遠雷にも似た

遠雷にも似た

くロひげ(神奈川県)

公演に携わっているメンバー:6人

団体紹介
​2005年の旗揚げ以来、横浜を拠点に活動。主宰は置かず、メンバー間のディスカッションを基本に創作を行っています。日常的な会話や、ダンス、詩などをコラージュのように組み合わせた作品スタイルが特徴です。演劇と演劇が置かれる場所の関係性について興味をもち、劇場だけでなくBARやギャラリー、民家での公演を行ってきました。くロひげの作品には、家族や食事、着替えというモチーフが多く登場します。起きて、顔を洗って、服を着替えて、ごはんを食べる。当たり前のことを繰り返して生きる人間が、そのまま舞台の上で喋ったり、黙ったり、うたったり、踊ったり、泣いたり、笑ったりします。社会や世界といったスケールの大きなことよりも、まず自分がいるこの部屋や、隣にいる人のこと、そこに流れている時間。遠いどこか、ではなく今ここにあるものを誠実に見つめていくことから始めたいと 考えています。むしろ、そこからしか何も始められない、とも思います。だからこそ、くロひげは作品をつくり続けています。
応募公演への意気込み
今公演ではわたしたちが以前から持っている「ボーダレス」というテーマのもと、これまでの創作の中で生まれた独自の手法・創作スタイルをより洗練させ、さらに新しい試みにも取り組んでいきます。
2011年から2年半、ある民家をアトリエとして借りていました。そこで料理をし、食卓を囲み、ダンスをつくって、脚本を書き、布団を並べて眠り、起きる。そうした日々の中で、生活と演劇はボーダレスなものである、ということを強く意識するようになりました。それは、稽古場と生活空間が同じということだけではなく、例えば、家にある古い手紙や、布団の中で聞く誰かが野菜を切る音。縁側に出て、みんなで焚いた送り火の煙。そうした普段なんでもなく重ねている営みの中にも、演劇があると気づいたからです。
そのため「劇場」という特別な、非日常的な空間においても、生活のにおいをさせることはできないだろうかと考えました。そこで、作品の外側からのアプローチとして、今公演ではくつろげるロビー、やわらかいクッション、ほっとするようなあたたかい飲み物の提供を計画しています。
同時に、作品自体の強度を高める必要性も強く感じています。くロひげの作品を構成する要素のひとつに、「台詞のロンド」(=複数人で同時に独白を行う。その際、発語を巧みにずらしたり合わせたりすることによってユニークなテンポや共鳴を生み出す )というオリジナルの手法があります。今作ではこの手法を洗練させるとともに、新しい取り組みとして、日常のからだを持ったままのダンスにも挑戦します。日々なにげなく行っている仕草や動作に焦点を当て、そこに美しさや面白さを見出していきます。
将来のビジョン
これからも独自の視点から、演劇の幅を広げていくような活動をおこなっていきたいと考えています。
そもそも演劇はもっと懐のひろい大きなものなのではないでしょうか。もっと些細だったり、いびつだったり、へたれていたり。その多様な要素の中で、わたしたちは「演劇は遠い世界のものではない、わたしやあなたの生活と等しくつながっているもの」という考えのもと、特別でない、日々の営みの中から作品づくりを行っていきます。
さらに、劇場で公演を行うだけでないさまざまなアプローチを模索する必要性を感じています。こんな演劇もあるんだと、広く知ってもらいたい。そのためのささやかな一歩として、昨年末から、暮らしと演劇についてのフリーペーパー「ごはん えんげき おしゃべり」を発行しています。
また、「生活のにおいのする劇場空間」ということも課題のひとつです。2013年3月に行った公演「三月の庭先」では、民家をそのまま会場として使用し、アフタートークでは夕食をご用意しました。おしゃれなメニューではなく、実家で出てくるようなラインナップです。お客様からは「普通のご飯だったのがよかった」「前に住んでいた家でのことを思い出した」との言葉をいただきました。劇場公演においても、同じような空気をつくることが目標です。そのための方法を探っていきます。もしかしたらそれは、例えば作品にあったおいしいレシピを考案すること、かもしれません。
それぞれが自らの生活の中にもっている特別な時間や、小さな光を見つめられるような作品づくりを行っていきたいと思います。

公演に携わっているメンバー(6)

chii!!

大好きな劇場での公演です。楽しみ
みさみさん

よろしくおねがいします
コジマ

久振りのSTスポットでの公演。 とても楽しみです。
Piroko
制作 その他(保育アドバイザー)

お待ちしております。


制作です。3年ぶりのSTスポットです!
moco

ST

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