして見入っていました。それでも舞台は続きます。

    一種不思議な荘厳さがあたりを包み、もう気が気ではありません。一本の針が地面に落ちる気配も見逃さないゾ。その位神経を張り詰めなければ生きてここを出られません。そんな気配を知ってか知らぬか、やがて舞台というものは必ず終わりがあるものです。

    ほっとしたのもつかの間、今度は暗い夜道をはるばる帰らなければなりません。そこで考えた!ない頭を絞って考えた!

    帰り道が解らないふりをして一人の男についていく事にしたのです。駅までの道のりを何とか一人にならずに親切な用心棒をゲットしたのです。そんなこんなで、ぱたぱたと歩いていたら、バスの待合に二人の人影が・・。
    なーんだ、駅まで歩く事ないじゃん!こんな考えが脳裏をかすめ、「あっ、ワタクシ、バスに乗って帰ります。」とあっさり用心棒を離してバスに乗ったのでした。めでたし、めでたし。



このページのQRコードです。

拡大